RMAAの測定項目は、以下の通りです。
1. Frequency response
2. Noise level
3. Dynamic range
4. THD(+N)
5. IMD + Noise
6. Stereo crosstalk
7. Swept IMD + Noise
これらの項目の示す意味は、名前から何となくは分かりますし、デフォルトの設定で比較すれば、サウンドカードの優劣も分かるわけですが、では具体的には何をどうやって測定しているのか、今一つ良くわかりませんでした。オーディオの世界では常識なのかも知れませんが....
私が見逃しているのかも知れませんが、RMAAのユーザガイドはあるものの、測定条件や結果の意味についてまとめて書かれたドキュメントを見つけることができませんでした。
そこで、Web上の資料とRMAAのフォーラム、News Releaseなどを見ていてわかったことをまとめておきたいと思います。それは違うよ、などの突込み大歓迎です。
1の周波数特性については、読んでその通りだと思います。測定方法も多分、帯域内をスイープさせて調べているのでしょう。
2のノイズレベルは、これもあまり問題ないと思うのですが、出力側を0にして、そのときに入力(キャプチャ)側で観測したノイズの量(電力)を測定し、フルスケールのレベルに対するdB値で表したものでしょう。ただ、その中に表示されている"Peak Level"の値は、ノイズの電圧のピークをFS(フルスケール)との比で表しているのだと思いますが、確信は持てていません。自分でプログラムを書いて測って見ればいいのでしょうけど。
3のダイナミックレンジが一番良くわからなかったのですが、フォーラムに関連した記述がありました。-60dBFSという比較的低いレベルの正弦波を入力した状態でのノイズ(THD+N相当)を測定し、それとフルスケールとの比をdBで表したもののようです。フォーラムの記述をつまみ読みしたところでは、一般的に広告等で使われるSNRという言葉が混乱を招いているので、その代わりにこういう測定基準を設けたというように書いてありました。
4のTHD(全高調波歪率)とTHD+Nはお分かりだと思います。昔からある、いわゆる歪率計で測っているのはTHD+Nの方だと思うのですが、ではTHDの方は何次の高調波成分までを取っているのかというのは分かりませんでした。
5のIMDも最初は何を測定しているのか良くわからなかったのですが、オーディオ機器の世界でのIMDの測定基準には大きく二つあるそうです。一つはSMPTEという方式、もう一つはCCIF(ITU-R)という方式です。SMPTE法では、比較的低い周波数(たとえば60Hz)の強い信号と、その1/4の強さ(-12dB)の比較的高い周波数でかつ高調波関係にない信号(たとえば7kHz)とを入力します。それにより発生するIMD(高い周波数成分の両側のサイドバンドのように現れる)のレベルを測定し、それを高い周波数の成分のレベルとの比で表したものだということです。ただし、RMAAではIMD+Nしか表示されませんから、入力した信号以外に現れるすべての歪とノイズを合わせたレベルを測定しているはずです。
もう一つのCCIF法では、1kHz離れた二つの強力な信号(たとえば13kHzと14kHz)を入力します。それにより生じるIMD(2次の1kHzを初めとする様々な成分が現れる)を測定するのですが、この場合もRMAAでは、入力信号以外のすべての成分を合わせたレベルを計算し、それと入力信号の比を表示しているものと思われます。
ちなみに、RMAAは、以前はCCIF法をデフォルトにしていましたが、現在ではSMPTE法をデフォルトにしています。どのような信号を入力するかは「Test Options」の中で設定することが出来るので、どちらの方法も選ぶことができます。先のエントリでリンクを張った例では10kHzと11kHzの-6dBFSの信号を入力してCCIF法で測定したものになっています。
6のクロストークは多分説明の必要はないでしょう。片方のチャネルに信号を入れたときにもう一方にどれだけ洩れているかを測定しているものと思われます。
7のSwept IMD+Nは、先に説明したCCIF法で、1kHz離れた二つの信号の周波数を、低域から高域までスイープして、IMD+Nの測定をしたものです。これがあるので、5のIMD+Nの測定のデフォルトがSMPTE法に変更されたのかなと推測しています。
ところで、A-Weightedという表記がありますが、これは生のデータに対して、人間の聴覚上重要だと思われる部分に重み付けするような補正をしたものです。極低域のノイズや高域の影響が減るので数値は大抵良くなるようです。
参考になったページを記しておきます。
RightMark Latest News
RMAAのフォーラムにおける議論
Audio Specifications by Rane.
概要と簡単な使い方のの説明については、Impress AV Watch「藤本健のDigital Audio Laboratory」のバックナンバーRight Mark Audio Analyzerを試してみるが参考になると思います。
1. Frequency response
2. Noise level
3. Dynamic range
4. THD(+N)
5. IMD + Noise
6. Stereo crosstalk
7. Swept IMD + Noise
これらの項目の示す意味は、名前から何となくは分かりますし、デフォルトの設定で比較すれば、サウンドカードの優劣も分かるわけですが、では具体的には何をどうやって測定しているのか、今一つ良くわかりませんでした。オーディオの世界では常識なのかも知れませんが....
私が見逃しているのかも知れませんが、RMAAのユーザガイドはあるものの、測定条件や結果の意味についてまとめて書かれたドキュメントを見つけることができませんでした。
そこで、Web上の資料とRMAAのフォーラム、News Releaseなどを見ていてわかったことをまとめておきたいと思います。それは違うよ、などの突込み大歓迎です。
1の周波数特性については、読んでその通りだと思います。測定方法も多分、帯域内をスイープさせて調べているのでしょう。
2のノイズレベルは、これもあまり問題ないと思うのですが、出力側を0にして、そのときに入力(キャプチャ)側で観測したノイズの量(電力)を測定し、フルスケールのレベルに対するdB値で表したものでしょう。ただ、その中に表示されている"Peak Level"の値は、ノイズの電圧のピークをFS(フルスケール)との比で表しているのだと思いますが、確信は持てていません。自分でプログラムを書いて測って見ればいいのでしょうけど。
3のダイナミックレンジが一番良くわからなかったのですが、フォーラムに関連した記述がありました。-60dBFSという比較的低いレベルの正弦波を入力した状態でのノイズ(THD+N相当)を測定し、それとフルスケールとの比をdBで表したもののようです。フォーラムの記述をつまみ読みしたところでは、一般的に広告等で使われるSNRという言葉が混乱を招いているので、その代わりにこういう測定基準を設けたというように書いてありました。
4のTHD(全高調波歪率)とTHD+Nはお分かりだと思います。昔からある、いわゆる歪率計で測っているのはTHD+Nの方だと思うのですが、ではTHDの方は何次の高調波成分までを取っているのかというのは分かりませんでした。
5のIMDも最初は何を測定しているのか良くわからなかったのですが、オーディオ機器の世界でのIMDの測定基準には大きく二つあるそうです。一つはSMPTEという方式、もう一つはCCIF(ITU-R)という方式です。SMPTE法では、比較的低い周波数(たとえば60Hz)の強い信号と、その1/4の強さ(-12dB)の比較的高い周波数でかつ高調波関係にない信号(たとえば7kHz)とを入力します。それにより発生するIMD(高い周波数成分の両側のサイドバンドのように現れる)のレベルを測定し、それを高い周波数の成分のレベルとの比で表したものだということです。ただし、RMAAではIMD+Nしか表示されませんから、入力した信号以外に現れるすべての歪とノイズを合わせたレベルを測定しているはずです。
もう一つのCCIF法では、1kHz離れた二つの強力な信号(たとえば13kHzと14kHz)を入力します。それにより生じるIMD(2次の1kHzを初めとする様々な成分が現れる)を測定するのですが、この場合もRMAAでは、入力信号以外のすべての成分を合わせたレベルを計算し、それと入力信号の比を表示しているものと思われます。
ちなみに、RMAAは、以前はCCIF法をデフォルトにしていましたが、現在ではSMPTE法をデフォルトにしています。どのような信号を入力するかは「Test Options」の中で設定することが出来るので、どちらの方法も選ぶことができます。先のエントリでリンクを張った例では10kHzと11kHzの-6dBFSの信号を入力してCCIF法で測定したものになっています。
6のクロストークは多分説明の必要はないでしょう。片方のチャネルに信号を入れたときにもう一方にどれだけ洩れているかを測定しているものと思われます。
7のSwept IMD+Nは、先に説明したCCIF法で、1kHz離れた二つの信号の周波数を、低域から高域までスイープして、IMD+Nの測定をしたものです。これがあるので、5のIMD+Nの測定のデフォルトがSMPTE法に変更されたのかなと推測しています。
ところで、A-Weightedという表記がありますが、これは生のデータに対して、人間の聴覚上重要だと思われる部分に重み付けするような補正をしたものです。極低域のノイズや高域の影響が減るので数値は大抵良くなるようです。
参考になったページを記しておきます。
RightMark Latest News
RMAAのフォーラムにおける議論
Audio Specifications by Rane.
概要と簡単な使い方のの説明については、Impress AV Watch「藤本健のDigital Audio Laboratory」のバックナンバーRight Mark Audio Analyzerを試してみるが参考になると思います。
良すぎる結果なので、「ほんまかいな」と、驚いております。私の、計測時の不備なのでしょうか?宜しければ、ご指示頂きたいと、思っております。
Intermodulation distortion計測時に、11,13KHz -7dBFSに替えた以外は、RMMAのdefaultで、計測しているのですが...
又、測定項目のご解説、ありがとうございました。FSの意味も知らないで、おりました。
結果を見せていただきました。うーん、確かにちょっと良すぎるかも(Hi)と思ってしまいました。
最後に「LoopBackに、LINE IN とLINE OUTを結ぶコード、プラグは不要だった」と書かれているのが気になったのですが、どういうことなんでしょうか?
ところで、DirectSoundを使ったプログラミングを一つずつご自分でされているのは素晴らしいなと思いましたが、ASIOも…などと考え始めると面倒になってきますよね。portaudioも検討されてみてください。
以前、どこかの記事で、「loopback時に、自動的に結線されるカードがある」という記述を見た事があります...それなのかも。結線しないで、結果が出るのですから、計測結果は、より、信憑性があるとは、思うのですが、結果が良すぎて、何となく不安 なのです (^_^;
はい、井上様のblogで、portaudioの存在を、教えて頂きまして、portaudioのwikiの
introducitionを、読んで見ました。C++化されたもののdocumentも、読みまして、魅力を感じております。
いつもの様に、お教えいただき、ありがとうございます。
「ところで、DirectSoundを使ったプログラミングを..」そう言って頂いて、ほんとに、嬉しいです、ありがとうございます。
DirectXによる2次元グラフィックスも、使っています。これを使うと、描画が速くて、CPUの負担も軽くなるようですので。
今のところ、公表いたしておりませんが、
DirectSoundの、32bit化したものも、ある程度動作致しておりまして、これを、もうちょっと、調べてみたいのです。複素フィルタを使ったSSBも、実験してみたいし、課題が多いので、まだまだ、楽しめますよね。ご指導の程、宜しくお願い申し上げます。