監督:ケヴィン・スペイシー
主演:ケヴィン・スペイシー
観劇日:2005/3/16
2004年の暮れから考えても、最も感動した映画だった。
こんな作品が封切り期間わずか1ヶ月程度だったとは一体どういう事だったのだろう。
フランク・シナトラに匹敵する人気を誇ったポップスター、ボビー・ダーリンの生涯を、ケヴィン・スペイシーがファンタジーたっぷりに創り上げた好作品だったと思う。
明るいミュージカルベースが基調だが、泣きどころも満載。
いやただ泣かせるだけでは済まない。
今の自分自身の不甲斐なさと希望の大切さを思い知らされる。なぜならボビーは37歳で逝ってしまったのだ。劇場で観た時の僕の年齢だった。
けれども彼のエピソードに不完全燃焼感はない。挫折を味わいながらも彼は死を前にして大きく飛躍する。このエピソードが例え真実と少しばかりずれていようと構わない。少なくともケヴィンの目にはそのように映った彼が実在したという事だ。
本当は少年の頃に既に15歳で死ぬといわれていたボビー。
母と呼ばれた人との硬い約束、エンタティンメントへの深い情熱と表現への執着が彼を或る人生の高みへと連れて行った。
幸福感に満ちた映画だ。
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