松凬からくり帖

松凬さんが73年の人生と吟道50年からの体験や、これから起こるであろう!未体験談を写真と共にお届け!

阿久悠の〖詩小説〗・・・Bookoffで見つけました

2016-09-16 19:40:28 | 日記

いやぁ~凄いのを見つけました・・・それに天国の阿久悠さんごめんなさい知りませんでした

1999年12月25日初版印刷とあって、2000年1月7日初版発行とあります17年近く前なんですね

この小説凄いんです、自分で作詞された28作品を一作品10ページの小説にしているのです

しかも、作詞の内容とは全く違った内容で、・・・・・

   

私が知らなかっただけで・・・阿久悠さん小説家でもあるんですね

ではその28作品のタイトルを並べてみましょう

 青春時代

 十年ロマンス

 時の過ぎゆくままに

 北の宿から

 居酒屋

 また逢う日まで

 水中花

 三都物語

 舟歌

 五番街のマリーへ

 気絶するほど悩ましい

 もしもピアノが弾けたなら

 乙女のワルツ

 思秋期

 酒場でDABADA

 花のように鳥のように

 熱き心に

 ホテル港や

 時代おくれ

 北の蛍

 本牧メルヘン

 ワインカラーのときめき

 冬の旅

 たそがれマイラブ

 花〈ブーケ〉束

 USAGI

 人間はひとりの方がいい

 京都から博多まで  

 

この様にずらりと並べると、タイトルだけでも圧巻でしょう・・・歌が口をついて出てきます

阿久悠さんが作詞家だけでない証拠に、こんな賞を頂いている

昭和57年〈1982〉小説 ”殺人狂時代ユリエ” で横溝正史ミステリー大賞

平成9年〈1997〉30年間の作詞家生活で第45回 菊池寛賞

平成12年〈2000〉 ”詩小説” にて第7回 島清恋愛文学賞

主な賞だけで・・・もちろん小説だけ・・でっせ~

この28作品の中から【三都物語】の内容を少しだけ・・・・

 京都・冬

~たがいに成熟した男と女であるから、そこから先のめくるめく時間に突入するためのオズオズとした行為、

 つまり、接吻という紅色の鍵をカチャリと回していい頃合いになっていて、目と目、けはいとけはいで感じ取り、

 体の寄せ方、指のどれかに微妙な力が籠る自然な昂ぶりに、気持ちを示し合って納得したのだが、妹尾美矢は、

 「お酒が匂いますから」

 と、ちょっと上体を遠ざけ、拒んでいるのかというとそうでもなく、むしろ、遣る瀬無さそうに瞳を潤ませて首を振っていたが、

 そのうちに手を伸ばすと、松の枝にしっかりと積もった雪を摘まんで口に含み、さあこれで、甘ったるいお酒の匂いも

 消えましたと云うように、唇を押しあてて来た。~

とまあ~こんな具合で、京都・大阪・神戸、と三都を半年に一度ぐらいの割合で逢瀬を重ねる大人の恋物語

神戸・夏の章でこのように二人を紹介しているので・・・

~思えば、二人の関係は不思議といえば不思議で、東京と博多に別れてくらし、

 石岡は美術書籍を専門に発行する出版社の社長であるし、

 美矢もテレビ局でいくつかの番組を担当している。

 その二人がひょんなことで知り合い、深い仲になったのは一種の霊感的作用であろう。

 損も得もない男と女の真の魂の探り合いで、京都、大阪、神戸をその季節季節で選んで、

 四ヶ月に一度とか、長くて半年に一度の頻度で逢う瀬を重ねているのである。~

そしてラストがこうである・・・

~「私がとても浅ましい女で一日過ごしたとしても、それはあなたのせいですからね。

 私は、博多から新神戸まで、もうたっぷりと悩んで来たのです。乱れてもあなたの罪ですよ」

 と言った。それでもう彼女は、この二十四時間浅ましくなるつもりのようで、石岡もまた、

 ぼくのせいだよ、ぼくが悪いと、たちまち美矢を裸にした。港で花火が上がった。~

こんな感じの、三都物語なんです・・・阿久悠さんには珍しい、ハードな大人の愛を赤裸々に

今から9年前に70歳で亡くなられた阿久悠さん・・・この前にブログした「夏の花よ」が大好きです

  


 



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