■よし、毛替えだ!（漆原教授風に）

【このあいだのつづき…】


とある秋の昼下がり。
健康診断の帰りに、荻窪までやってきたあきぞう。


その目的は…





コントラバスの弓の毛替えですた。




わからん方にご説明いたしますと、
弦楽器の弓ってのはこんな仕組みなんだよ。






馬のしっぽ毛部分は、
ホントは一年に1～2度は替えなきゃいけないらしいんですが、
あきぞうは苛酷な環境に順応して生活を形成する主義、
言い換えればお金の無い子なので、●年も放置しており…


なおかつ、図の

※謎の針金

部分が、ビヨーンとなってしまい、取れかけのままにして
先の記事にも書きました、感動のマーラー「復活」も乗った次第。

マーラーもタクトを投げるレベル。





ま、そんなわけで、弓の工房さんへ。

ここへは初めて足を運んだあきぞうですが、
工房の入っておるマンションのふもとで、偶然そこのご主人とバッタリ遭遇…

私を見て会釈してくだすった。
やだ、運命！？



…ま、この界隈を弓ケース（←これが割と不審物チック）持って
うろついてるのは全部ご主人のお客だと思われ。




マンションの工房内へ招かれ、弓を見せたところ、
ご主人は微妙な、生暖かい笑みを浮かべて、毛替えの作業を開始。



あきぞう、いたたまれなくなって
「すんません！30分くらいうろついてきま～す。」

と、弓を預けたまま表へ飛び出しました。





……

だって、あんまりにもボロボロ弓なんだもん…

毛替えするより新品（※但し安物）買おうかと思った位で…



でも、貧乏やけん…




かわいそう、かわいそうなあきぞう！
音楽なんて、金のかかる趣味にはまったばっかりに…！







…そんなことはどうでもよい。

トリヤイズほんとに周辺をぶらついて、
工房へ戻ると…








ご主人が、ビヨーンの部分を巻き直してくれていた。






「初回だからね～。サービスだよ～。」


…神は荻窪に居た…！




神は、

「でもね～。この弓、あんまりにもあんまりだね～。
もうちょい高いの使った方が、楽に弾けるようになるよ～。」



あきぞう「…するってえと、どのくらいだイ？」

神「ん～、ン十万くらいのだとイイよ～。」




神は神でも貧乏神でした。
（失礼な発言）





弓にン十万の投資を考える人は１回5000えんの毛替えを
何ヶ月もためらったりせぬわ…





まあ、もちろんそれは神も冗談だった訳なんですけんど。




トリヤイズは、
ボロボロだった弓は、とてもキレイになったのでした。





「じゃ、試奏してみてみて～。」

と、神は私に、幽霊船の甲板みたいな古コントラバスを貸してくれた。




ボリリリリリ～…
ゴルルルルルゥゥ～…
（へたくそ）




はい、ちゃんと鳴りますです。
ありがとうございます。



弓もアレですが、楽器も自分のがほしいモンですわ。神よ。

と軽口をたたくあきぞう。



神「楽器ね～。ハハハ。楽器は天井知らずだよ～。」

　「ソレ、600万。」







「ちなみに18世紀のイタリア製だよ～。」







御年300さいのモンを気軽に渡して試奏させないで下さい。神よ。
こっちの生気が吸い取られます。

あと、600万出すならまずベンツとか買います。

（ついでに言うと、600万とゆ～単語を聞くと、
ドラえもん6巻の「この絵600万」とゆ～話を条件反射的に思い出します。）



神「楽器はそういう訳で、現実的じゃないからね～。
　せめて弓くらいはちょっとしたモンを持つといいと思うんだ。
　それが無理なら、もうチョイこまめに毛替えにしたほうがいいよ～。」






す、すみませんでした…神よ…！





そんなこんなで、ヘンに魂を消耗させて荻窪を後にしました。



むむう…

仕事に使用する10万のパソコンを買うかどうかを迷いまくる身分の私なので、
数十万の弓を、趣味の事に投資するわきゃないんですけんど…




せめて5万くらいの弓を持たないと、毛替えすら恥ずかしいモンなんですね…












でもま、多分現行の弓で！

またアマオケに復帰しようと思いまっす♪



針金もビヨーン直ったしね～。