『英語でタンカのきれる日本人を求む』
1969年6月17日新聞に掲載されたソニーの広告
とてもユニークな当時のソニーらしい広告だと思います。見ると「SONY」のロゴの下に手書きでこのコピーが書かれています。実際は、「英語でタンカのきれる」の後に「人を求む」となっているのですが、その「きれる」と「人」の間に手書きで挿入のマーク「{ (これの上向き)」があって、そしてそこに「日本」と書かれています。
この広告の出稿元は「ソニー株式会社 人事開発室」となっていて、勤務先は「ソニー・アメリカ(米国主要都市)」となっています。
職務内容のところを見ると、「貿易関係業務全般」となっていて、その下に箇条書きで、販売活動、販売企画、輸出業務(船積、為替関係)となっています。“営業”という文字がでてこないのが興味深いです。
資格の欄には“2年以上アメリカに留学したことのある「生きた英語」を話せる方”と書いてあります。
“生きた英語”。シンガポールに暮らして早や12年が経ちます。日々英語を使って仕事をしてはいるのですが、果たして自分は本当に英語が使えるのか、話せるのかと言われればとても疑問です。どうしても発想が日本語ベースになるためか、英語の表現が、たとえ文法的に間違っていないとしても、英語を母国語としている人たちのそれとは大きく異なります。日本語ではこういう言い回しになるが英語ではこうなる。でもそれぞれを直訳すると使う単語は必ずしも同じにならないといったことでしょうか。
一方「シングリッシュ」はどうかと自問すると、これはもうネイティブ並みだと自負しています(笑)。タクシーに乗っても国籍が分かられてしまうことはまずありません。少し悲しいですが(笑)。
本当に生きた言葉というのはやはりその土地に行ってその土地の匂いを嗅ぎ、そしてその土地の人たちと同じものを食べなければ無理なのではないかと、自分を慰めたりしています(笑)。ところが日本語スピーカーの人たちを面接していると、一度も日本に行ったことがないのにも関わらず、日本語がとても流暢な方々がかなりいます。やはり、たゆまぬ「努力」が大事なのでしょうか。
今週は「英語」にまた意識を向けてみようと思います。
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