空色のきもち

晴天の日も、雨の日もあるけれど、好きなものと一緒に毎日を過ごしています。

気仙沼へ③距離

2016-07-25 23:14:57 | 出かけてみた
私の住む街から気仙沼まで約600キロ。
行きは仲間と一緒だったからあまり感じなかったけれど(というか、あっという間)
一人で帰った帰りの東北新幹線の長かったこと。
おしりや腰が痛くなるというのはこういうことか…と実感しました。

しかも私にとっては、久しぶりの遠出でもありました。
そこは動物と暮らす人の宿命でもあるわけですが。
ある意味タブーを破ってw
「行く!」といったのには勢いが必要だったし、
アマチュアで音楽をしている人間が、遠くまで出かけて行って演奏するって
どんだけのことができるんじゃい?
という自問自答もないとはいえない。
むしろ、当然あった。
(そして、無鉄砲に旅行できるほど、余裕がないってことにも気づいて青くもなった

行くといったからには、
ステージに立つと決めたからには、
オケの名前を背負っていくからには(?)変な演奏できないし、
「笛でしょう?」
なんて思われたくないし(これはプライド)
一生懸命練習もした。
オケで同じパートが何人もいるのと、
デュオやトリオのように、各1本なのとではわけが違う。

準備はして臨んだけれど、さて一体どんな感じの場所で、どんな人たちの前で演奏することになるんだろう?

楽しみでもあった。

お世話になったマグロ屋の店長さん。
「昔は(私の地元の)港にもよく行ったんですよ。
すごく親近感があります。よくいらっしゃいました。
いや、あの港は『すぐそこ』。うちの船も入港します。
わたしら、アフリカまで行くからね。
アフリカと比べたらすぐそこ!」

地元に帰った昔の仲間も会いに来てくれました。
久しぶりに会った彼の第一声は
「本当にいた!!」
…うそなんじゃないか、居ないんじゃないかと思いながらここまで来たのかよ!(笑)
「田舎感覚ではそう遠くない(から行きます)」
と言ってくれたけれど、本当はあんまり近くもないはず。
そんな距離を、半信半疑のまま来てくれたんだよね。
演奏を聴きに来てくれたはずなのに、楽器の持ち替え時の手伝いをさせたw

演奏終わるまで大きな楽器を持っていてくれたので
「後ろに置いてくれてよかったのに。ごめんね」
というと
「いや、置きに行くと演奏聴けないなと思って。
久しぶりのリコーダーだから。
やっぱりいいですね! 仲間探そうかなぁ…」

「そうそう、驚いたのはね」と彼。
演奏中、おじさんに話しかけられていたのは見えていたんだけど。
「そうなんですよ、知らない人に話しかけられてね。
あの演奏してる人(=私の相棒)、まえにも来たことあるよね?
って言われたんですよ。
600キロも離れてるところで、会ったことあるって言われる人なんて
本当にいるんですね! どんだけすごいんだと思っちゃいました」
本当だねぇ、と言いながら、(それは私たちの仲間です)という思いで
はなが高いような気持ちになってうれしがる私たちw

気仙沼から一関まで「送りますよ」の言葉に甘えて送ってもらった。
「まだ話したいこともあるし」って言ってくれて。
7年一緒のオケにいたけれど、月に一回しか会わないからそう多くの時間を一緒に過ごしたわけではない。
「まさか、助手席に乗ってもらう日がこようとは(笑)」
「まさか東北で再会することになるとは夢にも思わなかった(笑)」
と、にこにこと穏やかに、別れたころと同じように話す人に
本当に来てよかったなぁと改めて思った。
お互いの近況、オケのこと、最近始めたもののこと。
いくらでも話すことはあった。

その中で印象に残ったのは
「気仙沼の街をみてまわりましたか?」
というあたり。
「少しだけね。まだまだ大変なんだろうなと…。
今回あった人たちは、2周年おめでとうのイベントだったせいもあるだろうし、
それを中心になって盛り上げていこう、というメンバーだったこともあり
『前向きにがんばろう!』っていう気持ちの強い人たちだったと思うんだよね。
実際はそうでない面もあるんだろうなって思ってね・・・」
「おいしいものもたくさん食べたし、これからだって積極的に買っていきたいと思ってる。
でも、原発のことを思うと、どこまでが安全なのかなって、
正直、考える瞬間っていうのはあるんだよね。」
ちょっと言いにくいことをぽつぽつ話すと
「うん、わかりますよ。
でもねぇ、いつまでも震災震災って言っててもねぇ、って思う気持ちも
地元に暮らすものとしては、あるんです。前も見ないとね。
だから、一緒に楽しい時間を過ごすって、いいことだと思うんです」
「実際に、自分の友達なんかが(農作物を)作ってますけど、
本当に厳しい基準なんです。いまだに作っても全部廃棄、なんてことになったりしてます。
流通しているものは、そういうとても厳しい基準をクリアしたものなんですよ。
だから、躊躇する気持ちもわからなくはないけれど
流通しているものは大丈夫と思ってくれたら、と思いますけどね」
そうかぁ。
いろんな意見はあるだろうけれど、地元の人の言葉を信じてみようとも思った。

行くまでは遠い街だったけれど
本当は案外近いのかもしれない、と帰ってきてから思っている。

「今度はそちらに行きますね! 行くときには連絡します!」
との言葉に
「10月においで~。みんな待ってるよ~
とささやいた鬼な私ww

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