バスde温泉

バスで行く温泉旅日記

船でも行ける別府・湯布院の旅(1)

2013-11-25 16:36:41 | ☆バスde温泉(九州)

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この旅の最初の障害は定時退社ができるかどうか。なんとか無事に仕事を終えることができ、荷物を持って地下鉄に乗って、ニュートラム線のトレードセンター前駅へ向かいます。行先はまたまた九州。温泉の宝庫やし、バス路線も多彩やからね。今回、九州へ行く手段は憧れの別府航路です。大阪と別府を結んでいるフェリーは最近になって、ATC(アジア太平洋トレードセンター)が乗り場に変わっているんですね。ウォーターフロントの商業施設から乗船できるのは便利だし、何よりも出港時のどことなく寂しげな感じがなくていいですね。

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ATCから長いボーディングブリッジを通って船に乗り込みます。船は「さんふらわあ・こばると」、総トン数9,300トン、航海速力22.4ノット、旅客定員710名の巨船、旧関西汽船のフラッグシップ。

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船内のレセプションホールでは、ジャズのバンドが生演奏をしている…華やかな旅のスタートです。

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搭乗クラスは4人個室仕様の「ファースト」。相方と2名で貸し切りです。この航路が開設されたのは明治45年。日露戦争の終結から7年の時が経過して、観光ブームの萌芽を敏感に感じ取った大阪商船が、阪神地区の観光・湯治客を汽船で運ぼうと、古くから名を馳せてた名湯へ直行する航路を開設し、当時の花形船舶を投入したのが始まりです。それ以後、昭和に入って和辻春樹博士の設計による二代目の「紅丸」、「緑丸」、「茜丸」「こがね丸」、「にしき丸」といった、時代の最新鋭を誇る船が投入。その後、内海航路専業の関西汽船に引き継がれ、最盛期の1970年には年間232万人を運んだとのこと。

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客船から大型フェリーに替わった現在では、大阪商船の後身である商船三井が子会社の「株式会社フェリーさんふらわあ」を起こして、この航路を引き継いでいます。

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船旅の楽しみのひとつが食事。この大阪/別府ルートのレストランはカフェテリア方式になっています。

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食事の後はデッキに出て夜景を楽しむことができます。ちょうど明石沖。明石海峡大橋の下を通り抜けます。フェリーのデッキは風が強く、残暑の時期とはいえ肌寒い。速度が22ノットなら時速にして約40㎞、風速10mの風が吹いている計算になります。

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お風呂もゆったり。波の静かな瀬戸内海では、普段は揺れはほとんど気にならないが、お風呂の中では船の中であることを実感します。湯船のお湯が八分目しか張られていないからですね。お湯につかるとタップンタップンと揺れて不思議な感覚。なお、この写真は以前「さんふらわあ にしき」に乗船したときに撮ったもの。

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ベッドでぐっすり休んで、気が付けばもう周防灘。遠くに九州の山並みが見えます。大阪から別府へ逃れていった、「夫婦善哉」の隆吉・蝶子も同じ景色を眺めたんでしょうね。

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別府港に接岸。下船してここから大分交通の路線バスで別府の中心街に向かいます。別府タワーが見えてきたら、そこは湯の街の賑わいがありますね。この別府温泉で一泊します

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宿泊した安宿の近く、昔ながらの繁華街の流川から、亀の井バスの路線バスで由布院を目指します。

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別府・由布院間の移動は、大分を経由するJRより普通の路線バスのほうが早くて安い。しかも、車窓も楽しいですね。

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由布院には宿泊せず、ここから久大本線で天ケ瀬温泉へ。由布院駅からJR九州の特急「ゆふ」に乗って天ヶ瀬駅まで、短時間の乗車です。車両は185系気動車。この車両、もともとはJR四国の所有で四国各線を走っていたのが、JR九州に移籍してきたんですね。その移籍とともに、車両カラーが緑から赤に変わっています。

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途中、豊後森駅手前で、有名な扇形機関庫が姿を現しました。

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天ヶ瀬駅には宿のお迎えの車が待っていてくれてました。ここのお宿で二泊させてもらいます。

つづく…