塩哲の空即是色

日々の徒然日記

ミュージアム巡り 東京国立博物館 お岩さん

2011-10-23 07:05:18 | ミュージアム巡り_2011
 次の絵はよく見る一枚で、百物語の「お岩さん」。
 南北の「東海道四谷怪談」の一場面をそのまま描いたもので、北
斎の手にかかるとこの絵になる。破れた提灯にお岩の亡霊が映って
いる。
 これは、長兵衛が簾の内側を覗き込んだ瞬間、幽霊を見てしまい
提灯を取って逃げようとしたところ、それがお岩の顔に代わったシ
ーンである。現代版ホラー絵だ。
 それにしてもお岩さんの顔が無機質のロボットのように見えるの
だが・・・。

 さて、展示会場にはなかった北斎・百物語の5枚目がコレ。中で
もコレが一番怖い。「しうねん」という題で蛇を描いた作品。蛇は
昔から執念の塊である。
 描かれている位牌には「茂問爺院無嘘信士」の戒名があり、これ
を“ももんじい院むこしんし”と読む。ももんじい(百々爺)はモ
モンガとガコジの合体した人物で、こいつが原野に現れ行き交うと
必ず病に倒れるといわれている。
 北斎の頭脳は、まさにコンピューターが搭載されていたようで、
タイムマシンがあれば北斎に会いたい。
(台東区上野公園内)

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