正太 「この「愛を与える」に際して大切なことは、「知恵をもって与える」ということなんだ」
勇二 「知恵をもって与える?」
正太 「これはどういうことかというと、自分では「愛を与えた」と思っても、それがほんとうに知恵をともなっていないと、人を生かさない場合があるということなんだ」
勇二 「ああ、なるほどね。親が子供のことを「愛してる」なんていいつつ、甘やかしてダメにしている、ことも多いしね」
正太 「そうそう。たとえば、息子がいつまでも働かずにグータラしてる。お金を送らないと飢え死にするとかワーワー言うから、お金を送る。それで一月生き延びて、お金がなくなると、またせびってくるから、また送る。こんなふうにして、いつまでたっても働かない、なんてことが、世の中にはいくらでもあるんだね。
単なる恩情主義でずるずる援助していくことが、かえってその人の依存心を助長して、自力更生や独立を妨げたりすることがよくあるんだよ」
勇二 「愛を与えたつもりが仇になった、じゃ困るよね。与える愛が自己満足で終わっちゃいけないんだな」
正太 「そう。愛というのは、簡単なように見えて、実は非常にむずかしいものなんだね。というのも愛には「人を生かす」という働きが入っているからなんだ。その人が、善くなってこその愛なんだね。その人を堕落させてしまったんでは、意味がなくなってしまうんだよ。
人を生かしていくには、知恵がともなった愛でなくちゃいけないんだ。この知恵には、人情の機微を知る、世の中のことを深く知る、という面もあるけれど、中心は「原因・結果のプロセスを見抜く力」のことなんだね。「こうしたアプローチをすれば、この人はこうなる」「こうした種をまけば、こうした実ができる」という原因・結果のプロセスが見えることが大事なんだ」
勇二 「ふーむ。会社の管理職なんかは、これがないと務まらないよね」
正太 「こうしたことは、発展途上国への援助、たとえば「水不足に悩んでいる国に対して、水を与えるのと井戸の掘り方を教えるのと、どちらがいいか」といった問題についてもいえるんだね。
もちろん、急場を救ったり、緊急避難的な援助が必要な場合もあるけれど、単にモノを与えるだけより、技術や知識を与えるほうが、大きな愛になるんだね。その人たちの自立や発展に対して、大きな仕事をしたことになるんだよ。
だから、仕事のできない人には、やはり仕事のやり方を教えてあげる、お金の使い方を知らない人には、お金の使い方を教えてあげる、という考え方が大切なんだね。
人助けといっても、単に目先のものだけじゃだめで、「こうしたら、将来こういう結果になる」という知恵を含んだ愛が大切だということなんだ」
勇二 「知恵をもって与える?」
正太 「これはどういうことかというと、自分では「愛を与えた」と思っても、それがほんとうに知恵をともなっていないと、人を生かさない場合があるということなんだ」
勇二 「ああ、なるほどね。親が子供のことを「愛してる」なんていいつつ、甘やかしてダメにしている、ことも多いしね」
正太 「そうそう。たとえば、息子がいつまでも働かずにグータラしてる。お金を送らないと飢え死にするとかワーワー言うから、お金を送る。それで一月生き延びて、お金がなくなると、またせびってくるから、また送る。こんなふうにして、いつまでたっても働かない、なんてことが、世の中にはいくらでもあるんだね。
単なる恩情主義でずるずる援助していくことが、かえってその人の依存心を助長して、自力更生や独立を妨げたりすることがよくあるんだよ」
勇二 「愛を与えたつもりが仇になった、じゃ困るよね。与える愛が自己満足で終わっちゃいけないんだな」
正太 「そう。愛というのは、簡単なように見えて、実は非常にむずかしいものなんだね。というのも愛には「人を生かす」という働きが入っているからなんだ。その人が、善くなってこその愛なんだね。その人を堕落させてしまったんでは、意味がなくなってしまうんだよ。
人を生かしていくには、知恵がともなった愛でなくちゃいけないんだ。この知恵には、人情の機微を知る、世の中のことを深く知る、という面もあるけれど、中心は「原因・結果のプロセスを見抜く力」のことなんだね。「こうしたアプローチをすれば、この人はこうなる」「こうした種をまけば、こうした実ができる」という原因・結果のプロセスが見えることが大事なんだ」
勇二 「ふーむ。会社の管理職なんかは、これがないと務まらないよね」
正太 「こうしたことは、発展途上国への援助、たとえば「水不足に悩んでいる国に対して、水を与えるのと井戸の掘り方を教えるのと、どちらがいいか」といった問題についてもいえるんだね。
もちろん、急場を救ったり、緊急避難的な援助が必要な場合もあるけれど、単にモノを与えるだけより、技術や知識を与えるほうが、大きな愛になるんだね。その人たちの自立や発展に対して、大きな仕事をしたことになるんだよ。
だから、仕事のできない人には、やはり仕事のやり方を教えてあげる、お金の使い方を知らない人には、お金の使い方を教えてあげる、という考え方が大切なんだね。
人助けといっても、単に目先のものだけじゃだめで、「こうしたら、将来こういう結果になる」という知恵を含んだ愛が大切だということなんだ」