将棋ソフト生活

将棋ソフト・コンピュータ将棋の話題

記事の更新はネット将棋生活で

2012-12-16 00:01:50 | 将棋ソフト生活の運営日誌
今まで、将棋関連のブログを2つ運営してきました。

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・当ブログ「将棋ソフト生活」:将棋ソフト/コンピュータ将棋の話題

・「ネット将棋生活」:ネット将棋/将棋全般の話題

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2つに分けていると面倒なのと、当ブログの更新が滞りがちだったので、これからは「ネット将棋生活」一本に絞りたいと思います。

今後の更新は「ネット将棋生活」へ。

将棋ソフト/コンピュータ将棋の話題は、ネット将棋生活の「将棋ソフト」カテゴリをご参照ください。



当ブログの過去の記事は、このまま残しておきます。(記事移転はしません)

われ破れたり

2012-08-11 23:36:45 | 将棋本レビュー
われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る

今年の1月、ボンクラーズVS米長永世棋聖の電脳戦がありました。
盛り上がったイベントというのは、過ぎてしまうとずいぶん昔のことのように感じます。

対局の1ヵ月後に出版されたのがこの本。
あまりにタイムリーなので、つらつらとエッセイを書いた雑な本かと思いきや、かなり面白いと評判です。

このイベントで、米長会長が本気だったということがわかります。
150局以上PCソフトで練習していたことは有名ですが、ボンクラーズの強さは最初から認めていたそうです。なんとか勝算をつけるところまで持っていったのがすごい。

また、取材攻勢で気が散らないように前日から将棋会館に泊まりこんでいたり、正座は体が受け付けないから椅子を用意したりなど、勝負師は何歳になっても勝ちたいんだなあと妙に感心。

「若い愛人がいないから勝てない」という奥様の言葉が紹介されているけど、この言葉は積年の思いが凝縮されているような・・・(笑
米長会長はやっぱり面白い。

この本には多くの著名ブログがレビューしていて、将棋人気の幅広さを改めて感じました。
いくつかピックアップ。

松岡正剛の千夜千冊
↑編集工学でおなじみの松岡さんの書評サイト。本書について、かなり詳しくレビューされています。コンピュータ将棋の流れ、当日までに経緯なども。写真も多くてお勧め。

IDEA*IDEA

三軒茶屋 別館


第22回コンピュータ将棋選手権はGPSが優勝

2012-05-08 05:01:03 | コンピュータ将棋選手権
ゴールデンウィークといえばコンピュータ将棋選手権です。
(今年もあっという間に五月です。早い・・・)

今年はGPSが優勝。
GPSは、2009年に優勝している競合です。

GPS将棋(将棋ソフト列伝)

結果はこうなりました。

優勝:GPS
2位:Puella α
3位:ツツカナ
4位:ponanza
5位:習甦
6位:劇指
7位:YSS
8位:Blunder


コンピュータ将棋選手権の結果ページはこちら
第22回コンピュータ選手権 結果(コンピュータ将棋協会)


今年の結果についていくつか印象に残ったポイント。


■GPSは、将棋ソフト列伝でもご紹介していますが、東京大学院の研究者たちが取り組んでいるソフトです。複数の研究者が研究テーマ(の一つ)として取り組んでいるので、今後も強豪であり続けるでしょう。(他のソフトは個人の趣味として開発されているようですから、好対照です。劇指やYSSのように販売されているソフトでも開発態勢は個人だと推測します)

■2位の「Puella α」は、今年1月に米長会長を破った「ボンクラーズ」です。なぜ素敵な名前を変えてしまったのでしょうか。それはともかく、やはり強い!

■ツツカナと習甦は情報が少ないソフトです。おそらく個人の方で、オープンソースのBonanzaやGPSを参考に開発されているのでしょうか。ネットで詳細が分かれば、このブログでも紹介したいです。

■劇指、YSSという老舗が決勝まで残ったのはさすがです。あのBonanzaが予選落ちしたほどですから、昨今のコンピュータ将棋のレベルがいかに高いか予想がつきます。

■昨年からニコニコ動画(ドワンゴ)が協賛に入って、中継で活躍しています。
ニコニコ動画は名人戦の完全中継をしているほどで、将棋とは切っても切れない仲になりました。

■1位~5位のソフトが来年の電脳戦でプロ棋士5人と対戦するようです。これは楽しみ。

■上記のコンピュータ将棋協会のサイトには、各ソフトに関連したサイトにリンクがあります。個人の開発者の方へのブログなども多くて、読んでいて楽しいですね。プログラマーの方などは読んでみると刺激を得られると思いますよ。


人間よりコンピュータが強い時代に何が起きるか

2012-03-26 03:51:54 | 将棋について
将棋ソフトが人間より強くなったとき、将棋界に何が起きるか。
今回はそのことについて考えてみます。

昨年2011年は、コンピュータ将棋の強さが認知された年でした。ponanzaとボンクラーズが将棋倶楽部24でレーティング3000(+勝率9割)と席巻しましたので、人間より強いというのが確定したと思います。

将棋倶楽部24にはプロ棋士も多数参加していますので、早指しという限定は付きますが、コンピュータ将棋が人間を超えたのは自明です。


では、「人間VSコンピュータ」という問題設定が終わって、コンピュータの方が強いという前提ができたとき、将棋はどのように変わっていくでしょうか。

個人的に自信をもって予測したいことがあります。

それは、女流将棋の人気が急上昇するということです。


今まで、女流棋士というのは「おまけ」というか「付録」というか、そういった位置づけにありました。

女流棋士というのは実力的にプロ棋士になれなかったことを意味しますので、将棋の普及のために設けられた特殊システムという位置づけです。

しかし、人間よりコンピュータが強いとなれば、プロ棋士かそうでないかという重要性が薄らぐと思います。

というのも、「プロ」と「アマチュア」の区分けが意味を持つのは、「実力への信仰」があるからです。プロがアマチュアよりも尊敬され、アマチュアが軽視されるのは、実力の乖離があるからです。

しかし、人間よりも強い存在があって、そこにはプロであれアマチュアであれ「等しく敵わない」となれば、プロとアマチュアの区別が意味をもたなくなります。

まして、その最強への存在(コンピュータソフト)には、誰でも簡単にアクセスできます。トップレベルの将棋ソフトであるボナンザやGPSは無料ですし、劇指は1万程度です。つまり、プロよりも手元にあるPCに入っている無料ソフトの方が強い、という時代が到来することになります。

もちろん、コンピュータ将棋が公式戦で使われるときには、ハイスペックPCの並列処理で使ったりしますが、後5年もたてば個人PCに入れてある将棋ソフトでもプロは勝てなくなりそうです。(ソフトもハードも進化していますので)

そうしてプロへの実力信仰が薄らぐと、実力以外の部分に関心が向くはずです。

すぐに思いつくのは、女流棋士です。女性というだけで将棋ファンの関心は高いわけですから、人気が上昇するのではないでしょうか。

実際、すでに人気が出てきたように感じます。
昔に比べて、女流棋戦についての記事をメディアで見ることが増えてきましたし、ネットでも話題になることが多くなってきました。

プロテニスなどのスポーツ業界と同様に、女流将棋がビジネスとして成立する時代が来そうです。

直接対戦すれば男子が勝つだろうけど、それはほとんど問題にならずに、女子プロのファンがいる。プロテニスやプロゴルフなど、多くのスポーツ界はそういう世界です。

今まで、将棋界で女子プロが成立しなかったのは、将棋という頭脳ゲームゆえに「実力信仰」があったからなのです。


今年のスケジュール

2012-01-31 18:10:53 | 将棋ソフト生活の運営日誌
年末年始にかけて大いに盛り上がった将棋電王戦が終わって、将棋ソフトの界隈も落ち着いてきた感があります。

主要メディアでも電王戦は大きく取り上げていましたので、コンピュータ将棋の強さが一般に周知されたと思います。これから数年はイベントがある毎に注目されることでしょう。

今年から来年にかけてのスケジュールを予習しておきます。

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5月 コンピュータ将棋選手権

来年1月 将棋電王戦

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とりあえず、今わかっているのはこの2つのイベントだけ(笑。
ただ、昨年に倣えば、以下の2つが濃厚です。

・将棋倶楽部24に将棋ソフトが登場。

・年末に将棋電王戦プレマッチのようなイベント


また大きく盛り上がると思います。
将棋ソフトには注目が集まっているだけに突発的なイベントが発生するかも知れません。

また、市販されている将棋ソフトとか、ダウンロードできる将棋ソフト、スマートフォンで遊べる将棋ソフトなどで、なにか話題になるような逸品が現れるかも知れません。
発見したらこのブログで紹介したいと思います。

あと将棋ソフト列伝も、今年中に<すべての将棋ソフト>について記事にするつもりです。