葬儀屋日記 byノブアキ

つれづれなる葬儀屋さんの日記です

11月のおしらせ

2004年11月30日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
早いもので、今年ももう残りわずか2ヶ月


今年一年は本当に仕事も増えて、変化もあって忙しいかった
(実はココからが、もっと大変そうなんですが)


葬儀屋さんとして、もっともっとお客様に近づけるように
がんばるぞぉ

というわけで、今月は葬儀の知識コンテンツ強化月間です。

(有)佐藤葬祭http://www.alpha-net.ne.jp/users2/sato1976/



いま、会いにゆきます

2004年11月18日 | つれづれ日記
とてもステキな本に出会いました
市川拓司さんという方がかいた本で

たった6週間のラブストーリーです
死んでしまった、お母さんでありあり妻が

「雨が降る季節になったらもどってきて、また雨が降る季節になったらお別れをする」といってこの世を旅立ちました

愛するひとをなくしたら、幽霊でもいいから
会いたい

そういう風に、連れ合いを無くした人が言葉をつぶやくのは
僕は沢山見てきました。

愛する人と一緒にいられるのだったら
確かに幽霊かどうかなんて、たいした問題じゃないのかもしれません

決して、裕福でもなく
決して、才能に恵まれるわけでもなく
何かが優れているわけでもなく

ただ一緒に生きていられることが
大事だってことを教えてくれる

そんなすてきな小説です

ストーリーを書いてしまえば
もっともっと長くなってしまうのですが

それはこれから読む人に失礼と言うもの・・・


書かれているのは「ただ、愛している」と言うこと


家族や、友達や、子供や、親や
生きていると忘れてしまう

大事な大事な愛っていう気持ち

読んでいくうちに、ドンどう気持ちが優しくなっていきます
(それでいて涙がポロポロこぼれるほど切ないストーリーです)

今日はほんのご紹介でした


一緒に生きていく大切さは
失ってみると、その大切さに気づいてしまうんですね



でも失うからって、必要じゃないことなんてないんです


ね・・・・



ずっとがんばってたから

2004年11月11日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
ずっと がんばってたから

よかったね 

らくになったね

やることを やったから

時間をくれたから


こうして お父さんががなくなっても

急にびっくりってことはないよ

できるだけのことはしてあげれたんだよね

だからお父さん

いままでありがとうね

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これは、僕が出会ったことのある
ある、家族の話し

お父さんがガンで、だんだん弱ってきて
そのお父さんを家族で精一杯看護して
面倒を見て

まるで、家族の心が決まるまでがんばっていたかのように
みんな気持ちがお父さんの死を受け入れてからと感じられるような
最後の時間を与えてくれているかのような

そういう病気との戦い方をしたお父さんと
最後に霊安室でお父さんのほほをなでながら

とても優しい顔で最後を看取ったある奥さんの話しです


お父さんががんばってくれたから
こうやって、最後の時間を持つことが出来た
だから御父さんありがとうね

やさしく語りかける、奥さんの言葉が印象的でした。


いつも思いますが、100人いれば100通りのストーリーがあるものですね。





拝啓、煙突の下の世界から煙突の上のあなたへ

2004年11月05日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
声がもう聞こえないですね

きのうまで、また聞けるって
そう思っていましたから
なかなか慣れるまで時間がかかりました


あなたはもう随分遠くに
行ってしまいましたね

たまには電話の一つもよこせばいいのにと
そんな気がします



あの時私の目の前で、見えるものは何もかわらないのに
随分いろんなものがかわってしまいましたよ

あのときは何が起こっているのか
そのときは検討もつきませんでしたが


今も

わたしは頭が悪いのでよく
わかってはいないのだと思いますが


あの日あの煙突から
旅立ったあなたに


あんんまり笑われないように
あんまり心配させないように


こころの傷みを少し抱えながら
笑顔で生きています


だからね


安心してくださいね

あなたに会えなくなってから
3度目の冬を迎えます


煙突の下の世界から煙突の上のあなたへ


まあまあ、ぼちぼちやってるから・・・・・






 あんまり


心配しなくてもいいよ






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今はもう、火葬場も新しくなって
煙突のある火葬場なんてあまり見かけなくなってしまいました

小さいころ、煙突の煙を父の仕事を手伝いがなら
よく見ていました。


「昔は、ススがすごくてねえ」とか
大人はそういっていました

でも人が死んで、ああやって煙になって空に
帰っていく様を新しく葬儀屋さんになった人たちや

若い人たちは見られないのは、すこし残念な気がします

煙突の先のもっと先の空の向こうに
帰っていくんだと

みんなそうやって言っていました
旦那さんをなくした若いお母さんも
長年連れそった、おばあちゃんをなくしたおじいちゃんも

みんな今のホテルのような火葬場より
「死」ってものをもっと心で感じられたんじゃないかな
とそう思います。


いまでも目には見えませんが、そうやって
みんな空へ帰っていくのですね

僕らの頭の上には大きな空があります
僕らの頭の上からみんな見守っているんでしょうね



まあ、環境問題やいろいろ難しい問題がありますが
僕にとって、いえいえちょっと昔のことを覚えている人には



あの煙突は



ちょっとした、悲しくて愛しいノスタルジーなんでしょうね。








斎場費用の比べ方

2004年11月03日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
こんにちはノブアキです


最近すこしサボっていました、どうもすいません。


コツコツやるのが、ものごとをスムーズに行かせる唯一の方法論ですからね


一生懸命がんばりますね。

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さて、今日は斎場の話し


10年か15年ぐらいまえから、斎場でお葬式をするのが当たり前になってきました
僕が小さいころはまだまだ自宅でお葬式をあげられる人って
いっぱいいたんですけど・・・今では式場でお葬式をあげるひとが大半になりました。


なぜ斎場でのお葬式が増えたのか?

設備としてよい


キャパシティが全然あるので、お葬式にきてくれたひとを沢山歓待することが出来ます
最後のお別れも自宅よりも沢山の人にしてもらえますし
料理も「場所が無いので申し訳ない・・・」なんてことが少ないです
冷暖房完備で寒い熱いがありませんし

なにより、家族の方の手間が少ない

自宅で葬儀をあげると、物を動かしたり。お茶の用意をしたり
お膳や、座布団、たんすを動かしたり。それはそれは大変です。

女性はまさに戦争!といった感じです






それから、多分一番大きな理由は
自宅でお葬式をしても、斎場でお葬式をしても
あんまり金額が変わらない・・・・

ってことなんでしょうね。





「えっ、式場費って20~30万円掛かるんでしょ?」
とよく聞かれます。たしかにそうなんですが・・・


でも・・・実は


「だから、式場を借りると高くつくんだと思ってた」
では、私めがわかりやすく簡単に説明します




それでは例として代々幡斎場と、近所の自宅をあげてみますね
親戚30人、参列者15人(最近の一般的な密葬の例)

式場で変わる費用の対比

■代々幡斎場(火葬場併設斎場) 星の間
式場費  ¥236,775-
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心づけ ¥10,000
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合計 ¥246,775

以上です

■自宅
式場費  ¥0
テント  ¥58,800
メイン看板 ¥12,600
案内看板五枚 ¥18,375
門提灯 ¥36,750
マイクロバス ¥36,750
霊柩車 ¥27,300
ハイヤー ¥26,250
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心づけ
運転手4人 ¥12,000
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合計 ¥228,825

差額は¥17,950しかないのです二万円の違いで、片方は式場、片方は自宅

だから皆さん式場でお葬式を希望するのだとおもいます。


自宅でやる場合、テントも看板も要らないから
といった人の場合は5,6万円変わってくるかもしれませんが

もし、親戚があと7人増えてしまったらどうでしょう
もし、故人の友人が5人ほど火葬場まで行きたいといったらどうでしょう

バスが一台、簡単に増えてしまいます

またお坊さんが二人で来るからなんてことになれば
ハイヤーが一台増えればかえって式場でやったほうが
安く済む
といった結果になってしまいます。


式場に掛かる費用を比べる時は
その式場でやることによって生まれる
「隠れ経費」も踏まえたうえでないと

※隠れ費用
・受付テント
・車両
・装飾
・看板など


きちんと式場費をくらべることが出来ません。


賢い消費者の皆さんは
こういう比べ方をしないと

きちんとした見積もりが取れないことを
頭の片隅に留めておいてください