コツコツ一直線

好きな作品をアニメ・ジャイキリ・牙狼<GARO>中心に感想レビューしています。

デュラララ!! 第24話 「則天去私」(最終回) 感想

2010-06-25 20:46:21 | デュラララ!!(2010冬春)

 いよいよデュラララも今回で最終回。どんな結末が待っているんでしょうか。帝人・杏里・正臣の関係がどうなるか楽しみにしていました。
 そんな最終回でも輝いていたのが法螺田、そして臨也…最後まで素晴らしいやられっぷりでした~。なんというか爽やかで良い最終回でした。


 いよいよ黄巾族のアジトで対面した帝人・正臣・杏里。三人とも最初は動揺していましたが、すぐに法螺田達、ブルースクウェアの残党に取り囲まれ、それどころではなくなってしまいます。
 取り囲まれてしまう三人+セルティですが、そこに思わぬ援軍が!

「今だ、裏切れ!」

 残党の中にはなんと門田達が紛れていました!これで形勢逆転。そして門田は法螺田の元へ向かいます。門田が法螺田を知っているのはブルースクウェアの元仲間だったから。どうやら法螺田は当時、上手く逃げ延びて不起訴になったようです。そのことを門田は苦々しく思っていました。
 そして正臣も法螺田を殴ります!この瞬間は気持ちよかったです~。法螺田を殴る正臣、凄みがあって怖かったです…。でも正臣も状況を理解していました。

「本当はバールで脳天叩き割るつもりだったんだぜ…
 帝人と杏里は、こっち側の人間じゃないだろ?
 だから死体なんざ見る必要はねえ
 そう思っただけさ…」

 そうして正臣は頭から血を出し、倒れてしまいます…。そんな正臣を抱える帝人、駆け寄る杏里。二人共正臣のことを心配していました…。そして二人は正臣に何も知らなかったこと、黙っていたことを謝ります。帝人も杏里の事情を察し、今は聞かないことに。三人がようやくお互いの思いを話す時がきました。

「僕が何に苦しんで、
 何に悩んでいるか話していれば、
 こんなことにはならなかったのかもしれないのに…」

「俺の方こそ、
 お前がなんか遠くなっちまいそうで、
 だから怖くて…」
「正臣…」
「私が悪かったんです。
 龍ヶ峰君にも紀田君にも自分のこと話せなくて…」

「園原さん?」
「ごめんなさい…
 私二人のこととても大切に思っていたのに…
 ずっと近くにいたのに…」

 
 こうして三人の誤解は無事解けました。この辺の三人が和解するシーンは原作オリジナルでしたが、なんか原作より良くまとまっているかもしれません。良いシーンでした。このシーンがあって今回しっくりきました。
 二人の思いを聞いた正臣は二人の手を握り、二人の仲を認めます。

「お前らえらくお似合いだぜ…」

 そして正臣は沙樹の待つ来良総合病院に運ぶように頼むと気絶してしまいます…。最後まで正臣は正臣でした。カッコよかったです。

 そんな三人のやりとりを見て門田もどこかすっきりした様子。正臣が何かを乗り越えたのを見届けていました。

「逃げるなとはいったが、逃げなさすぎだ。
 ちったあ加減しろよ」

 で、今回援軍に駆けつけた門田の仲間は皆ダラーズでした。このことに関して門田は色がないからできることだったと、こう語ります。

「はじめからそういうものだったのに、
 今更消えようがねえってことだよな」

 ダラーズはどういう状況になっても結局ダラーズのままでした。それで帝人も何か納得できた様子。ダラーズが消えた時は一体どうなることかと思いましたが、ダラーズのこともどうにかなりそうで安心しました。

 ですが法螺田はまだ懲りず逃げようとします…。それで門田が追おうとしますが、セルティがその役目を引き受けることに。
 逃げる法螺田。そこに現われたのはセルティ…。セルティは法螺田の乗った車を追跡します。ですが途中で静雄がいるのを見て追跡を止めます――。標識があったのは待ち構えていたから…病み上がりなのに、静雄強すぎです。
 そうして法螺田の乗った車は静雄に破壊され、オープンカーにされてしまいます~。すごい光景だった…。ここら辺は映画のB級映画みたいなノリで楽しんで観れました。法螺田のやられっぷりがお見事でした。
 それでも法螺田は逃走を続けようとしますが、更に追っ手が…。白バイ隊員達でした。セルティの南無阿弥陀仏もナイス。そして白バイの葛原に終われ終了~。最後まで素晴らしい小物っぷりを見せ付けてくれた法螺田でした。

 病院に正臣を運ぶ帝人達。病室には遊馬崎・狩沢はいましたが、いつの間にか杏里がいなくなっていて…。
 その頃臨也は取引相手と会い、銃を受け取っていました。粟楠会という単語にニヤリ。そして話が終わった後、そこに杏里が現われます――。取引相手は罪歌の子でした。杏里はこの事件の黒幕が臨也だと気付いていて、罪歌の子にし、成敗しようとします。

「あなたのことを…斬らせてもらいます」

 臨也はそれでも軽い調子を崩さず、話を続けます。人間が好きだと語る臨也…臨也の根底にあるのは常にそんな人間への好意でした。
 臨也はそれからも杏里を挑発してきますが、臨也も静雄と張り合ってきたということでなかなか仕留められず。帝人と正臣のことに関してはある意味的を得ているかも。杏里がいつかその思いに向き合う時が、また物語の転換点になるような気がします。
 杏里は苛立ち、臨也を仕留めようとしますが臨也に軽くあしらわれてしまいます。臨也は杏里に宣戦布告するために、杏里を誘き寄せたとか。そして臨也は卑怯にも一般人に銃を向け、杏里を脅し逃走…。

「僕も人間を深く愛しているんだ。
 刀ごときに人間を渡してたまるか。
 人間は、俺のものなんだからさ」

 臨也は最後までウザヤでしたが、どこか臨也の内面が見え隠れしているようにも見えました。人間を支配して愛そうとする罪歌を嫌悪をしているような…。
 そうして臨也はいつものように去っていきます。杏里は悔しそうに臨也を見送ることしかできず…。ここまで見ると今回も臨也の思い通りにいっているような気がしましたが…。


 後半。家に帰って来た臨也ですが、何故か左目に痣ができていて…。想像以上に酷くて笑。それで波江にバカにされてしまいます。どうやらあの後何かまたあったようです。

「ちょっといいパンチをくらってね…」

 話は杏里に勝った後の話に。臨也はその後サイモンにおしおきされていました。
 スキップしながら自宅に帰ろうとしていた臨也。スキップが~。で、その時サイモンに声をかけられ、いきなりぶっ飛ばされてしまいます~。やっぱりサイモン静雄より強いのかも。しかもLOVEというオブジェにぶつかるのがまた臨也らしいというか…。なんか皮肉っぽい…。
 それからサイモンのロシア語での説教タイムの始まり!臨也もロシア語で返事をします。序盤でもナレーション回ありましたが、サイモンロシア語だとカッコいいです。沙樹から話を聞き、正臣が追い詰められているのを見て、今回の臨也の行動をサイモンも放って見ていられなかったです。
 ちなみに沙樹が何故露西亜寿司に電話したかというと、ただ単に病院の電話帳に電話番号が載っていたからという、そういう理由です。今回は全体の流れ重視で、そういう箇所が省く方向で話が進行していたような気がします。
 この会話中でも原作に多分なかった箇所が。

「本当は静雄に負けたくないだけなんじゃないのか
 あいつにコンプレックスがあるだけなんじゃないのか

 自分が思ってることなんて
 自分が思ってる以上にバレバレなもんだ」

「サイモンさぁ……
 お前、ロシア語と日本語で印象変わりすぎだって」

 静雄へのコンプレックス…。臨也が静雄に何か仕掛けたり無視できないのも、それが答えなのかもしれません。静雄と臨也、やっぱり対照的な二人です。
 とりあえず最後の最後で臨也も痛い目にあって、色々すっきりしました。好きなキャラに痛い目にあって欲しいと思うのも変ですが、そういう面があって臨也は更に輝く気がします。

 左目の辺りにつけられた痣を気にする臨也。なんだか間抜け…。打ちのめされて落ち込んでいるようにも見えました。そんな中臨也は、波江に法螺田のことを教えたのは波江なのかとたずねます。それを波江ははぐらかそうとしますが、事実のようです。
 それで臨也は自分の思う通りに行く人もいれば、静雄・サイモンのように思い通りにいかない人物もいると、だからこそ自分は人を愛するんだと笑いながら語ります。思い通りに行きすぎるのもつまらないようです。波江のツッコミも冴えています。

「だからきっとこんなくそったれな仕事も
 続けていられるんだろうねぇ。
 反吐がでるくらい楽しいね」
「何度もいうけど、
 人間の方は多分貴方のことが大ッ嫌いよ」

「そうかな…」

 本当臨也は人間にとっては害虫みたいな存在なのかも…。そしてセルティの頭を見て、高笑いする臨也…。なんか道化師のようでした。


 病院でまた再会した正臣と沙樹。ですが正臣の病室で待っていた沙樹は何故か沙樹は何故か立っていて…。

「本当は私、わざとあの人達に捕まっていたの」

 これまで足が動かなくなったと思われていた沙樹でしたが、実はそれも正臣を引き止めるための臨也の企みによるものでした。確かにずっと入院しているのもおかしいと思っていましたが、これは…。
 沙樹は過去のことを含めすべて知っていました。すべては臨也の仕業でした。正臣はあくまで平気そうに振舞います。

「知ってたよ、臨也の奴にそう言われたんだろ?」

 ようやく正臣も過去を乗り越える事ができました。沙樹も初めて臨也に逆らおうとしていました。そして正臣は沙樹に改めて告白。沙樹もそれを受け入れます。

「一緒に直して、いこうよ…」

 そうして抱き合いまた結ばれた二人でしたが、その数日後、正臣は学校を退学し、帝人達の前からいなくなってしまいました…。原作で読んだ時はこのオチにショックを受けたのを覚えています…。一体何故こんなことをしたのか、アニメでもよく分かりません…。でもアニメでは一応三人の関係にひと段落ついていたのが救いかも…。


 ですが池袋の時間はただ変わらず過ぎていきます。色々なキャラが登場。静雄と臨也のシーンがらしくていい感じでした。
 セルティと新羅。新羅何故水着~。帝人達を巻き込んだ勢力争いに関してもひと段落したということでセルティも安心。そしてそれからセルティは水着姿になり新羅を誘惑してきます!セルティの水着~。挑発するセルティがかわいかったです…。
 アニメを観るまでセルティをアニメで表現するのは難しいんじゃないかと思いましたが、いざ見てみると細かい仕草や沢城さんの声で思った以上に好きなキャラになってしまいました。首無しヒロイン、成功したと思います。

 帝人と杏里の二人。杏里は正臣のことを好きだったのかと考えますが、答えは出ず…。帝人はこの事件を経て、ダラーズのことがなんとなく分かったようです。

「一つ分かったことがある。
 ダラーズは街だ」

 ここでバッカーノの映像がまた~。帝人はダラーズの掲示板を再開。

<ダラーズはあります
 ここにありつづけます>

 これが帝人の答えのようです。ダラーズの話も最後でちゃんとまとまってよかったです。なんか最終回らしくいい結論が出た感じがしました。
 
 チャットシーン。バキュラという人物が加わっていました…。ノリが軽く、甘楽=臨也に誘われてきたようです。どうやらバキュラ=正臣のようですが…。甘楽に反発心丸出しなのが笑えました。いつ死ぬんですかって~。臨也のノリツッコミも面白かったです。
 帝人は驚きつつ内緒モードで正臣なのかどうか聞きだそうとしますが、バキュラは答えず…。新幹線を待つ正臣の姿が映るのがまた切ないです…。
 その後正臣は「√3点」と言葉を出し、帝人との繋がりを暗示します。ここでちょっと涙が…。帝人もそれで正臣だと確信し、嬉しくなります。そして正臣へ自分の今の気持ちを伝えます。

<あの、バキュラさん!
 また来てくださいね!
 歓迎しますから!>
<またきます。それでは!>

 チャットシーンが2人の友情を繋ぐという感じでチャットシーンも終わり。ここも良い感じに締めてくれました。

 来良学園。帝人と杏里も正臣を待ち、迎える事を決意。恋に関しては正臣が帰って来るまで保留のようですが、二人の距離もどこか縮まってきたようで…。

「二人で一緒に、ですよ」

 これからの可能性も感じます。杏里、弁当食べてますけど、帝人の手の位置がなんだか惜しい~。
 これまでのことを振り返る帝人。


『今思っても不思議だけど、
 でも…なんだかそれは
 僕の人生が変わってしまうようなことで、
 実は何一つ変わっていないような…
 とても、とても奇妙で、
 けれど、どこにでもあるような経験をした。

 この池袋という街で…!』


 正臣と沙樹は新幹線へ向かっていました。また帝人達の元に戻ってくる日がくるのか楽しみです。
 そしてラストは池袋の街を帝人と杏里が微笑ましく見つめているところで終わり。上手くまとまったところでデュラララアニメ本編おしまいです~!原作より上手くまとまっていたかも。

 EDは最終回ということで特別仕様。BGMが爽やかで良い感じ。今までの名シーンが頭の中に蘇ってくるようでした。なんかデュラララらしくて良い締め方だったと思います。なんか映画のEDロールのようでした。

 で、次週からは黒執事Ⅱが始まるみたいですが、このまま新キャラがメインな展開になるのかどうか気になっています。さすがにメイン2人がずっと出ないはずはないと思いますし…。感想は多分書かないと思いますが、しばらく視聴していきたいと思います。

 
 デュラララのアニメは今までのアニメにはない、何かの可能性を切り開いた作品のようにも思えました。他のアニメのような、いかにもアニメ!という感じでなく、ドラマや映画のような印象を受けました。その新しさ(キャラの個性含めて)がデュラララがウケた理由かなと思います。
 普通のアニメなら原作未読の人へ向けて作るのが普通ですが、原作既読の人だからこそ楽しめる部分(1クールのキャラ話とか)があって、原作既読方向けだったのかなーと思います。原作を読んでなかったら1クールの中盤に耐えられたか分かりませんでしたし…。キャラ回は静雄回はよかったですが、その他の話は話が停滞・中だるみしている回もあって原作の未読の方にはちょっと厳しかったんじゃないかと思います。試みは面白かったと思いますが、もう少しその辺配慮して欲しかったです。

 あともう少し1クールのキャラ話が2クールにもリンクすればよかったかなと思います。幽とかルリの話はもう少しあってもよかったんじゃないかと思うのですが…。幽、2クール目のOP・EDにも出ていたのに…。そこは未放映話か2期に期待でしょうか。4巻は是非アニメでも観たいです。
 デュラララ!!2期は今の人気具合と原作のストックもあるのでやろうと思えばできそうな気がしますが、原作の展開が5巻以降暗くなっていく+話が停滞気味になるのでアニメでやるのは難しい気がしますが、どうなんでしょう。

 に、してもデュラララの人気には驚かされるばかりでした…。アニメ化されれば人気が上がるかと思っていましたが、まさかここまで上がるとは…。特に臨也と静雄。原作ファンとしては複雑でしたが、成田作品がようやく脚光を浴びたことは嬉しく思います。バッカーノの時は放送がWOWOWで観ている人自体が少なかったので…。これを期にバッカーノも再評価されるといいのですが…。バッカーノの再放送・2期も気長に待っています。
 そしてバッカーノの時同様、スタッフの皆さんありがとうございました~。成田作品はやっぱりこのスタッフですね。


 ではこれまで感想を読んでくださった皆さん
 ありがとうございました~。