そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

休暇

2008年11月16日 | 人間/社会派ドラマ


2007年 日本 115分
2008.11.9 サロンシネマ1
■監督 門井肇
■出演
   小林薫(平井透=刑務官・看守部長)
   西島秀俊(金田真一=死刑囚)
   大塚寧々(美香=平井の妻)
   大杉漣(三島達郎=刑務官・副看守長)
   柏原収史(大塚敬太=新人刑務官・看守)
   菅田俊(坂本富美男=刑務官・副看守長)
   利重剛(池内大介=処遇部長・執行指揮者)
   谷本一(古木泰三=刑務官・副看守長)
   宇都秀星(達哉=美香の息子)
   今宿麻美(久美=金田の妹)
   滝沢涼子(南雅子=ブライダル・アドバイザー)  榊英雄(教誨師)
   りりィ(美佐子=平井の姉)

 《story》

「生きることにした。人の命とひきかえに。」

刑務官の平井は、子連れの女との結婚を控えていた。彼は有給休暇を使い果たし、新婚旅行に行けないでいた。彼の勤める刑務所に、死刑囚金田が収容されていた。金田の死刑執行が決定し、その任務分担希望が言い渡された。執行補佐をかってでれば1週間の休暇がもらえる。平井はその任務に立候補する。だれもが敬遠する仕事で、休暇ほしさに立候補した平井にみな白い目でみた。負い目をもつ平井は、旅行先でも心落ち尽きなく、連れ子の達哉ともすれちがう。仕事とはいえ、他人の命を奪ってもらった休暇で、幸せは得られるのだろうか。

  だれかがやらないといけない仕事

仕事以前に、まさに合法的に人を殺す、言い換えれば殺人の手助け。「死刑」だと言うのは簡単だけど、それを実際に行う立場では、そう簡単にできるきものではない。たとえ自分の肉親が殺され、その犯人を自分の手で殺してもいいよと言われても、手を下すことはできない気がする。できたとしても、きっと人を殺したことの重みがずっと心の片隅にいすわり続けるのだ。
けれども、死刑制度がある以上、だれかがそれを行うのだ。補佐役も、立候補するか割り当てられるかの違いだ。休暇ほしさに立候補をかってでること。幸せな時間ほしさに苦痛をかってでること。体を押さえる仕事も、ボタンを押す仕事も、入り口に立つ仕事も、何のちがいもない。だれもが、人を殺ししたのだと自分を責める。立候補することがいけないことなのか、わからない。

殺人事件の推理本を読むたびに思う。自分は人を殺せるだろうか。見つからないように、遺体をバラバラにできるだろうか。その後も平気で生活できるだろうか。衝動で人を殺す。車で人を跳ねる。それを隠すこと、そこから逃げること。私はどんな行動を取るだろうか。

 公式サイト「休暇」



最新の画像もっと見る