『勤務地シンガポール』

残りの人生どう生きるか迷い続けてこのまま終わってしまいそうです

日系企業なのに日系ではない会社

2009年06月03日 | シンガポールで暮らす

 私の住んでいる地域だけか、明け方物凄い土砂降りの雨でした。目覚まし時計でも起きない私でさえ目が覚めたくらいですから(笑)。その後、午前中はパラパラ小雨が降っていたこともあってか、今日のシンガポールはあまり暑くなかったかと思います。でもこの時期に雨なんぞ降るんだっけ、と思ってしまうのですが、これも温暖化の影響なのでしょうか。

 本日の記事のタイトルですが、最近面白い企業さんとお付き合いが始まりました。その企業さんは「日系企業なのに日系ではない」のです。社名を拝見する限りでは、コテコテの日系企業とお見受けしたのですが、面白いことに仕入れ先も売り先にも「日系企業がいない」のです。シンガポールに展開するほとんどの日系企業さんは本社が日本、そして現地法人としてシンガポールがあって、その取引先は、仕入れ先も売り先も日系企業という場合がほとんどということを考えると、これはかなり異質です(笑)。

 ましてや、シンガポールのオフィスには「日本人がいない」ということになりますと、これは極めて異質です(笑)。「そんなこともあって、うちでは日本人を採用するという“ニーズ”がないのです。」とお時間を頂戴した採用のご担当者が話されてました。まるで「外資系」のような組織、日系企業において有り得るのかなと思い色々とお話を伺っていると、つまりはこういうことでした。シンガポール現地法人の親会社はアメリカ現地法人で、そのアメリカ現地法人の親会社が日本にある所謂「本社」なのだということです。シンガポールの「親」が日本では無かった。どうりで「外資系の雰囲気」がしていた訳です。

 こちらの企業さん、ある製品を作られているのですが、その製品は全て日本で作り、それを全て一旦はアメリカに送り、それから全世界の拠点に送るのだそうです。そうすると見えてくるのは、設計や開発、そして生産と品質管理を担当する「日本」と、それから先のマーケティングと販売を担当する「アメリカ」という分業体制です。これって、結構面白い方法だと思いませんか(笑)。それぞれ得意な分野を担当しているような気がしてきます。「ファーマー・プロファイル」的な日本のものづくりと、「ハンター・プロファイル」的なアメリカのマーケ、販売手法が一体となっているように思えるのです。

 日系企業であっても日本人が居ない組織。もしかしてこれって、多くの日系企業さんの中で一度は検討課題となったことがあるのではと思われる、「現地の人たちによるオペレーション」、所謂「現地化」ですか?、と、私の思いは一気に飛躍し、少々考え込んでしまいました(笑)。果たして日系企業には「現地化」が可能なのか?これは人材屋にとっても考えるべき命題ですね。あともうひとつ、それは今回のケースで改めて考えさせられたのですが、「シンガポールにおける日本人の採用ニーズって、仕入先やお客さんが日本人でないと、そのニーズそのものが“無い”のではないか?」といった、いくら優秀な人材であってもその前に立ちはばかる「民族の壁」を、日本人の場合は超えられないのでは?ということです。んーん。難しいですね。この問題、また記事を改めて検討して見たいと思います。また次の機会に(笑)。

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2 コメント

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はじめまして (ぐーす)
2009-06-04 13:27:35
はじめまして、ブログ村から飛んできました。
日本から見たとき調達の世界では”世界最適調達””三国間調達”などが日系グローバル企業では今後の課題となっています。 記事の企業さんではアメリカが介在しているのでアメリカから見た日本ーシンガポールの三国間調達が実現できると良いですね。 一般論ですが物流コストが大幅に削減できます。 アメリカ本社はシンガポール向けの輸出で利ざやを出していると思われますが、無駄な物流コストを削減し、お金の流れだけ現状にあわせても利益アップにつながり、そのときには日本人のニーズもかならずあるように思われますが・・・。 

海外での日系リクルーターの方々もある種コンサルタントに近いビジネスが求められている、新しいポジションをお客様と一緒に作って行く、そんな方向に向かう?
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ぐーすさんへ (佐藤)
2009-06-07 19:48:30
ぐーすさん、はじめまして!この度はコメントありがとう御座位ます。

なるほど、今回の企業さんも、シンガポールがアメリカの子会社になっているからとう単純な理由ではなく、日本の本社の意図もくんだ最適調達という観点から、そのような流れになっているのですね。勉強になります。

海外での日系リクルーターの関して、他の国は分かりませんが、シンガポールにおいては、その方向はリクルーターから見れば理想の方向ながらも、お客さんから見ると、そのようなお話しはHR系のコンサル会社に持っていかれそうな気がします。リクルーターの皆さんも人材紹介の成功報酬型ビジネス一本ではなくて、コンサルティングなど顧問契約による定期収入ビジネスも一方で確率したいと思っていると思いますが、お客さんの方でどう思われているでしょうか。。。時間がかかるのではと思います(笑)。

またコメントをお寄せ下さい!
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