福山駅の北口より、福山城の横を通り抜けて北へ15分ほど歩いたところ。閑静な住宅街の中に突如、南極観測隊の雪上車が出現したのですぐ分かりました。
玄関ではオバマ大統領の蝋人形がお出迎えしているのでまたまたド肝抜かれます。ちょっと「パラダイス」的な感じもしますが…ここは地元の自動車愛好家の企業人が開設した私設の博物館なんですね。その名のとおり、クラシックな自動車と時計をメインに据えて展示しています。
ここのキャッチフレーズは「のれ!みれ!さわれ!写真撮れ!」。日本の博物館としては珍しく、展示物の撮影や、多くの展示車両はドアを開けて乗り込むことができる。これら、その独特な運営方針によって一部愛好家にはかなり知られた博物館です。
玄関あたりには膨大な量の時計が並んでいます。置時計や壁掛け時計、懐中時計…さらに時計台の大きな時計まで展示してあります。これら昔の時計は内部が見えるので、振り子や錘など、電気以前の時計の原理がよく判ります。
博物館はこのくらいにして外に出ましょう。道を隔てた筋向いの駐車場、ここに本日の大目的があるんですね。完全にレストアされたボンネットバスと、レストア待ちの車が無造作に置かれています。写真の2台は日野のBHですね。
BHの隣に居るのは日産のU690です。ええ、日産自動車です。日産ディーゼル(現UD)ではなく日産。昔は大型バスも作っていたんですね。
日産車の奥に居るのはトヨタのDB100です。これも意外でしょ!トヨタも大型バスを作っていたんです。
駐車場の奥のほうにはレストア待ちのバスが…ウワァ!!!日野のブルーリボンやぁ!これ、非常に珍しいセンターアンダーエンジンバスですよ。横腹に「MEIKO BUS」と書いてある。和歌山・白浜の明光バスでしょうか。早くレストアして欲しいなぁ…
別の駐車場にはかなり酷い状態のバスが野ざらしになってます。手前は恐らく日産のU590、奥はトヨタのFB80ですね。
日産車の中を覗いてみたら銘板が残っている。ボディ製造は新潟の北村製作所なんですね。
この博物館スタッフは自動車整備にかなりの技術を持っていて、捨て置かれて朽ち果てた古いバスを多数取得し、普通に動いてナンバープレートが得られるまでの状態に復帰させています。展示品自体の貴重さもさることながら、自走可能なコンディションを再生させる技術力から、これら展示品は映画撮影やイベントなどの貸し出しに、引く手あまたのようです。この博物館、バスマニアにとっては正真正銘の「パラダイス」ですね。
- 入場料:大人900円、中高生600円、小人300円
- 開館時間:9:00~18:00
- 休館日:年中無休