幻想を浮かべている僕は
迷える仔羊か
いや小爺(こじじい)
正真の小心者は
ずっと続く回廊から抜け出せず
手掛かりを見つけた時
眠れぬ森に迷い込んだ
進んだことに変わりはないのだから
今さら焦ることもなく
動じることもなければいいのだが
それほどの人間でもない
ただできることは
この森に溶け込んで
月明かりでも見ながら歩み
ぐっすりと眠れる日を待てばいい
(2013年 3月 発表)
幻想を浮かべている僕は
迷える仔羊か
いや小爺(こじじい)
正真の小心者は
ずっと続く回廊から抜け出せず
手掛かりを見つけた時
眠れぬ森に迷い込んだ
進んだことに変わりはないのだから
今さら焦ることもなく
動じることもなければいいのだが
それほどの人間でもない
ただできることは
この森に溶け込んで
月明かりでも見ながら歩み
ぐっすりと眠れる日を待てばいい
(2013年 3月 発表)
散りゆく葉っぱは
哀愁の表情を浮かべながら
やがて大地へと静止する
落ち葉の安らかなる眠り
色とりどりに混ざり合い
自然の描いた絵となる
(2012年 11月 奈良公園にて撮影)
浅草寺での御参り
参道から見上げるスカイツリーのりりしさ
それをたたえるかのように
鳳凰と龍が
晴れ渡る秋空の大海を
泳いで行った
辰年の今日を思えば
良き未来の兆しであろう!
(2012年 9月 撮影)
梅雨空の憂うつ
雨の色を見て
ベランダでタバコに頼る
失恋者たちのぬけがら
愛に満ちた幸福
戦いの中の血
何通りもの飲酒
底からの叫び
止まらない涙
生きている満足感
死ねない絶望感
腹からのおかしさ
人知れず
倒れた女が声も出せずに横たわっている
人知れず
夢を手に入れた男が祝杯をあげている
人知れず
明日自殺しようと準備をしている少女
人知れず
明日告白しようと心臓が揺れている青年
人知れず
神を信じている人たち
人知れず
他人を嫉んでいる人たち
人知れず
希望を胸に抱いている人たち
人知れず
あなたは何を思っているの
ああ みんな
同じこの空の下
同じ時間に
いろいろな人たちの
いろいろな思い
宇宙に響け
(2013年 3月 発表)
ひしひしとこの身にしみる冷た風
吹かれるのなら
吹かれていよう
沈まぬように
落ちぬよう
あがかず
静かに浮きながら
待てば時機来る
流れは変わる
逃さぬように乗りましょう
(2013年 3月 発表)