アンザッツ 発声知覚配置図
フースラーは、頭頂部、前頭部、鼻根部、上顎部、歯列部などに振動を感じ、それを『声を当てる』『声の置き所』などと言った。いわゆるアンザッツの発声知覚配置図のことである。
実はこの発声知覚配置図は(フースラー発声学を含め)様々な混乱を招くことになる。頭に響かす、鼻腔共鳴、胸に響かすといったトレーニング方法を一度は聞いたことがあると思うが、それらは個人的感覚なものであり、まるで科学的根拠のない誤ったトレーニング方法なのである。
先ず最初に言っておきたいことは、アンザッツにおいて最も大切なことは、『音色の聞き分け』と、『喉頭筋群の働き』なのである!!
ただ、『声を当てる』といった超感覚的な発声知覚配置図をイメージしたトレーニングも時として有効な場合もあると考えることができる為、これからシンゲンによるアンザッツを詳しく見ていきたいと思う。