道はいらねぇ KTM 1190 ADVENTURE R

Want a road? Say no! てな事言うてますけど、道は必須です。

フロントフォークOH 2

2017年04月27日 20時06分34秒 | 10級メカニック

作業日 2017-04-27 一年にめったとないツーリング日和

”虎”に行こうと言う駒ちゃんを強引に基地に誘い二人で作業する。

 

作業中、床に段ボール、木材、ウエスを敷いて直接フォークが地面に当たらないようにした。

すまぬ。むっちゃ長いレポになります。

 

1、プリロードアジャスターを緩め、フォークオイルを捨てる。 すまん、いきなり写真無し。

21000km走行しているが、オイルは無色透明だった。

フォークを車体から外してから緩めたが、簡単に緩みました。でも、次からは先に緩めておくのがいいだろう。

 

2、フォークを直立させ、スプリングをグイッと下に下げ、スパナを六角部に突き刺す。この時、スパナの上にプリロードスペーサー(乳白色のプラパーツ)があるようにする。

このすき間から狙うと入れやすい。

ちょっと力が必要ですが簡単です。

なぜ、スパナが固定されるのか不思議だったが、六角部の上部に”つば”があり、そこがストッパーの役目をしていた。

 

3 、ぶっ刺したスパナと24ミリ?のソケットを使い、プリロードアジャスターを外し、アジャストチューブを抜く。

 

4、フォークをテーブルの上に寝かし、下部のボルトを抜く。

この時、7ミリのロングソケットが必要!!! 
ボルトとフォーク下端まで約50ミリあるのでそれ以上のものが必要。 コレ結構、特殊工具やわ。

この時、ボルトの”空転”を心配したが終始しっかりと力をかけることができ、安心して作業ができた。

 

5、4でフリーとなったカートリッジを抜き、ダストブーツを下に下げる。

マイナスドライバーでこじりながら少しすき間を作り、指の爪を使ってずり下げる。
ちょっと硬かったな。 スプリングはつけたままでも写真のように外しておいてもお好みかな?

 

6、ロックリングも同様に。

矢印部の切り欠きにマイナスドライバーを差し、押し下げるように優しくこじると簡単に外れました。

 

7、さぁ、パンパン!するよー!

思い切って、二三度勢いをつけて引き抜きます。 おっ、そのトレーナーKTM!

ポロん。

簡単に外れてくれました。

 

8、アッパースライドブッシュのすき間に爪を割り込ませ外します。 爪は残しとくほうがええな。

 

9、残りのパーツも外し、

並べてみます。 こうしておけば組み立ての際、順番を間違うことはないだろう。 駒ちゃん、並べ替えたらあか~ん!

 左から、
プリロードアジャスター
プリロードスペーサー
アッパースライドブッシュ
ロアースライドブッシュ
サポートリング
オイルシール
ロックリング
ダストブーツ

表裏の違いはダストシールとオイルシールが締め付けの細いスプリングがあるほうが下側に来る。
まぁ、しいて言えばプリロードスペーサーに刻印みたいなのが有るのと、サポートリングにつやの有無の違いがあったが気にせんでもええと思う。
残りは同じ。

 

10、ふぃ~~~!

ちょっと休憩。 濃くてうまいっ!

 

11、ここで、各部のサイズを計測する。


オーケー! 許容範囲内。

 



465+9.7ミリで許容範囲内!

 

12、各パーツをインナーチューブに入れます。

インナーチューブの上端には透明の普通のビニール袋を15cm角位に切ったものを被せ、全体にシリコンスプレーをかける。
さらに、オイルシールとダストブーツの内側にシリコングリスを塗布する。

 オイルシール、ダストブーツ挿入の際、少し硬さを感じましたが、問題なし。細いスプリングは付けたままでもはずしておいてもどちらでもええかな。

 

13、アウターチューブに各パーツを仕込む。

ん~~ん、これはどれとどれの組み合わせで打ち込むかちょっと考えました。

私が使うシールドライバーはモーションプロのなので、ほかのドライバーがどんな構造になってるのか分からへんし、

結果、

ロアースライドブッシュと矢印のサポートリングを同時に打ち込むことにしました。
写真では、ロアースライドブッシュはアウターチューブ内にあります。

 

ロアースライドブッシュのみを入れようとすると、

矢印部がそれですが、ドライバー内に収まってしまい、ほとんど姿を見せません。
これでは、アウターチューブチューブに傷をつけるのでは、と考えました。

 

カンカンと打ち込むと、”あっ、もう入ったな”というのが感触で分かります。三回ほどたたいただけです。

スライドブッシュが”入るべし所”まで入っているのが目視できます。

アウターチューブ内の”段”のところで面一になってます。

 

オイルシールはそれ単体で。

と言うか、サポートリングと同時になってしまいます。
シールドライバーがきっちりと矢印部のオイルシールを抑えてくれています。
これも数度たたけば、入ったな!というのが分かります。 念のため、さらに叩きましたが。

簡単です。

 

ダストブーツはフォークを立てて、指でグイグイ押し込みました。

問題なし。

 

13、下部のボルトを20キロで締め、カートリッジを固定する。

これも空転を心配しましたが、キッチリと規定のトルクで締めることができました。

 

カートリッジの下部はこんなになってました。


丸印でメス部が可動する。ストッパーとなるリングも見えます。

一方、アウターチューブの嵌め合い部は


矢印部を外周とする円柱状のへこみがあります。 下の矢印の黒い部分はオイルの残りです。
カートリッジの内にあるメス部がテーパー状になっていて、ちょうど”ハンドルバーエンド”の取り付けのように締め付けるほどに固定されるようになっているのかな。想像です。

 

14、オイルをぶっ込む。

今回は、規定の720mlを入れる方法をとりました。

なので、

これは使いませんでした。

 

メスシリンダーに小分けする。

 

そろーとっアウターチューブ上端から5㎝くらいのところまでいったん注入し、


カートリッジを上下させ、なじませる。

また、

下端を持ってもらい、アウターチューチューブを

上下させる。

 

下げたときに掌を放し、

”シュッパ”っといわす。  ええのかどうかわからんけど、youtubeでやってたので。

残りのオイルを入れます。 メスシリンダー内にはほとんど残りませんでした。

 

そうして落ち着いたところで、液面高を測ると、

91ミリでした。 規定の範囲内に収まっているのでこれで良しとした。

因みに、アジャストチューブを挿入して測ってみたが、同じく91ミリであった。
そんなに影響を及ぼさないようだ。  

 

15、カートリッジにプリロードアジャスターを取り付ける。

 

さぁ!!!  ここが一番の山場です。!!!

ここがクリアできれば前後の作業は、”簡単です” 

どーしようか、駒ちゃんとむちゃ考えました。

駒ちゃんがええ方法を編み出してくれました。

いや、ほんま。 これええ方法やわ!

 

要は、外した時のようにスパナを差し込みたいのですが、
今度は、スプリングが20センチ近く”カートリッジの”先端部から出たままの状態になっているので
スプリングをそれだけ縮める必要があります。

しかし、5ミリ程度なら片手でスプリングを握り、道具を使わずに縮めることが可能ですが、20センチもとても無理です。

もちろん、こんな

スペシャルツールも持ってないし。 結構、いいお値段したんよー。

 

で、”ピックアップツール”の登場!!!!!

これ、アストロプロダクツで980円。 

 

このピックアップツールでカートリッジの上端のネジ部を掴み、コツンと引き上げられるとことまで引き上げます。これに力はいりません。
こうすることにより、スプリングとカートリッジの各上端部の差が一気に少なくなります。 すまんその差が何センチか忘れました。

ほんで、

二人でスプリングを縮めます。

すると、丁度スパナをぶっ刺せるすき間を作ることができます。

間髪入れずにスパナを入れます。

駒ちゃんの表情は、スプリングを押し下げる時の力の証です。
決して、ピックアップツールを引っ張てる力の証ではありません。

 

できました!!!!

この状態に持ち込めれば、もうできたも同然です。

 

 もうちょいで完成です。 先が見えてきました。

 

16、カートリッジの先端部にシリコングリスを塗布します。

 

これと接触するであろうプリロードアジャスターの矢印部には

Oリング状のゴムパーツが見えます。 このためのグリス塗布だと思います。

 

17、アジャストチューブをカートリッジに差し込みます。スコンと落とし入れるだけです。

スペーサーを乗っけてプリロードアジャスターを規定トルク・25kgでねじ込みます。

 

18、プリロードアジャスターを仮止めします。

手でアウターチューブを持つだけではとても規定の40kgで締め付けることは出来ません。

車両に取り付けてから締めなおします。

 

完成!


今回の作業は右側の一本だけです。

 

ひゃぁぁぁぁあああああああああああ、

できたよー!!!!!

 

 

 

どちらさまでも、何番の工程はこうやったらええでぇ! とか ここ間違ってるでぇ! とかございましたらコメいれてくださいませっ!

よろしくおねがいいたしますっ。 何ちゅーても10級メカニックなんで。

 

感想

・15以外の工程はむちゃ簡単です。 ここの方法をもうちょい改良すればさらにスムーズに作業できます。

・駒ちゃん、おおきにやでぇ! 知恵出し合えばできるねぇ。

・10時にスタートして4時に作業終了。 6時間かかりました。 
実作業1時間。考える時間 1時間。 残り四時間雑談。

・です。ます。入り混じった文章でごめん。

・もう、できるわ。

・メンテは和歌山基地へどぞっ! オイルと交換パーツのみ持参で。工具類はございます。

・フォークのみのご持参も可。

・ぜひ自分でやってみたいメンテだったが、やればできるもんです。10級メカで十分です。

・各組み立て前には、各部清掃やってます。パーツクリーナーとかで。

・これから”KTM和歌山”と呼んでちょ。 調子乗りすぎ。

・アストロでオートバイ用スプリングコンプレッサーを購入しましたが、使いこなせなかったのは内緒。

・よう考えたら、反対側まだ残ってるわ。

・メンテ大好き! 

 

 「フロントフォークOH 3」 は、車両取り付け編です。 予定

 ながらくお読みくださりありがとうございました。

ではっ。