oregonian way of life. 

オレゴンでの学生生活から南下して社会人生活へ。IT産業でホットなサンフランシスコ・ベイエリアで地味~に文系の仕事してます

「輪」=地球、エコロジー、それに論文?

2006-08-15 | 見方・視点
このブログで何度か紹介した、パーソナルケア製品を製造&販売するトムズ・オブ・メイン社CEO、トム・チャペルさん。以前言ったように、チャペルさんの世界観の要になっている概念の一つが「輪」。「すべての存在物は、他のすべての存在物とお互いにつながっている」という考えです。この「輪」をチャペルさんは会社のロゴ(画像)に採用しているほか、丸い地球を表す「記号」としても雑誌広告などに使用していました。「人間を含めた環境を構成する要素は、すべてお互いにつながっている」と考えるエコロジー(生態学)にも、「輪」は通じるものがありますね。

この「輪」という概念、地球やエコロジーだけではなく、(学術)論文にも当てはまります。わたしは現在、7月初旬に提出した論文の書き直しをしていますが、このような学術論文の構成は以下のように、基本的に「輪」の概念に沿っています。

1. 序論
「この論文では、『○○は☆☆だ』ということを証明します」など、論文の主張/命題を述べる(=「輪」を描き始める)
     ↓
2. 論文の本体
主張の正当性を証明すべく例を挙げて論じていく(=「輪」を描き続ける)
     ↓
3. 結論
「以上、この論文では『○○は☆☆だ』ということを証明しました」など、序論で述べた主張/命題をまた述べる(=「輪」の出発点である序論に戻ることによって「輪」を完結する)

と大雑把に言ってみましたが、複数の段落からなる論文を一つにまとめるもの、それが主張/命題です。論文というのは、主張/命題という一本の線から成り立つ「輪」であり、言い換えると、主張/命題がない論文は論文とはいえません(主張/命題なしに何を何のために論ずるのか?)。もちろん、このような書き方をしさえすれば100点満点の論文が完成するほど学術論文は単純なものではありませんが、「輪」の概念に沿って論理を発展させて書くことが論文の基本です。

な~んて偉そうなこと言う暇があったら、自分の論文ちゃんとやれよってか!?う~ん、この論文では命題を定めるのに苦労しています。7月に提出したときは期限直前に命題を強引に定めてまとめましたが、書き直しに当たって今度はもっと洗練された命題を設定したいものです。「輪」を描く線になる命題が決まらないというのは、言い換えると、考えがまとまらないということです。本文自体を書く材料は豊富にあるのですが、各材料をつなげる共通点(=論文の命題)をまだ見極めていません。今の時点では「輪」ではなく、複数の線がばらばらにあちこちに伸びている状態。共通点を見つけるべく、視点を変えたりもっと深いレベルまで分析したりする必要があるようです。このような苦労を経てこそ分析レベルが高い、思慮深い論文ができていくもんなんですよね・・・。きれいな「輪」を描く論文を書くのも楽じゃない!

(学術)論文は、地球やエコロジーと同じように「輪」――。しかし、論文と地球&エコロジーとの違いは、地球やエコロジーが自然と「輪」になっている、人によっては「神が創造したもの」であるのに対し、論文は本人の頭脳によって「輪」にしなければならないこと。それを「難しい」と言って放り投げるか、「自分一人で一つの『輪』を作り上げるなんて・・・、素敵☆!」と思って論文に熱中するかは人次第。(←分かったから自分の論文に戻れよ)

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2 コメント

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Unknown (PONO People)
2006-08-16 11:24:15
いつも楽しくブログを拝見しています。

PONO People(http://www.ponopeople.com)というサイトの管理人をしております。こちらのサイトでは、LOHAS的な話題を提供しているブログブログからのトラックバックをいただくことにより、エコロジーな、LOHASなブログを繋げる、という趣旨のサイトです。

このサイトの「ピックアップブログ」コーナーにて、こちらさまのブログをご紹介させて頂きました。今後もスローな話題のブログ記事、楽しみにしています。
返信する
サイト (しんのすけ)
2006-08-17 05:06:07
サイト拝見しました。大々的に(?)紹介していただいて恐縮です。わたしのライフスタイルをスローライフであると言い切っていいのかは疑問ですが、理想実現に邁進したいです。
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