ボクは広告です

CMから考える広告の教科書

ちょっとJPEGの話です

2012-05-24 00:56:01 | 広告/ニュース
インターネットを使ってメールで添付画像を送る。いまでは当たり前のことですが、10年前はまだ新鮮な出来事で、送るにも受けるにもずいぶん時間がかかりました。また、大きな写真のようにデータ量が多いと送れませんでした。今は光回線のようなインフラの整備とパソコンのOSが進化し格段に早く送れます。インターネット環境が驚く速さで進化したからです。USTREAMのようなインターネット中継もハイビジョンで配信できます。iPadでのインターネット中継も画像がどんどん鮮明になっています。スマートテレビが普通になればもはやテレビ中継とインターネット中継の区別がつかない時代になりますね。なにもかも速くなった、そもそもは圧縮ファーマットの登場でした。JPEGとかGIFとかいうあれですね。そこで今日はデジタル画像の圧縮についてもう一度振り返ってまとめておきたいと思います。
デジタルとアナログの違いはもうほとんどの人が分かるようになりました。テレビもカメラも印刷まですべての媒体がデジタル化したためです。アナログの時代には出来なかった事がいまではなんでも出来ちゃいます。画像の色を変えるそれも部分的に変える、目の大きさを変える、3秒戻って画像を記録する、え?とか思いますが、これもデジタルなら出来ちゃうのです。まるで魔法のようなデジタルですが、その中でも一番の魔法はやはり圧縮ではないでしょうか。ぎゅっと小さくしてまた元に戻す、一体どうやってするのでしょう。
アナログは見たまんま、デジタルは置き換える、ここまではなんとなく理解できます。ではデジタルは何に置き換えているのでしょう。数字の0と1。はい正解です。では圧縮はどうしているのでしょう。となると、すぐには答えられない人も多いのではないでしょうか。それがJPEGです。と聞けば、なんだJPEGか、いつも使っているよとなりますね。実はこのJPEGというファイルがすごいのです。よくこんなこと考えたものだと言ってもいいぐらい“おりこうさん”なのです。
JPEGは画像ファイルの圧縮に使われます。もともと一枚の画像は画素数とかピクセルとか言われるこまかい点のようなものに区切られ、その色合いによりそれぞれが数字化され見るときはその数字を元の色に戻して見ています。これがデジタル画像です。そのこまかな区切り大きくすれば画像は荒くなり、逆にこまかくすれば画像は鮮明になるしくみです。ここで圧縮と言うのは画像の区切りを荒くしてデータ量を減らすことです。しかしJPEGのすごさはここからです。ただ、全体の区切りを荒くしてデータ量を下げるだけではなく人間の目で見てほとんど分からないところは大きく荒くして、荒くしたらぼやけてしまうところはほとんど元のままというまるで頭脳を持ったような圧縮が出来るのです。たとえば、真っ青な空の画像でしたら、どの青をとっても同じです。その場合はたとえば500万画素の画像でもひとつのピクセルですべての青が表現できます。つまり500万分の1の圧縮をしても画像に変わりはありません。ところが複雑な色で構成されている画像の部分は250万分の1つまり半分にという仕組みです。このJPEGの“頭脳 ”のおかげで今のようにメールで画像を送ったり大量のデータのやり取りが可能になりました。しかも日に日にきれいになっています。もちろん圧縮ファイルはJPEGだけではありません音楽や映像にはそれに合わせた圧縮ファイルがあります。これらの圧縮ファイルもJPEGと同じようにすべてを均一に荒くしているのではなく、荒くしても分からないところは大きく荒く、そうでないところは、少しだけ荒くという“頭脳”を持っているのです。これら圧縮ファイルの登場により音楽や映像のダウンロードを可能にし、圧縮しても良い音に聞こえたり映像もきれいになりました。それらのすべてのはじまりは”おりこうさん”のJPEGだったのです。
今後、デジタル技術は圧縮を含めてますます進化していきます。しかしJPEGの“頭脳”はアナログです。人間が判断するアナログの気持ちがないと良いデジタル画像は出来ない。このことはどんな時代になっても変らないでしょうね。

※ちなみにJPEGはjoint Photographic Experts Group の略です。