若い頃(今でも当然若いが)、バイクだけでなく熱気球にも乗っていた。
乗っていたといっても、通勤や通学に使っていたわけではない。燃費は悪いし、駐車場にはとめられないし、一人では飛べないし、どこ行くかわからないので、日常の足としてはお勧めしかねる。
冗談はさておき、学生時代に大学の「熱気球部」なるものに所属し、週末や長期休業中に飛んでいた。9.11同時多発テロのずっと前から、気球の飛行許可区域はごく一部に限定されており、よく行っていたのは渡良瀬川遊水地であった。北海道上士幌での大会もいい思い出である。
不熱心な部員だったので、在学中は1,2ヶ月に一度フライトに行く程度だった。卒業後はOBとして2年ばかり顔を出していたが、その後はまったく気球とは縁のない生活をしている。しかし同級生の中には
趣味が高じて仕事としてしまった者がおり、そういう生き方も面白いんだろうなあと少々やっかみを感じている。
のんびりした印象とは裏腹に、フライトには体力と知識と判断力とチームワークが要求され、かなり本気にならないとできないスポーツである。大会も開催され、競技も行われる。空のスポーツとしてメジャーな部類ではないが、入部を迷っている1年生を渡良瀬に連れて行くと、まず間違いなく入部していた。何よりも熱気球自体の魅力に圧倒されるのだ。その巨大さ、迫力、バーナーの轟音、雲の上の景色。日常を突き抜けたものがそこにはある。
なんだかまた飛んでみたくなってきた。古い友人に連絡をとってみよう。