さんあいの子どもたちの夏休みは終わった。今年の夏休みも大きな事故もなく過ごす事ができ、職員の日々の努力と神様のお守りに感謝している。 今年も子どもたちにとって忘れることのできない思い出が沢山できたに違いない。特に今年は、高齢児を対象に富士登山を行い苦しかったけど達成感を得た子どもも多かったろう。
職員にとって、毎年の夏休みは体力と神経を消耗することが多く、チャレンジイングな期間だ。特にベテランでケアワーク最前線で活躍している職員にとっては2学期の始まりの声を聞くとホット一息つける気持ちになる。 一方、ベテランでなければ味わえない夏休みの楽しみもある。それは、卒園した児童がさんあいに里帰りをする時期でもあるからだ。
今年は、3人の子がさんあいに顔を見せ来てくれた。それぞれ年齢に合った自立生活を送っているのを見て安心した。そして、卒園してもさんあいの子どもたちや職員の事を懐かしく思って来てくれることが、関わった職員にとって何よりも嬉しい。一緒に生活していた子どもたちに、「明日、〇〇ちゃんが遊びに来るんだって」と伝えると興奮してソワソワする。 さんあいで生活してた時は、特に仲がよかった訳でもないのに、やっぱり離れてみると懐かしく会いたいのだ。そんな子どもたちの様子をうかがい知るのも、児童養護施設の職員として嬉しいことであり、他の児童福祉分野にはないこの仕事独特の醍醐味でもある。
遠くの他県から来てくれたYちゃんは、アルバイトでためたお金の中から、子どもたちと職員全員にアイスやお菓子をお土産に持って来てくれた。「ありがとう、でもそんなに気を遣わなくていいんだよ。」と思わず言ってしまう職員。 そのYちゃんと1年間半一緒に生活した年中男児のJくんは、Yちゃんを見つけるなり、ウルウルの目で、「何時までいるの?」と聞こえないぐらい声で訴えている。
子どもたちの出身地はみな違う、でも縁あってさんあいで共に生活し、同じ食事をとり、春夏秋冬を過ごし、喜怒哀楽を共にし、そして子どもなりの人間関係が構築されている。 最終的には、ひとり一人が自立して社会を歩んで行き、それそれの新しい居場所(故郷)をもってもらうことが福祉のゴールだ。でも夏休みの時期になったらさんあいのことを故郷のように想ってくれたら嬉しい。
Yちゃんは、今でもみんなの人気者だ。 みんなYちゃんから離れない。