サンタフェより

高地砂漠で体験したこと 考えたこと

シープ イズ ライフ

2009年06月26日 | 火遊び?水遊び?
今日は少々不安定なお天気でしたが、雨があがるとまばゆい光に包まれた夏日です。こちらは、本格的なモンスーンシーズン(にわか雨の降る雨季)に突入しました。日本は梅雨ですね。

先週ファーミントンまで行ってきました。この町は、サンタフェの北西フォーコーナーズと呼ばれる4つの州境(ニューメキシコ、コロラド、ユタ、アリゾナ)に一番近い大きな町(と言っても、人口4万ちょっとですが)です。山があるので少々回り道をして、約300kmちょい、車で4時間前後。インターステイトのような大きなハイウェイが少なく、とても気持ちの良い美しいドライブです。

標高1644m。サンファンという比較的大きな川が貫き、メサベルデやチャコ、アズテックといった遺跡に囲まれ、ギャラップに比べると白人の人口が断然多いのですが、ナバホやアパッチのネイションが近くにあり、ネイティブの文化が水面下に定着している印象です。

今までファーミントンは、わたしにとって「通過する町」だったのですが、ナバホのチュロ羊関係の協同組合が主催するウールフェアがあると聞き、フェルト用のウールを仕入れがてら出かけることにしました。



題して"Sheep is Life"。とても小さな集まりでしたが、たくさんの情報を得、面白い人たちとの出会いがあり、何といっても閉じこもり気味だったわたしにとっては、最高の気分転換でした。詳しくは、またお知らせしますね。

真っ赤な・・・

2009年06月20日 | 四季折々
やっと夏らしい陽気です!!

というのに、私は昨日新しく本腰を入れた仕事で大失敗をしてしまい、ものすごい自己嫌悪におちいっておりました。少々焦ってたんだなぁ~。新しいことを始めたとはいえ、手が震えるような大失敗って大人になって初めてかも。(そりゃ、医療ミスなどで人が死んだわけではないけれど、自分でもどこかへ消えてしまいたいようなミスでした。)

こういう時は・・・掃除に限ります。ちょっとの落ち込みなら、散歩とか歌をうたうのがいいのですが、ここまで自己嫌悪になると、腹に力が入らないし、お日さまの光はちょっと眩しすぎる!!

というわけで、愛犬桜にも行水してもらい、おっちらおっちら・・・いやごしごしやりました。タオルもシーツも洗っちゃえ~。あれもこれも磨いちゃえ~。

で、お天道様に顔合わせられる気分になったところで、友達宅へ。そのうちの子が、谷の向こう側に住んでいる友達を大声で呼ぶと、「こっちへ来いよぉ~。トランポリンしよー!」という返事。思い切ってわたしも誘われることにしました。(そんな気になるなんて、けっこう早い立ち直りだったかも。)

ひと汗、いやみ汗くらいかいて(3人の7歳児+2歳児ひとり、しかも全部男の子だったので、激しいのです!)、最後には、「冬の国をつかさどる雪の女王」にさせられて,夏の国の戦士が投げる花火と火の玉にとかされ、ぼろぼろになって、やっとの思いで友達のガーデンにたどり着きました(笑)

そこで私を待っていたのは、庭からとれたミントで作ったお茶!!ふと見ると、桜の木には鈴なりに赤い実が。

今度は木に登り、さくらんぼ摘みに没頭。木の上で頬張る真っ赤なさくらんぼは、アメリカのダークチェリーではなく、中が黄色いタイプ。おいしかったぁ。カメラを持っていなかったので、皆さんにお見せしたくて、何粒か持ち帰りました。おいしそうでしょう?

で、この写真を撮って、日記の更新を・・・。と思い、コンーピューターを立ち上げたところ、失敗を正すチャンスをもらうことができるという知らせが届きました。

ありがとうよぉ~。

掘り出しもの

2009年06月15日 | びっくり玉手箱
こんにちは。

日本は梅雨の入りを過ぎたとか。
こちらは、夏になりきれぬ感じ。野菜やハーブが、思うように育ちません。朝夕の冷え込みが原因でしょうか。晴れれば暑いのですが、今日も・・・雨がち。小鳥が軒先で、雨宿りしています。

去年はほとんど働かなかったので、今年はちょとお財布のひもを締めてかかっているのですが、先日どうしても見過ごせないものに出会ってしまいました。

懐中時計です。

わたしはたぶん、中学生の頃から「時計を持つのなら、懐中時計!」なんて言っておりました。いつも忙しく働いていた父への非難からか、日焼けをしたときにできる白い線は、なんだか時間の囚人のしるしみたいに見えて、腕時計はあまり好きではありません。大好きだった『不思議の国のアリス』に出てくるウサギもまた、懐中時計をもって走っていました。(彼も時間に追われているのにね。)

しかも、その時計は新しく作られたものではなく、高価でなくてもいいけれどアンティークというかちょっと古いもの。電池ではなくネジを巻いて使うタイプ。文字盤がおもちゃっぽく、大きな数字であること。などなど条件がありまして。

あるとき、私がまだ大学生だった頃でしょうか、ヨーロッパへ出かけた母が、骨董屋さんでわたしの干支である馬が彫られた銀の懐中時計を見つけたらしいのですが、到着早々だったのでつい「もう少し見て歩いてから。」と思っていたら、結局お店の開店時間と予定が合わず、諦めることに。以来、わたしと母のあいだでも、秘かな懐中時計探しのゲームが続いておりました。

先日友人がガレージセールをするというので、線路際のアート・ギャラリーめぐりの帰り道、立ち寄ることにしました。彼女はお針子の会の仲間ですから、当然のことながら布や糸の山を期待してゆきました。

ところがその山の合間に、ちょこんとこの時計が座ってこちらを見ているのです。裏に貼られたマスキングテープには、$5と記されていました。真鍮製ですから高価なものではありません。でも、テープをはがすと裏には「1931年ナントカ乳製品株式会社 ルドリー・ナントカさんへ 10年間の勤続と尽力に対して」と、アールデコ調の模様と共に彫られています。

「動くのかしら?」 「え~、わからない。動かないでしょ。」

でもネジを巻いてみると、チクタクいい始めました。重さも適度の丸みも、手に取った感触もよい。1931年といったら、アメリカが大恐慌を経験した直後です。当時の「10年間の勤続」は、会社にとっても社員のルドリーさんにとっても、感慨深い記念だったことでしょう。

「懐」という言葉は、なんだかここちよい体温を感じさせませんか?わたしは料理が好きなのですが、お茶事のとき亭主が心をこめて作る家庭料理のことも、懐石(=ふところに小さな石を入れて温めたようなおもてなし)、と言います。この時計も、なんとも言えないやさしいエネルギーを持っています。古いものは前の持主(たち)の歴史を携えています。この時計の持ち主は、きっと穏やかな気持ちでこの時計を身につけていたのではないかな・・・。

数日たった今も、一分も違わず時を刻んでいるようす。掘り出し物だったかも!

星からのメッセージ

2009年06月05日 | All is ONE
ゆうべは友人宅に長居してしまい、真夜中過ぎに家路に着いたのですが、花火かと思うほど明るくて、すごーく大きな流れ星を見ました!!

それは、家にたどり着く直前、前方の夜空の割と低いところにまばゆいばかりの光を放ちつつ、突如として現れたのです。ピカっとして、はじめはかえるの卵がおたまじゃくしになるように尻尾を生やしたかと思うと、その尾はもやしのように長くなって、やがて枝垂れ柳の花火のように火花を散らしつつ、名残惜しそうに消えてゆきました。しばらくの間、残像がまぶたに焼きついてしまうほど、力強い光の踊りでした。

とっさに出てきた願い事は、くだらなくて恥ずかしくて、とても人には言えませんが(笑)、最後まできちんと言い切ることができました。久しぶりに夜空をゆっくり見上げ、ほっこり。

ここのところ、ちょっと心を亡くしそうになっていました・・・。でも、元気が出て、心にも余裕ができたみたい。

この空のもと、みんなともつながっているんだよね~。そんな当たり前のことを忘れそうになって、ひとりで少しだけ哀しくなっていました。ほっ、思い出させてもらってよかった!

線路沿いには

2009年06月01日 | サンタフェ情報
ニューメキシコの州知事、ビル・リチャードソンの政策のひとつに、通勤のための交通手段確保として、鉄道網の建設がありました。2003年ごろからはじめられたプロジェクトは、二つのフェーズでゆっくり進んできましたが、去年の暮れ、空港がありアメリカの中でも屈指の急成長を遂げつつあるアルバカーキの市街地と、州都であるサンタフェを結ぶ線(もともと存在したBNSFの線や、サンタフェ南部鉄道などの線も使っているので、すべてが新築ではありません。)が開通し、州鳥ロードランナーのデザインがいかにもニューメキシコらしい客車を、毎日見かけるようになりました。

New Mexico Rail Runner
アルバカーキ・サンタフェ間(約100km)は、同日の往復切符が$8。
一日8本の運行。日曜運休。

同じ予算を費やすのなら、高速道路の拡大に使うほうがいい、などの非難も多いらしいのですが、個人的には鉄道の方が楽しいし、車を減らす努力としては"Good Try"と言ってあげてもよいのではないかと。



いえいえ、今回はその話ではないのです。

今日は日曜日。朝目覚めてすがすがしい空気を楽しんでいると、友人から電話。「自転車で出かけよう!あ、でもお茶の日だっけ?」とのお誘いでした。逃す手はありません。「お稽古の前だったら、数時間空いているから。」と答えて出発。

今回のルートは、新しくできた線路沿いに続く自転車道でした。とは言え、舗装してあるのはほんの町中のみで、なかなかスリル満点のラフなコースです。私の自転車はいわゆるタウン系なので、時々「次の坂を下りきって、石がごろごろしている所についたら、この自転車バラバラに壊れるぅ~?」と心配になる箇所もありました。でも、くだり坂でのブレーキは禁物です。何たって"Live dangerously"がモットーですから!

いやぁ~、楽しかった。ちょうど、大きな雲が空の真ん中にどっしりと構えて、強い日差しを時々さえぎってくれ、肌に気持ちのよい風を切りつつの走行です。東側の山には、わずかながら嵐の予感。西の空は、トルコ色。サボテンも、黄色やピンクの花をつけています。さんざん文句を言っていましたが、雨のお陰です。感謝!ロードランナーには出会いませんでしたが(見かけることもあるんですよ!)、地面に目をやると、トカゲが必死でおっちらおっちら走っていたり・・・。今日は列車の運行もないので、快適なバイク・ライドでした。やっぱり人力が一番です。

最近ちょっと落ち込んでいたのを知って、誘ってくれた二人に感謝。こんなサプライズなら、いつでも大歓迎!

(最近日記をさぼっていたので、カメラを忘れました。写真がなくて残念。)