時戻素

昔の跡,やがてなくなる予定のもの,変化していくもの,自身の旅の跡など・・・

(286) 地下空間全体を使った地域表現

2010年03月05日 04時44分32秒 | 風景
この記事の中で,花木がデザインのテーマとされている地下鉄長堀鶴見緑地線の京橋~門真南間の地域表現を見た。今回は京橋から大正方面を見ていきたい。1996年12月に心斎橋まで,1997年8月に大正までが開業している。この時代の大阪市が3セク方式も含めて建設に関わっている施設に,WTC(1995年)クリスタ長堀(1997年)大阪ドーム(1997年)舞洲の各施設(1990年代後半から)などがあり,かなり豪華な印象のものが多い。この区間の駅もそれに負けないぐらい派手なデザインになっている。しかも,この区間,乗換駅の関係もあるが8.5kmの間に11の駅があり,平均駅間850mと1kmをきっている。今のところ乗り換えにない,西大橋は計画中のなにわ筋線と松屋町駅も計画があったらしい松屋町線との乗換えを見込んではいたようだ。

・大阪ビジネスパーク【未来と星空】
改札前の方位表示。

改札階通路の壁。

 銀色の素材が使われている。
ホーム階へつながるエスカレータ。

 かなり長く,脇に階段も見られる。このエスカレータを下ると…

 まだホームではなく,折り返してエスカレータに乗らないといけない。この駅のホーム地下31mぐらいまで達していて,市営地下鉄最深の駅らしい。

 ホーム階についても,ホームの両端には電車が停まらないのでさらに歩くことになる。エスカレータは2ヶ所あるが,両方ともホームの端にある。ホームの上の部分の天井も丸くなっている。
 ホームの壁。

 ちなみに,改札から地上に出る通路の壁は…

 だいぶ古そうに感じるところもあった。そこから地上へ向かう階段も…

 結構長い。比較的新しそうなビルの並ぶビジネス街の地下にある駅だが,電車に乗るまでにかなりの時間がかかりそうだ。

・森ノ宮【城と公園】
 3-B出入口。

 城の石垣を思わせるような入口になっている。
 改札が中央線との共用のため,改札口前の方位表示は見つけることはできなかった。

 改札階の端の階段付近にあったものだが,他の路線で見かけるものとは違っていた。
 改札階の通路。

 壁に石を使っており,石垣のようになっている。天井は吹き抜けになっていて…

 上部の公園の中に採光口があった。
 ホーム。

 ホームの端は…

 電車の編成数が増えるのに備えたホームの部分が,電車も停まらず,通路にもなっていないので照明が消されている。
 ホームから改札階へつながるエスカレータ部分を下から見上げてみる。

 かなり上まで吹き抜けになっていた。昇り降りのエスカレータが同じ方向にずれて設置されている。

・玉造【勾玉】
 改札前の方位表示

 勾玉をイメージしたデザインになっている。
 改札階通路の壁画。

 「過去から未来への時間の旅」というもので,難波宮などをテーマにしたものらしい。(Wikiより)天井には電車の網棚のような装飾がある。
ホーム

 和紙をイメージした壁面らしい。壁の赤い明かりが特にホーム端の照明の消えている部分で雰囲気を出している。

・谷町六丁目【寺と神社】
 方位表示。

 改札階の壁画。

 「過去から未来へ-谷町の遺産-」という作品で,障子や格子戸から寺や神社が見え隠れするデザインになっている。(Wikiより)玉造と同じような電車の網棚のような装飾が天井に施されている。
 ホーム

 石畳や和風建築をモチーフにしているらしい。
 エスカレータの部分を見上げると…

 ここも吹き抜け構造になっていた。

・松屋町【人形とおもちゃ】
 方位表示

 改札階壁面

 人形が並べられている。
 ホーム

 地上に出ると,玩具屋や人形屋が並んでいる。駅名の読みは「まつやまち」だが,地上の商店街は「まっちゃまち」と表記されていて,そう呼ぶことの方が多いらしい。そのなると「まつやまち」は行政色の強い読み方ということになりそうだ。

・長堀橋【石濱と濱蔵】
方位表示

改札階と中間スペースの壁
 

 地下街直結になっている。駅内のデザインを紹介した案内によると中階は情報交換の場として設けたスペースのようだ。
 ホーム

 長堀川の川面と濱蔵を軽快な縞模様で表現したそうだ。天井を見てはいなかったが,船底をイメージしたデザインになっていたらしい。

・心斎橋【夕日と心斎橋】
 同じくクリスタ長堀直結の駅。
 方位表示

 改札を抜けるとかつての心斎橋を表現した空間がある。
 

 この一部分は改札外からもガラス越しに見えている。

 ホーム。

 天井にも模様がある。
 壁面は…
 

 夕方から夜にかけての時間の変化が表現されている。

・西大橋【街のいぶき】
 方位表示

 改札階の壁面

 凹凸のあるデザインになっている。
 ホーム

 比較的落ち着いた印象があった。

・西長堀【木のぬくもり】
 方位表示

 改札階の壁面。

 千日前線との連絡通路

 ホーム

 木のような色のブロックが使われている。

・ドーム前千代崎【不明】
 この記事の一部と重複するが…
 方位表示

 改札階の壁。

 反射する素材が多い。
 ホーム

 
・大正【不明】
 方位表示

 改札階の壁

 川をイメージしたもののようだ。(Wikiより)
 床には…

 渦のような模様があった。
 ホーム

 ホームと改札を結ぶエレベータには…

 マークのようなものがあった。ここも吹き抜け構造になっている。

 比較的最近できた路線だけに,地下に他の路線や設備などがすでに存在しているために深い部分を通っている。そんな地上から離れた空間にこのような明るい(?)空間が存在し,分かりにくくても,その地域を表現している。
 大正から先への延伸計画もあるが,その際は新駅にもこのようなデザインが施されるのだろうか。

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