Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

vol.311:教育産業はインドを目指す?

2009年07月11日 | 教育関連マーケティング情報
2009年6月26日の日経MJの記事に「教育業界、アジアに活路」という記事がありました。内容は、小~高校生向けの教育サービスを提供している各社がアジア市場の開拓に動き始めたというものです。

「東進ハイスクール」のナガセはシンガポールに全学出資の現地法人を設立、その他中国やインド、東南アジアで教室を展開。京進は中国の広東省に全額出資の子会社を設立、7月に日本語学校を開校。学研は2010年にもインドと台湾で「科学実験教室」を開始。さらにベネッセは中国や韓国で通信講座を展開。中国では現在会員数15万人。2015年には100万人を目指しているというものです。

少子化で市場が縮む国内に危機感を募らせる各社は、堅調な経済成長を背景に教育熱の高まるアジアへの進出を積極的に展開しつつあります。かつては在留邦人を対象としたサービスを細々と行う程度の海外進出でしたが、現地の提携先企業に国内で培った教材開発や学習指導のノウハウを提供し、現地の人にサービスを提供するのが最近の特徴だそうです。

日本の大学は国内に留まり、少子化でレッドオーシャン化する大学マーケットの中で徐々に疲弊しつつあります。事実ここ数ヶ月、各地で学生の募集停止と発表する大学が相次いでいます。その一方でこうした教育産業の動きはとても元気で前向きです。

実はこの記事の後半で、以前から気になっていた「教育サービスの標準化」の動向が取り上げられいました。かつてよりeラーニングの世界ではSCORM等の標準規格の制定がされてきましたが、教育を提供する機関そのものの質保証をするための規格というものはありませんでした。ISOで議論が進行していている事もありこの「教育サービスの標準化」には大いに期待する反面、本当にできるのか?完成した暁には各教育団体一斉にそれに準拠しなくてはならないのか(IS9000や14000のように)?といった不安も感じています。

記事によると、早ければ2011年には教育サービスの分野で国際的な共通認証の導入がなされるようです。日本ではJAMOTE「人材育成と教育サービス協会」という団体が中心になって動いているようです。

ちなみに今年の3月にシンポジウムを開催しています。『人材育成と教育サービスの国際化シンポジウム「グローバリズムの先にある世界」』


実際にはnon formal learning分野での標準化の動きのため、大学の評価や認証に直接この動きが影響することはないと思われます。しかし、教育の質保証が国際規格で認証されるような時代になってしまったんですね。ちなみに塾等の教育産業は「サービス産業」に分類されるため、文部科学省でなく参考までに経済産表省のの管轄になります。下記が国内での審議会発足に関する情報です。

参考「経済産業省 ISO/TC232(人材育成と非公式教育サービス)国内審議団体発足について」


果たして今後どうなることやら・・・

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