ショートホープは短い希望たとへば雪 北大路翼 「街」129号より
タバコを吸わなくなってから10年以上が経つ。ショートホープが名前の通り、本当に短かったのかどうかまるで記憶にない。私がタバコを吸い始めたのはセブンスターだったが、時折このタバコも吸っていた。ハイライトと並んで否もっと強くはなかったろうか。小さめの紙箱に10本収まっていたように思う。ショートと言うからには、大元のロングもあるはずだが、こちらもハッキリ憶えていない。紙巻ピース同様に、フィルター無しで20本が円筒形の缶に収まっていたのかどうか、いや違っていた。たった今思い出したが、通常と同じ様に20本が紙ケースに収まっていたように思う。そして、フィルターが付いていたような付いていないような・・。いずれにしても、ショートホープは紙箱の10本入りで強かったが、一本々々ゆっくりと吸ったことは間違いない。「ショートホープ」とは短い希望の意味であり、若い時にそれを吸った時、どんなにゆっくり吸ってもアッという間に吸い終えてしまったのは確かだ。その頃、おそらく作者同様に私もまた希望に満ち溢れた青春時代を送っていたとはとても言えず、その一本を冬場に吸っていた時に、あたりは珍しく雪に覆われていたのかもしれない。・・・《続く》
レミオロメン 『粉雪』