70の瞳

笑いあり涙あり、36人の子どもたちが生活する児童養護施設「さんあい」の出来事や子どもと職員の声をお聞きください。

虹がでた!

2017-09-29 10:15:26 | 愛すべき子どもたち

昨日の深谷地方は、雨が上がった後にお日様が顔を出しましたが、同時に洗濯物も干せないほどの強風が吹きました。午後4時過ぎ、いつものように子どもたちが保育園や小学校から帰ってきて中庭が賑やかになってきました。すると突然一人の子が「虹だ、虹が出た!」と叫び園舎の屋根の上を指差しました。そこには大きな円の虹が二重になって園舎の上の空に掛かっていました。みんなも「虹だ、虹が出た!」と興奮して叫んでいます。

聖書に拠れば、神様がノアの大洪水の後に今後はこのような大洪水によって人々を滅ぼさない約束の印として虹を空に掛けたとあります。だからきっと人は虹を見るとなんとなく安心して嬉しくなるのかもしれません。今年の夏は九州北部地方が大雨で大きな被害が出ました。被災者の方々も何処かで虹を見たでしょうか。

これから秋が深まって行きます。さんあいの子どもたちにとって夏を惜しむような「虹」の出現だったかもしれません。

 

 

 「見て、虹だよ!」 発見した時は色があせてきている時でした。

 

さんあい園舎の上に掛かった虹、「神様、大雨や大雪から子どもたちを守って下さい!」


大根の間引き

2017-09-27 16:06:33 | 愛すべき子どもたち

数週間前、夏のお花が終わって空いていた大きなプランターに小3男児のHくんが大根の種を蒔いた。 大根の種は畑に蒔いたが少しだけ余ったものだった。 何気なくパラパラと蒔いた種だが、土と雨と太陽のおかげですくすく育っていった。そして、プランター一杯になった大根は、さらに大きくなるために間引いてあげる必要がある。 

Hくんは心優しく、さんあいでは癒し系児童の筆頭株だ。 そんなHくんに職員は何度も、「Hくん、そろそろ大根間引いた方がいいよ。」と声を掛ける。でも優しいHくんは、育った大根を抜くのをためらう。そして1週間が過ぎ、間引く限界に達したころ再度説得し、ようやく動いてくれた。 一番はじの小さい芽から見本で拭いてあげると、初めて「間引き」の意味を理解したらしく、その後は自分で大きい芽を残して上手に間引いていた。

あと1ヶ月もすれば、丸々太った大根がプランターから収穫できる。そしたらユニットの皆と食べようねHくん。

 

プランター一杯に育った大根の芽 「これ以上太らすには間引かなければならないよ」とHくんを説得。

 

優しいHくん、恐る恐る間引きを開始してくれた。

 

最後は立派な4本をうまく残して、間引き完成! 間引いた大根は、洗って茹でて食べました。 めでたし、めでたし。

 


複雑なお別れ

2017-09-25 16:58:08 | 愛すべき子どもたち

一時保護で短い期間だったが、さんあいで生活した年中児のYくんがめでたくお母さんのもとに帰る日が来た。お部屋ではウキウキしていたYくんだったが、Yくんなりに複雑な想いもあるようだ。職員と最後のお別れをする時には何故か笑顔がない。かといって悲しい顔でもない。さんあいの生活も楽しかった。一緒に生活した子とたちとももう会えない。でもお母さんのところはもっといい。何とも表現できない戸惑った幼児の感情を一瞬の表情の中に読み取ることができた。 職員は「良かったね、元気でね!」と判で押したような言葉しか発することしかできなかった。

さんあいの中庭でみんなと遊んだことを思いだすだろうか。

 

 


秋のマイブーム

2017-09-22 15:19:53 | 愛すべき子どもたち

涼しくなったさんあいの中庭では、今年も秋のマイブームが起きている。 例年は未就学児の自転車と小学生の一輪車がブームになるのだが、今年はそれに加えてフリスビーが静かにブームになりつつある。

スポーツの秋でもある。中庭ではこれから増々マイブームの運動が活発になる。1つのパターンとしては、更に気温が下がって行くと駆けっこやリレーがブームになり、更に気温が下がると徐々に運動する子が減って行き、最後は晴れた日の日向ぼっこがブームになる。さんあいの中庭の季節はめぐって行く。

 

昨年の秋の中庭の様子

 

今年は、フリスビーをする子もいます。

 

あちゃー、上手く投げられないと言うか、まだフリスビーの遊びの趣旨が呑み込めていないようだ。

 

靴下メーカーのチュチュアンナさんから頂いた靴下が恋しくなる季節になりました。

 

 


お別れ会のラーメン

2017-09-20 16:01:55 | 愛すべき子どもたち

さんあいでは、年間15名程度の保育実習生を受け入れています。1人2週間の実習は特定のユニットに入り子どもたちと関わります。他のユニットには入りません。そして実習が終わる前日ぐらいには、ユニットで「お別れ会」をします。今回の実習生のMさんが入ったユニットの「お別れ会」では、実習生の好きなメニューを用意しました。そしてそのメニューが子どもたちが大好きなものばかりでした。もしかして実習生が子どもたちをことを思って好きな物を選んでくれたのかもしれません、、、、。 子どもたちと実習生のMさんはラーメン、餃子、そしてから揚げで大盛り上がりでした。 

まるで中華のコースのような料理だ。 でもラーメンは和風です。おいしそうですね。

 

 

 さんあいの子どもたちのナンバーワンメニューは、ラーメンです。

 


秋から夏へ

2017-09-18 14:33:06 | 愛すべき子どもたち

昨日は、台風の影響で気温が20度以下まで下がり10月の下旬並みだった。そして台風が過ぎ去った今日は35度の真夏日で、季節が秋から夏に逆戻りしたようだ。 さんあいのある埼玉県深谷市櫛挽は、海にも山にも川にも遠く、平坦な地形で特徴がない。その分自然災害が少なく安心安全な場所である。

そんな土地柄のさんあいの子どもたちは、大自然の怖さに疎い。 だから夏休み中はトイレ新聞を貼って、子どもたちの注意喚起を行っている。 そろそろそのその新聞を外そうと思っていたところにこの暑さである。 職員は、外で遊ぶ子どもたちに「帽子を被りなさい。」と声を掛ける。台風一過の朝、強い日差しが降り注ぐ中庭、職員の声は一段と大きくなっていた。

 

イラストとクイズで子どもたちの注意と関心を高めているトイレ新聞。海山川の危険と熱中症は最重要課題だ。

 

今日の熊谷地方は35度まで上がる予報。 午前中だが、自然に子どもたちは日陰に入っていた。

 

 


AED設置

2017-09-16 08:00:00 | 愛すべき子どもたち

さんあいは、緊急災害時に相互に助け合うという申し合わせを自治会としており、年に一度顔合わせや話し合いの時を持っている。その時に自治会の方から出てきた意見で、「24時間、365日対応できるAEDが地域にないので、さんあいで設置してくれたらありがたい。」というものがあった。さんあいでも緊急救命訓練後に設置を検討していたこともあり、早速業者に注文して設置した。使わないに越したことはないが、有れば何となく安心であす。ちいさなことだけど、少し地域に貢献できてうれしい。

 

AEDを設置する前に、消防隊員によりAEDを使った救命処置の訓練を受けました。

 

事務所に置かれたAED

 

地域の人が気づくように入口に門柱にAED設置施設のポスターを貼りました。

 

 

 


見に来てほしい体育祭

2017-09-14 16:05:28 | 愛すべき子どもたち

先週の土曜日は、さんあいの子どもたちの通う中学校の体育祭があった。雨は降ることはなかったが、ジリジリする残暑の中、子どもたちは元気で参加することができた。中学生と言えば思春期・反抗期にさしかかる時期である。親に向かって、「絶対に見に来ないでね!」などと言う子がいても不思議ではない。

一方、さんあいの子たちはと言うと、「絶対に見に来てね!」と職員に確認する子が殆どだ。そして当日ともなれば競技中に運動場に来た保護者の中からキョロキョロと職員を探す子どもが多い。 微笑ましい情景だが、でも心の底では普通の家庭の子のように本当の親に来てほしい想いもあるだろう。それも思うと、運動会ばなりでなく、彼らのこれからの歩みそのものを「頑張って!」と心から応援したくなる。

ここで見てるよ、頑張って!

 

運動会、誕生日、入学式、卒業式などの写真は、それぞれの子どものアルバムにして退園する時に渡すことになっている。

 

 


弱さを見せる

2017-09-09 08:00:00 | 愛すべき子どもたち

小さな子どもは、ウルトラマン、仮面ライダー、プリキュア等スパーヒローが好きだ。 さんあいの子どもたちも中庭に来ては、スパーヒローになりきり、職員を敵に見立てて小さい足を振り上げたりしている。 さて施設の職員としては、スパーヒローのように子どもたちの憧れの的になりたい誘惑に駆られる時もありが、子どもたちが心の奥で求めている物は、職員の弱さなのかもしれない。 

身体的、精神的な様々な弱さを持つ者は、同じ弱さも持つ者の気持がわかる。 子どもたちが、勉強や友だち関係で悩むときには、スパーヒローは必要ない。むしろ同じ悩みを持ち、受容しながら話を聞いてくれる職員だ。だからあえて職員は、子どもたち弱さを見せる必要がある。「実は、小学校の時いじめられたんだ。」とか、「実は、勉強が苦手でいつも先生と親に怒られていたんだ。」というような発信が、子どもたちを安心させ、悩んだ時に来てくれる。

勿論、施設には子どもたちが憧れるスパーヒローのような職員も居てもいい。でも同じように間の抜けたような弱い職員も居てもいい。 〝みんなちがって、みんないい!″

 

子どもが描いた絵の中には、スパーヒローもいるし弱そうなキャラクターもいる。面白いね。

 

 


食材の工夫

2017-09-07 15:11:10 | 愛すべき子どもたち

さんあいでは、栄養士が食事の献立と食材を用意し各ユニットで調理している。食材は生鮮品を除いて若干の余剰が出る傾向にあり、余った食材は各ユニットでストックしておいて、「エコの日」のメニューに使う。「エコの日」は、あまり物を有効に使い、他の子どもたちへの支援の精神を養うためにある。 さて、7月~8月の「エコの日」の各ユニットのメニューをチェックしてみよう。

 

食材と並べ方が工夫されていて、1日が楽しくなる朝食です。

 

食材も調理もシンプルですが、暑さで食欲不振になったときにはもってこいの昼食、お茶づけです。

 

こちらは、ガッツリ系のグラタンとスパゲッティの夕食です。スタミナをつけて明日も頑張ろうね!

 

「エコの日」の定番のカレーライスです。 春夏秋冬、何時食べても美味しいね。

 

最後は、子どもの大好きなファミレス風の夕食です。特に年少児童は大好物のフライドポテトがアクセントになってます。

 

頭をひねって食事のアイデアを出してくれる職員のひとり一人に感謝します!