しばらく間が空きましたが、中国古村落保護及発展専業委員会が選出した
「15の中国景観村落」の9つ目は、貴州省黔東南苗族侗族自治州雷山県の
モン族(ミャオ族・苗族)の村、「郎徳上寨」です。
郎徳上寨は、観光地として凱里周辺だけではなく、
貴州省でも一番有名な村と言ってもいいでしょう。
凱里から40km、標高670mの望豊河沿いに位置しています。
水牛の角の形をした立派な銀の飾りが特徴的なモン族の村です。
村の麓に着いても、階段を登って入り口までたどり着くのはそう簡単ではありません。
途中に12ヶ所もテーブルが置かれ、歓迎の強いお酒・牛角酒が用意されているのです。
すべてのお酒を飲み干して、ようやく入り口に到着すると、
脇には芦笙を持った男性がずらっと並び、歓迎式に音楽の演出を添えてくれます。
村の広場にたどり着くと、女性達が歌と踊りを披露してくれます。
郎徳上寨(郎徳苗寨)は山紫水明の地で、どの建築物を見ても古風で質朴です。
意匠を凝らして建てられたモン族の民居に入って、
有名な彼らの刺繍や銀飾りを見せてもらうのもいいでしょう。
村の小径には、玉石や青石が敷かれています。
素朴な石畳を踏みしめながら、村をぶらぶらするのも楽しいです。
中国風に言えば、ここのモン族は「民情濃厚」。
長い歳月を潜り抜けても変わらない彼らの歌や踊りだけでなく、
民族衣装にも奥深い想いがこめられているそうです。
国の重要文化財保護指定を受け、中国文化部によって「中国民間芸術の里」と
名付けられています。
(佐々木 優嘉)