停年後の生活を楽しみましょう。

常識を脱して、新しい目で停年後の生活を考えましょう。定年後は自分のために楽しむ時間です。

日本人の心の原点「お茶」№18 お茶は美味しく頂く事が礼儀

2017年04月11日 | 旅行・ダイビング・趣味
 お茶に馴染みの無い人やお茶を始めたばかりの人が1番気を使うのが、お茶を頂く時だと思います。少しお茶に馴染んだ人なら判るのですが、お茶を点て頂き自分の前にお茶碗が来た時、先ずする事は上客や次客に挨拶することですが、お茶を頂くのは右手でお茶碗を持ち、左手の上に乗せます。そして右手でお茶碗を横から支え、お茶碗を少し高く上げて亭主に感謝の意を表します。
 その後も馴染みの無い人にとっては大変です。右手で時計回りに2回廻してから、お茶を頂き、飲み終わったら、飲み口を手で拭いて手を懐紙で拭き、今度は左回りに2回廻して畳の上に置きます。その他にも細かい作法がありますが、ここではお茶の作法の手ほどきでは無いので、省略したところも有ります。
 右に回したり、左に回したり、茶碗を拭いたり、その他には3回で飲んだり、飲み干した時に少し音を立てるや、お茶碗を持つ時にも持つ位置が決まっています。持つ時には親指が茶碗の中に入らないようにとか、細かい事が沢山有ります。むしろお茶の作法を知らない方が気楽にお茶を頂けそうです。
 このような作法決まりを丸暗記するのは大変です。それに他の事でもそうですが、丸暗記したら間違いも起こし易くなります。それに間違えていないか何時も気になってお茶の味など分からなくなってしまいます。それでは亭主が心を込めて点てて頂いたのに失礼に当たります。作法の塊のようなお茶を頂く時、色々と覚える必要は全くありません。たった1つの事だけを頭に置いておけば良いのです。それは「思いやり」です。
 亭主に対する感謝の思いやり、道具に対する思いやり、周りの人に対する思いやり。この事だけを頭の中に入れておけば全く問題はありません。
 お茶を頂く前に軽く茶碗を上げて感謝するのは亭主に対する思いやり(感謝)。茶碗を2回時計廻しに廻してからお茶を頂くのは、茶碗の表(前)を汚さないための、茶碗に対する思いやり、右手で時計廻しに廻すのは1番合理的な方法で表を手前から外すだけ。この時茶碗を反対向きまで(180度)廻す必要はありません。表が飲む時に汚れない位置まで廻せば良いのです。廻す動作を2回するのは、間違いなく表を汚さない位置まで廻しましたよ。と言う亭主とお茶碗に対する思いやり、飲み終わって最後に少し音を立てて飲み干すのは、美味しく全部飲ませて頂きました。と亭主に対する思いやりの挨拶。飲んだ後は手で飲み口を軽く拭き懐紙で手を拭くのは、お茶碗についたお茶を拭き取っておくため。これも茶碗と亭主に対する感謝と思いやり。茶碗を拭いてから左周り(飲む前と反対方向)に2回廻して表を手前にするのは、反対回しの方が茶碗を動かす量が少なくて済むので合理的です。それに元に戻しました。と言う挨拶でもあります。
 茶碗を持つ位置も作法に有りますが、その持つ位置は茶碗の高台などの釉薬の掛かっていないところを汚さないように、亭主と道具に対する思いやり。
 お茶を飲む時には作法など覚える必要は全くありません。「思いやり」の心さえ有れば良いのです。お茶は亭主に感謝して美味しく頂く。そして美味しかったと亭主に伝える思いやり。これだけです。