特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

ウォンデゥ・コーヒー

2005-04-14 09:37:46 | Bravo!韓国語
 お待たせしました!
 Bravo!韓国語『ブラかん』の七回目でございます。

 私はもともとコーヒーよりも紅茶党でして、日本にいる時はこのお店で色々な茶葉を買ってきては、紅茶を淹れておりました。韓国に来てからというもの、紅茶専門店や高級ホテルのカフェテリアなんかに足を運ばない限り、リプトン(注意:音が出ます♪)のティーバッグぐらいしか手に入らない(しかも何故か100バッグ入り)ので、紅茶の代わりに涙を呑んで、廉価なインスタントコーヒーを飲むようになってしまいました

 スターバックス(韓国式発音はスタボクス)などのコーヒー専門店のメニューにはありませんが、韓国のコーヒーショップには日本に無いコーヒーがあるのです。
 それがまさしく、本日の『ブラかん』のタイトルともなっている「ウォンデゥ・コーヒー」でございます。韓国語でコーヒーは「コピ」と発音しますので、正しくは「ウォンデゥ・コピ」となります。
 カタカナでは区別して書くことが出来無いのですが、「コピ」には「鼻血」という単語の発音と非常に良く似ており、コーヒーショップに行って「コピ!コピ!」などと叫んだ日には、お店の人がボックスティッシュを抱えてテーブルに飛んで来ますので、くれぐれもご注意を!
 因みに「複写」の「コピー」は「カピ」と言います。

 実は韓国で一番多く飲まれているコーヒーは写真にあるような、スティックタイプのインスタントコーヒーです。一般に「コーヒーミックス」と呼ばれています。その名の通り、スティックの中にコーヒーとミルクと砂糖が入っていて、熱~いお湯を入れればあっという間にコーヒーが出来上がりです。しかし、この「コーヒーミックス」思いっきり甘いんです。砂糖が「これでもかあーっ!」っていうぐらい沢山入っているんです。
 では、何故極端に甘いのか?答えは簡単です。極端に辛い韓国料理を食べた直後に飲むことが多いからなんです。街中や地下鉄の駅にある紙コップに入った自販機のコーヒーがまさしく「コーヒーミックス」です。私も生まれて初めて飲んだ時は歯が全部溶けてしまいそうなくらい甘く感じました

 しかし、慣れとは実に恐ろしいもので今では私も何の抵抗も無く飲んでしまいます。私が大学生の頃(1987~90年)までは一般のコーヒーショップでもコーヒーと言えば「コーヒーミックス」のことでした。つまりお店でも堂々とインスタントコーヒーをお客さんにだしていた訳です。

 この「コーヒーミックス」に対して「ウォンデゥ・コーヒー」はきちんとコーヒー豆を挽いて淹れたコーヒーのことです。「ウォンデゥ」とは「原豆」の韓国語読みだそうです。

 なんて、偉そうなことを言っている私ですが・・・恥ずかしながら十八年も韓国語に携わり、ソウルに来てから三年以上経つのに、「ウォンデゥ・コーヒー」が豆を挽いて淹れたコーヒーのことだという事実をつい最近まで知りませんでした。
 私はてっきり「ブルーマウンテン」とか「モカ」なんていうコーヒーの種類だと思い込んでいたのです。思い込みは恐ろしいですね。本当に。つくづく反省しました。

 ですから、全てが「ウォンデゥ(原豆)・コーヒー」であるスターバックスなどのコーヒー専門店のメニューには絶対にないわけです。

 十五~二十年ぐらい前までは、ソウルの街のいたるところにあった「タバン(茶房=韓国語で喫茶店の意味)」が「コーヒーミックス」を大き目の水筒に詰めて“出前”してくれてました。“出前”を届けにに来た「お姉さま(時にはオバサマ)方」はコーヒーを置いても店に戻るわけでもなく、水筒の中のコーヒーが無くなるまで、出前先のお客さんの話し相手をつとめてくれていました。何とものどかな良い時代でした。

 【豆知識】紙コップのコーヒー自販機のことを俗に「ピョクタバン」といいます。「壁茶房」の韓国語読みです。壁にあるコーヒーショップ(茶房)という意味。友達同士で、「コーヒーおごるよ、ピョクタバンだけどさ・・・」などと使います。つい最近のことですが、韓国にも豆を挽いてから淹れる「ピョクタバン」が登場しました。もちろん値段は普通の「ピョクタバン」よりかなり高めの設定となっております。味は・・・あんまり変わらないような・・・気がします(自己満足の問題でしょう)

 写真は韓国で一般的に愛飲されている「コーヒーミックス(インスタントコーヒー)」。写真の商品は「マキシムのモカゴールド(マイルド)」。

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