Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

vol169:高等教育におけるeラーニングの質保証(セッション1)

2005年11月17日 | セミナー学会研究会見聞録
セッション1「国際的なeラーニングの質保証」

司会: 青木 久美子  (独)メディア教育開発センター助教授
パネルメンバー
Glen Farrell Senior Consultant, Commonwealth of Learning (COL), Canada
大森 不二雄  熊本大学 大学教育機能開発総合研究センター教授

ファレルさんの話

正直なところ、話の半分は基調講演の木村先生の話とダブっていました。後半に、
質保証のフレームとして「国家レベル」「機関レベル」「プログラムレベル」の3
つのレベルについて説明がありました。中で印象に残ったのが、現在の機関レベル
の質保証はインプット評価中心ですが、今後アウトプット評価を検討する必要性を
示唆していた点です。また、やっと本題である「eラーニングの」の部分について触
れてくれましたが、2日目のセッション3とダブる内容でした。最後の最後で、コ
モンウェルスとかオープンソースコンテンツの問題に触れたものの時間がな
く、「品質保証を考える上で重要だ」という言及にとどまりました。

大森先生の話
これも、日本でのeラーニングの現状や規制緩和の現状、国境を越える高等教育の話
など、前2者とややダブる部分が多かったものの、eラーニングの品質保証について
は「NIMEで現在ガイドラインを作成中」というご発言がありました。NIMEの方から
この発言に関する補足説明がなかったところを見ると、検討が難航しているのかし
らんと勝手に予想するのでした。期待しましょう。

また、こうした国際的なeラーニングの質保証の動きは、高等教育の国際化が単
に「教育分野」のみの問題でなく、事の発端がWTOであったことからも分かるよう
に「経済的」な問題でもあり、かつ教育の輸出国=先進国、輸入国=発展途上国と
いうことから「政治的」な問題であるという点が重要との指摘がありました。納得
です。

1日目を終わって
かなりハードな1日でありました。国際的な場面で教育の質保証がどういう文脈で
語られ、ガイドラインまで作成されていたとは、己の無知を再認識したのでありま
した。
次週は後半の「コースの質保証」と「機関レベルの質保証」についてお伝えします。

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