小児科の窓口の前に長いすがずらりと並んでいる。一直線に。そこにお母さんと子どもという組み合わせで席がうまっている。年末の診察は本日の午前中までだという。わが家の子どもも発熱がおさまらず「かけこみ」で受診してもらいに来た。帰国後はじめての病気、そして病院だ。
完全予約制のアメリカと違って、名前を呼ばれるまで気長に待たねばならない。1時間ほど経っただろうか。
……名前が呼ばれた。
医師がすわっている部屋に入るなり、「どっちの子?」と尋ねられた。
いっしゅん何を聞かれているかわからない自分。。。
さらに、たたみかけるように矢継ぎ早に質問される。服用した薬、症状、経過。。。
のど、目、心臓などを手際よくチェックする医師。さらにのどの検査をするため綿棒をのどにぐいっとつっこむ。
「この子の場合……」
「ちょっとおかあさん、頭押さえてて!」
「はい、力を抜いて!あーんてするのよ!舌に力を入れないで!」
……これらの医師のものいいになんとなく違和感をいだいてしまった。。。
なぜ、子どもの名前を呼ばないのだろう?
……もしかして、これはプライバシー保護のためなのか?
どうも隣の部屋に人影がいたようだし。。。
なぜ、看護婦さんがあらかじめ問診をしたり、頭を押さえたりという仕事をしないのだろう?
……人手不足なのか?
なぜ、命令口調なのだろう?
……いそがしくて、気がたっているのだろうか?小児科の医師不足、過酷な労働というニュースも聞くし。。。
そんなことを思いながら、違和感をもった理由に思いをはせた。
……完全に個室でそこに先生がにこやかに入室し、子どもに話しかける雰囲気。
上半身はだかになり、その上にスモックのようなものを着て医師が来るのを待つ。
問診や体温測定は、あらかじめ看護婦さんによって尋ねられカルテに記入されている。
受診後(注射後)、子どもに「がんばったね」というねぎらいとともにシールをくれる。
……こんな経験を6年間ほどしたからだろうか?
そもそも、アメリカはこんなに受診する子どもを見たことがなかったかもしれない。。。
「発熱」くらいだと、市販されている「解熱剤」をまず家庭で投与する。それでまず様子をみる。それから病院へと足を運ぶ。「発熱」だけで行っても薬も注射もせずに帰ることがしばしばあるのだ。(他の症状があれば別だが)。
もしくは、電話で受診の予約をする際に、子どもの症状を伝えておおよその対処法を教えてもらう。それでも手に負えないようなら病院へと足を運ぶ。
段階を踏んでから病院へと行く。
……そんなふうだったから、今回の場合も2日ほど様子をみていたのだが、3日目の今日になっても熱が下がる様子がないため受診した。
20分ほど待ち、のどの検査の結果が出た……。
先ほどの医師は、かなり専門的な知識をおりこみながら説明してくれた(かなり早口だったが)。
……ヨーレンキンVSフロモックス(抗生物質)
とあいなってしまった(汗)。
……はたして、もうすこし早く病院へ行っていた方がよかったのか?それとも様子をみていてよかったのか?
普段あまり発熱しない子だったので、もう少し早く行くべきだったのかもしれない。。。と思いつつ、今後病院ともうまくつきあっていかないといけないなあと思った(汗)。