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グーグル・ブックスと著作権を考える

2016-11-18 12:27:57 | 広告/ニュース
(こちらの記事は=ボクは雑草です=と重複しています。同じものですのでご了承ください。)
14日(日本時間11月15日)ニューヨークの連邦地裁は、「グーグル・ブックス」は著作権法に違反したとする作家団体の訴えを棄却しました。グーグルは書籍をスキャンするに当たって著作権保持者の許可を得ていなかったが、そうした懸念よりも重要な項目がある。「グーグル・ブックス」によって学者は大量のデータを分析し、書籍へのアクセスを保持、拡大することが可能になり、新しい読者層を生みだし、作家や出版社に新たな収入源をもたらすと述べ「グーグル・ブックスは公益に大きく貢献すると思う」と記しています。つまりグーグルの取り組みは著作権法の下での「正当な利用(フェアユース)」に値する。というものでした。 
2003年に計画が発表されて以来10年、大きな節目の判決になりました。そもそも「グーグル・ブックス」ってなに?と思われる方におさらいです。「グーグル・ブックス」は世界中のすべての書籍をデジタル化、つまりデジタルブックとしてインターネット上に公開、誰でも世界中の書籍が読める仕組みです。著作権の切れたものは全文を、著作権の生きているものは一部をすでに公開しています。その数2000万冊以上というから驚きです。今回の判決は著作権保持者には納得のいかないものかもしれませんが、著作権と公益のどちらが重いかを示すひとつの目安となる判決ですね。
日本にも「青空文庫」があります。今年8月に61才で亡くなった富田倫生(みちお)さんが呼びかけ人となってつくられたデジタルブックで日本の書籍およそ1万2000点を自由に読むことができます。「青空文庫」の場合は著作権の切れたものに限定しています。
ところで一般的に著作権のあるもの著作権のないものという言い方をしますが、著作権は作家の死後何年後まで残るものなのでしょう?実は日本と欧米では違います。日本は作家の死後50年とされていますが、アメリカや欧州では70年です。もともとアメリカも日本同様50年でしたが1998年に延長され今は70年とする国が多くなっています。この著作権保護期間については現在交渉が始まっているTPPでも議題となることは必至です。
では70年と50年ではどう違うのでしょう?アメリカが世界で稼ぐ印税は年間1200億ドル(12兆円)とも言われ自動車や農産物を上回る金額です。これを50年に戻すとアメリカの国際収支は大きく下がります。ディズニーのミッキーマウスや「くまのプーさん」やハリウッド映画が世界で稼ぐ著作権料は桁外れに大きいからです。そのためアメリカは政治的判断により70年に延長しそれを守りたいのです。TPPはすべての参加国の自由化を目指していますから当然日本にも70年の保護期間を迫ってくるでしょうね。
では、日本が70年になるとどう変わってくるのでしょう?日本の著作権使用料の国際収支は年間5800億円もの赤字と言われています。日本の赤字がさらに増えます。「青空文庫」で読める書籍が増えません。吉川栄治さんの作品が読めません。50年と70年では20年も違います。その間に必要な文化の発展が阻害されてしまいます。古い作品に基づく新しい創作もできません。つまり「公益」が大きくブロックされてしまうことになるのです。「青空文庫」の富田さんの思い描いた著作権の切れた作品を広く無料で公開することにより多くの作品に触れてほしいと言う夢がしぼんでしまいます。
ボクは以前からアメリカの70年はどう考えても長い、日本の50年でも長い、もっと保護期間を短くしてより多くの人が本と接し誰もが文化を知ることができるようになればと思っていました。大正や昭和のはじめの話をされてももうみんなその頃を忘れてしまっています。でも20年や30年前のことだったら覚えていますね。伊勢神宮の遷宮も20年に一度です。それは文化の継承ができるぎりぎりの年数なのです。アメリカの裁判所が「公益」を重視するならTPPでも「公益」にかなう交渉に乗ってほしいものですね。

2013/11/21
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