■1979年 アメリカ 123分
■原題「The Champ」
■2006.7.14 BS2
■監督 フランコ・ゼフィレッリ
■出演 ジョン・ヴォイト(ビリー) フェイ・ダナウェイ(アニ) リッキー・シュローダー(T.J) ジャック・ウォーデン(ジャッキー) アーサー・ヒル(マイク)
《story》
「失われた愛のために
リキー坊やのために
チャンプは再び闘った」
元プロボクシングのチャンピオンだったビリー。彼は、今は、息子のT.Jとの二人暮らし。競馬場で馬小屋の係の仕事をしていた。ギャンブル好きで家計は苦しく、いつか再びリングに上がり、息子が幸せな生活が送れることを願っていた。息子のT.Jもそんな父を慕い、彼のことを「チャンプ」と呼んでいた。あるとき、ギャンブルで大金が手に入り、ビリーは息子に馬をプレゼントする。その馬が疾走する日、元の妻が息子の前に現れた。息子には、母は死んだと言ってあった。
ギャンブルをやめられないビリーは、ある夜、大負けして、馬を替わりに捕られてしまう。謝金は、元の妻のアニーに借りて何とか返したものの、このままでは息子に何もしてやれないと思ったビリーは、ボクシングに復帰することを決意した。ビリーは37才、10才以上も離れた若いボクサーと試合をすることになった。
◎懐かしい映画だ。昔一度見たことがある。T.Jの演技に感心したものだった。何か賞を取ったみたいだが、これ以後あまりぱっとしないみたいだ。何となく、ジョン・ボイドとフェイ・ダナウェイは、合わない感じがした。以前もそう思った。それは、見た目だけでなく、話の中での二人の関係を語っていたのかもしれない。野性的な世界を生きるビリーと華やかな世界を生きるアニー、別れていくのは自然なことだったのだろう。ビリーは試合に勝った。息子にプライドを示すことができた。でも、命を落とすことになった。この後はどうなるのだろうか。たぶん、母のアニーと暮らすのだろうけど、野生的な父と生活してきたT.Jが、華やかな生活の母とうまく生きていけるのだろうか。T.Jの未来は前途多難なものになるだろう。何がT.Jにとって幸せなだったのか、自分の気持ちしか考えてこなかった大人が、あらためて考えなくてはいけないのかもしれない。