醸楽庵だより

芭蕉の紀行文・俳句、その他文学、社会問題についての評論

醸楽庵だより  437号  白井一道

2017-06-22 17:59:42 | 日記

 「築地は守る、豊洲を活かす」。「は」と「を」の違い

句郎 「築地は守る、豊洲を活かす」と東京都知事、小池氏は決断した。華女さん、小池知事は築地と豊洲、どちらが主で、どっちが従なのかな。
華女 築地から豊洲に移転しろと言う勢力におもねった表現なんじゃないのかしら。狡い人だから、築地再整備派の人々にも媚びを売ったんじゃないのかしら。
侘助 なるほど、鋭い指摘かな。「豊洲は守る、築地を活かす」といった表現と比べてみると違いが良く分かるような気がする。
華女 そうね。「は」と「を」の違いね。
侘助 助詞をどの単語に付けるかによって意味が大きく違ってくるんだね。
華女 小池百合子氏は元アナウンサーだったというから言葉の使い方がうまいんじゃないのかしら。
侘助 確かに。築地はあくまでも守りますよ。安心して下さいと述べ、仲卸を中心とした人々からの反対の声を防いだ。
華女 反対の中心は仲卸さんたちが中心だったの。
侘助 そう、仲卸さんたちが「築地ブランド」を築いてきたようなんだ。魚の品質に対する安心安全というものが「築地ブランド」というものらしいからね。
華女 ああ、そうなんだ。だったら、豊洲に移転しても仲卸さんたちが居れば、「築地ブランド」というのは守れるんじゃないのかしら。
侘助 ところがそうじゃないようなんだ。豊洲に移転した場合、仲卸を辞めたいという人たちが大勢いるようなんだ。
華女 なぜなのかしら?
侘助 豊洲に割り振られた場所が狭い、魚を積んだ重い荷物を自由自在に運べない。築地に比べて豊洲は狭い上に使い勝手が仲卸には悪いようにできているようなんだ。その上、家賃が高くなるようなんだ。仲卸のことは特に考えて使いやすいようにはできていないみたい。
華女 そうなんだ。
侘助 築地での仲卸さんたちの魚の扱い量は減少してきているのが実態のようなんだ。
華女 あらそうなの。
侘助 絶対量はそれほど減ってきているというようなことはないのかもしれないけれどね。仲卸を通さず、大手スーパーなどに直接、漁業組合や漁業会社が卸す量が増えてきている実情があるみたいだよ。
華女 あー、そうなのかもしれないわね。仲卸より大手なのね。それがITを使った流通センター機能ということね。
句郎 だから「豊洲を活かす」決断を小池知事はした。あくまでも、築地を売り払ったりせず、守ることにも配慮しますよと述べたんだ。
華女 その決断が「築地は守る、豊洲を活かす」という言葉だったのね。
句郎 そう。だから、築地中央市場は豊洲に移転します。豊洲を無害化することはできませんでした。お許しください。このように謝り、築地から豊洲に移転する決断をした。豊洲を安全な市場にするため処置をしますので風評被害を食い止めるために、私は先頭に立って頑張りますと、このようなことなんじゃないのかな。
華女 でも、なんか、裏切られたという気持ちはぬぐうことができないわ。だってそうでしょ。無害化できない場所に移転するんでしょ。「築地ブランド」は無くなるわね。

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