Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

vol.494:ハイブリッド教員のふぁかるてぃ相談室 第15回 「入りたい会社が見つからない」

2013年12月16日 | ハイブリッド教員のふぁかるてぃ雑記帳


那覇マラソンで2年連続ふくらはぎが破裂したシバタです。最近、某出版社
さんから「このシリーズを書籍化しないか」という甘いささやきをいただき
ました。著者買い取り1万冊で、みたいな話でないことを祈るばかりです。
では、年の瀬の季節感あふれる一発、参りましょう。

<ご相談> 入りたい会社が見つからない(21歳大学生)

真剣に悩んでいます。

何を今さらと言われるかもしれませんが、就職活動が本格的になる12月にな
っても、入りたい会社、働いてみたい仕事が見つからずに悩んでいます。
様々な業界研究本を読んでもどうもピンときません。職種から検討しても、
マイナス面(例えば営業や販売職はノルマが厳しく辛い等)ばかりが気にな
ってしまい、これだというものが見つかりません。

でも、ニートにはなりたくないし、仕事に就いて経済的に自立した人生を送
りたいと強く願っています。今は「早く内定が欲しい」という気持ちと「ど
の会社に入社すればよいのか分からない」という気持ちに挟まれて悶々と悩
むだけの日々を過ごしております。まずは行動を起こせと、大学のキャリア
センターのスタッフやゼミの先生からは耳にタコができるほど聞かされてい
るものの、動こうにもお目当ての業界や業種・会社が決まらないので最初の
一歩が踏み出せずにいます。

そんな私ですが、どのように気持ちを切り替え、入りたい会社を見つければ
よいのでしょうか?
よろしくご指導のほどお願いいたします。

<ご回答>
学生時代、某コピー機の老舗X社の社長さんの「3回転職しないと本当にや
りたい仕事には巡り合わない」という言葉を聞きました。新卒時、望まない
就職をした私は、その言葉をずっと頭の隅において働いていました。そして
それは、まだ転職2回の私の頭の中にひっそりと鎮座しています。

こう書くと、もう、論旨はおわかりでしょう。そう、この時点でやりたいこ
となどわからなくて普通なので、とりあえず入れてくれるところに入りなよ、
というのが結論です。しかも、最初の勤め先はなるべくひどい会社の方が、
社会人基礎体力がついてよい、というのも私の持論です。

ただ肝心なのは、そこでどうやって過ごすか、です。1つは職業観を磨くこ
とです。前職で、銅を伸ばす会社の人事の方と知り合いになりました。地方
の国立大の文系学部を出て、銅を伸ばす会社に入った彼に私は「銅を伸ばす
のが好きなんですか?」と聞いたことがありました。彼は「いや、特に好き
ではない」と答え、私は「ではなんで銅を伸ばす会社に入ったのですか?」
と重ねました。彼は「なんでなんだろうね」と虚空を見上げていました。と
はいうもののもしかすると彼の内実はものすごく豊かで、「導体の雄である
銅に限りない愛着と畏敬を感じる」という銅フェチだったのかもしれません
し、非鉄金属という国策に近い業種の人事という仕事に、国家を動かすダイ
ナミズムを感じていたのかもしれません。もちろん、大学に来ていた求人票
の「昼食費支給」にほだされたなんてことも否定できません。

いずれにしても、本意ではない仕事をさせられていると「こういうことは嫌
だ」、転じて「こういうことをしたい」ということを考えるもの。そこを雪
だるまを作るように徐々に大きくしていってください。ちなみに私は学生時
代のスーパーのアルバイトで「販売業だけはやめよう」、観光バスの添乗員
のバイトでは「旅行を仕事にすると旅行嫌いになる」と思い、それらを就職
先からいち早くはずしました。

職業観、つまりはやりたい仕事が見えたら、次はそこに行く準備です。とは
言え、最初の勤務先を3年は勤め上げることは転職の王道ですので、その準
備を強くお勧めします。準備には2種類あり新天地で即戦力になるような力
をつけておくこと、そして、コネクションを作ることです。例えばテレビ局
に勤めたければ、番組表と視聴率の動向をかっちり把握しつつ、週末は局内
のコンビニでこっそりバイトするなどが挙げられます。コネクション作りと
は、なんでもいいからその仕事・業界の渕にさわりつづけることです。

社会とのコネクション作りもその相似、なんでもいいから組織に入ってみる
ことです。<文責 シバタ>

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