![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/d2/ccd5cfe471be59097acf4c1739c840c4.jpg)
タイトルの「日本人と長頭性」についてであるが、写真は撮り立てホヤホヤ2007年生まれ3歳女児の頭蓋骨(とうがいこつ)である
一般的に女性は男性よりも頭示数が高く、即ち短頭傾向があることが知られている
短頭傾向という言葉が難しければ、寸詰まりの絶壁頭を想像して欲しいのだが、この子は頭示数72前後を示す長頭タイプの頭蓋骨の持ち主である
写真では分かりにくいかもしれないが、実物は一目で(頭が前後に長い、後ろ頭が出っ張った子だなあ)、あるいは手前味噌ながら、突出した後頭部のカーブが何とも可愛らしく(頭の形の良い子だな)との印象を与える、親バカは何卒容赦願いたい
断りなしに使ってきた頭示数だが、ここで定義を確認しておきたい 出典:科博溝口研
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/cd/b45292b8ca55d62ef5ec9c977f955955.jpg)
頭示数とは、頭蓋骨の前後長と全幅の比×100が取る数値であり、値により以下に分類される
・超長頭型 64.9≧
・過長頭型 65.0~69.9
・長頭型 70.0~74.9 ←冒頭写真の3歳女児
・中頭型 75.0~79.9 ←日本人傍流
・短頭型 80.0~84.9 ←日本人主流タイプ
・過短頭型 85.0~89.9 ←朝鮮半島人主流タイプ
・超短頭型 90.0≦ ←朝鮮半島人傍流
生体であっても測定可能なのはナチスの例で述べたが、その場合は導かれた値から概ね1.0を減じた数字を採用すべきで、これは前頭部と側頭部の筋肉・脂肪の厚みを勘案し骨測定の値に近付ける目的がある
冒頭の3歳児では、動きたがるため測定に苦労したが、実測値で73.1前後、定義に則ると恐らく72前後の頭示数になると思われ、現代日本人としては人口の10%以下を占める、珍しい頭蓋骨の持ち主という事になる
本邦日本人を見る時、電車でも街角でも良いのだが、一見すると頭の前後長が短い人が多いと感じないだろうか
総じてアジアの各人種、特に北東アジアの住人は、ヨーロッパ人に対して頭蓋骨の総幅が大きく、前後長が短い傾向がある
見た目の印象で言えば、(頭(:顔)が大きいなあ)となるし、北部中国人や朝鮮半島人では尚更その傾向が強い
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幅が大きいのに前後長が短い寸詰まりの頭形なので、頭示数では大きな数字、即ち短頭、一般的には絶壁頭と称される形状をとる場合が多い(なお本来は絶壁頭と短頭傾向には関係はなく、長頭短頭と高顔低顔も同様)
少し触れておくと、中源に住む中国人は古代から現代まで一貫して中頭タイプだという
恐らく古代中源を占めた本来の漢民族と現代のそれは何度かの人種交替を起こしているはずだが、中頭傾向は変わらないそうである
朝鮮半島人については、三国志時代から短頭だった事が知られ、現代韓国人では多数が過短頭あるいは超短頭タイプに属するそうである、言われて見れば、韓国人男性は皆な絶壁頭のイメージがある
さて、現代日本人からは到底想像できない事に、我々の祖先は長頭人種とでも呼ぶべき頭蓋骨の持ち主だったと聞けば、にわかには信じられないのではないだろうか
実は、現代日本人の中頭に近い短頭が主流派になったのは、実際ここ100年ほどの状態なのだ
現代日本人、例えばヘルメットメーカ昭栄では、頭示数80前後を想定して製品開発を行っているそうであり、これは、頭示数から言って中頭型~短頭型を想定している事になる
中頭に近い短頭タイプが多数派を占めるようになる以前の祖先は、古墳時代以降グングン長頭化が進行し、ピークを迎えた鎌倉時代人では平均値で75以下、頭示数60以下のスーパー長頭とでも呼ぶべき頭蓋も珍しくなく、世界でも有数の長頭集団であった事が分かっている
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ヨーロッパで出土するクロマニヨン人と見まごうプロポーションである、後頭部の突出はヨーロッパあるいはアフリカの人類を髣髴とさせるが、これは中世日本人には一般的な特徴であった
政宗公の頭部は、一見して分かる長頭型(頭示数74.09)、長頭の原因は後頭部の突出と狭顔であり、この特徴は鎌倉~江戸時代の日本人の多数派であった
武家の棟梁も、例外なく中世日本人の典型的頭蓋骨形状を有していた事になる
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/a5/fef9e9c6783b0a654d85b7b8a9b54cf5.jpg)
鎌倉時代人では、鎌倉市の材木座海岸や極楽寺から出土した2000体を超える人骨が有名であり、標本数として統計上も充分に信頼が置ける誠に貴重な調査結果がある
江戸時代頃までは横幅が狭く前後が異様に長いタイプの頭形を「才槌(さいつち)頭」などと呼んで揶揄していたが、明治以降、長頭人口の激減と共にこの言葉も絶滅してしまったようである(代わりに発生したのが絶壁頭の呼び方なのだろうか)
鎌倉時代以降、700年に渡り継続して短頭化が進行し続けた結果、男性で頭示数80以上の短頭が現れるようになったのは、20世紀に入ってからの事だという
この辺りは鈴木尚氏の秀作「日本人の骨」に詳細な研究結果が記されており、父の愛読書であったこの本を、私は衝撃を以って読んだのを思い出す、興味ある方は一読を勧める
因みに最近2002年頃から、日本人の短頭化進行が止まったのではないかと言われるようになり始めており、当時の各新聞紙面を飾ったのをご存知だろうか
進行が止まったが現在の短頭状態を保持するのか、先祖帰りで再度、ヨーロッパ北方人種のような長頭を目指すのか、それは誰にも分からない、そもそもなぜ短頭化が進行し、なぜ止まったかを誰も正確には説明できていない
長頭あるいは短頭であっても、人間の価値に差異はない訳で、そんな事は言うまでもないのだが、現実としては、長頭タイプの頭蓋骨に価値観を見出す人口が一定数あり、ヨーロッパやアメリカのうち国民に北方人種を含む国家では顕著である
前エントリではそれを「ナチスの残滓」と決め付けたが、では本当にそれは遺伝的要因だけで決定されるのだろうか
頭蓋骨の固定されていない幼児期には、古くから頭形矯正の文化が存在する事も知られている
冒頭の3歳女児については、出生直後からの写真が残っており、彼女の長頭性が後天的に獲得された形質であるかどうかをそこから確認してみたい
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まだ湯気が出ている状態だが、恐らくこのとき頭示数を計測していれば、超長頭に分類されたであろう
後頭部の突出具合は一見してニグロあるいは北欧の子供のようであるが、彼女は日本人である
これは憶測だが、出生時の頭部前後長は、その後3年間で余り変化がないのではないだろうか
一方、頭幅はより拡大し、3歳現在では長頭に落ち着いたように思える
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彼女の頭幅と頭長の割合が大変よく分かるアングルである、いわゆる「ツムジ」が後頭部の突出部分に存在するが、長頭タイプの頭蓋骨を持つ人に良く現れるようである
この突出した後頭部上のツムジは、3歳になった現在の冒頭写真でも確認でき、実物では、「え、こんな後ろにツムジがあるの?」と言うほど後退した場所にある
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狭い額部が直立したまま前方に突出し、同じく後頭部が後方に突出しているのが分かる、後頭部の突出により、後ろ頭を手のひらで支える、と言うよりは、「つまむ」というイメージである
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頭幅と頭長の比がよく分かるアングルである、額は狭く、狭い額の幅のまま後頭部が突出しているので、まるでラグビーボールのような形状である
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後頭部の突出形状が確認できる、首の付け根と後ろ頭が大きな角度を成しているのが分かる
額が前方に突出しているのも確認できる
写真で確認する限り、出産直後から頭幅に対し頭長が一貫して長く、やはり彼女の長頭性は遺伝で獲得したものだと考えられる
同じく遺伝で獲得する瞼の形状についても確認してみる
日本人の場合、先天的な二重瞼獲得個体の割合は概ね75%前後、これが朝鮮半島人では30%前後まで下がる、ただし日本人の場合では、二重瞼は48歳頃までに出現し以降はなくなる、とされているそうなので、貴方がもし48歳未満の一重瞼あれば、希望が残っている事になる
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瞼には既にクッキリとした二重瞼のシワが刻まれており、蒙古ヒダの存在によりそれは目頭から伸びているのが確認でき、彼女がアジア系の血筋である事が出生時から判明している
また出産直後には、眉毛やまつ毛がほとんど見当たらず、額には産毛が渦巻いていたものの、成長とともに消滅したようである
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いわゆる「ドングリまなこ」の持ち主であり、顔面に占める面積の大きなパッチリした目でまつ毛がとても長い、漫画のキャラクタのような印象を受ける
このような特徴からは、彼女の祖先が南方由来の遺伝子を持っていた事を想像させる
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蒙古ヒダが強く、よって寄り目を発生させている、また二重瞼の発生地点が目頭に誘導される点においてアジア人種、特に日本人の典型である
蒙古ヒダそのものは寒冷適応の結果、即ち北方由来の特徴であるとされている
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額部と後頭部が突出している一方で鼻根部の隆起は甚だ弱く、全体にノッペリした印象を受ける
いわゆる幼児らしい顔つきなのだが、これはこの時期だけの特徴なのか、あるいはこの形状を保持したまま成体になるのかは現時点では不明である
クッキリとした二重瞼は南方由来の特徴であるのに対し、鼻根部隆起のない凹凸の乏しさは北方由来である
さて
最後に確認しておきたいのだが、前回のエントリで書いた「人種」という概念そのものが現在は揺らいできている事実がある
主に骨格の形質と皮膚色により選別される「人種」分類は、専門家の間ではほぼ絶滅したと言って良い
私自身、かつて貪るように読んだ「不平等論」のゴビノー伯爵も、チェンバレン卿も、ワグナーも死んだ、という事なのだろう
追>
この記事で採り上げた3歳女児の8ヵ月後の姿を、「日本人における長頭性(その3)」でフォローアップしました
(2011-09-03)
歩き方がほれぼれするほどいいです。O脚にならないためでしょうね。長々と失礼しました。参考まで
ある集団の頭蓋骨の数値を測定して、統計的な平均値を求めると、朝鮮半島の集団と、アフリカ大陸サハラ以南の集団とでは、明らかに違いが認められます
これらは、朝鮮半島住人の見た目と、南部アフリカ人の見た目に明らかに差異があるのと同じように、代表的な各数値も違っています
南部アフリカ黒人の頭蓋骨は、実は前後長がそんなに長くないのですが、横幅がそれ以上に短いため、長頭に分類されます
見た目も、明らかに朝鮮半島人に対して顔(頭)が小さいイメージですが、数値からもそれがハッキリ読み取れます
一方、人類には古くから頭形矯正の文化も存在する、と私は書いています
おっしゃるように、幼児の寝かせ方によって頭形が変化する事例も承知しています
日本本土人よりも、北米の日系人の方が長頭度が高い、という報告例もあり、これは文化の影響なのか、食べ物の影響なのか、興味深いところです
ちなみに私はなんですが、仰向けに寝ることができないのです。
後頭部が尖っているので(シニョンというそうです)ぐらぐらしてしまうのです。
そのためか赤ん坊の時から顔だけ横に向けてねていたそうです。(そのためか側頭部はぺったんこで板みたいす)。
もしかしたお嬢さんも同じじゃないでしょうか?
ちなみに両親は北海道と四国出身の日本人です。しかも絶壁頭。
弟と妹がおりますが、いづれも絶壁です。
どこから受け継いだんでしょう?
ちなみに、私、頭の幅はせまいけど顔はでかいですよ。
丈が長いみたいです T_T
新生児は成人と比較すると皆超長頭だよ
幼少期の頭の形は寝癖に影響されるから成人になってからの形とはあまり関連性がないよ
あと白人は近代化するにつれて短頭化現象が続いているよ
一方、頭の幅は東アジア人のほうが7~8%広く、白人と東アジア人における短頭出現率の違いは、ほとんど頭幅の違いに起因するものであり、頭の前後径は誤差程度でしかない。
白人もここ数十年で徐々に頭幅が拡大し、脳容積が拡大してきており、そういう意味では東アジア人の後追いをしていることになる。
また、乳幼児期の骨の完成していない時期では、長頭かどうかは、まったくわからない。頭幅の成長は成人移行もしばらく継続するため、最終的には短頭に落ち着く可能性が高い。
しかも、出産時間や膣に頭がどれくらい止まったかでも違うし、
異民族が日本に侵入し続けていったのだと思います。特に20世紀に入ってから顕著というのは朝鮮人が大量に入国してきた時期と合致します。