■2004年 日本 145分
■2006.1.14 wowow
■監督 崔洋一
■出演 ビートたけし 鈴木京香 新井浩文 田畑智子 オダギリジョー
《story》
第11回山本周五郎賞を受賞した梁石日の自伝的小説『血と骨』1920年代、朝鮮移民として済州島から日本に渡って来た金俊平。李英姫を強姦し強引に結婚。その妻や子どもにも暴力をふるい、さらに次々と愛人をつくり、自分中心に脅かしと暴力で生きていく。冷酷で壮絶な人生模様が繰り広げられる。
◆まるで暖かさのない、冷凍庫の中に首をつっこんでいるような気持ちになる映画だった。どうしたらこんな人間になっていくのだろう。当時は荒んだ社会だったのかもしれないが、こんな人間が「生き抜いた」ことが不思議なくらいだ。本能のままに生き、最後は一人、北胸腺の果てで死んでいく。端から見るとさびしく死んでいくように見えるが、本人の心の中はどうなっているのだろう。暴力は暖かいものは何も生み出さない。暖かさがなければ生きている価値を感じない。ビートたけしの演技は迫力があった。彼だからできるのかもしいれない。本当の彼はそうではないのに、役がぴたっと当てはまる。オダギリジョーの演技もいい。