薬剤師は引き算をすべきだと思う

2024年02月06日 23時35分34秒 | 意見・物申す
世間的に見れば私は大した薬剤師ではないけど、せめて薬の引き算はしたいと思います。
簡単に言えば、いらないと思う薬を止めてもらう作業。

何となくだけど医師は足し算は好きだけど、引き算は苦手だと思うわけです。
ずっと同じ患者を診ていればそうでもないのですが異動などがあった場合、前医の患者を引き継ぎます。
そうなるとかなりの確率で前医が出した薬を出すのですが、自分の色をつける医師もいるので薬を追加したりして
必然と雪だるま式に薬が増えていく…そういう構図が出来上がっています。

それが必要な薬だったら良いのですが、患者に「この薬なんで飲んでるの?」って聞いても
答えられない人がかなりいます。むしろ「ずっと飲んでるから」なんて答えも。

今日はそんな感じの話がありました。
認知症の患者なのですが、認知症の薬を続ける必要があるのか?というもの。

私は何度も書いてますが、認知症の薬って下りエスカレーターを抗うものだと思っています。

逆走して現状維持が精々で、いつかは力尽きて下に落ちてしまうわけです。

今日の患者はどちらかと言えば、もう下に落ち切った患者。
声をかけしても軽く反応してくれるだけで、もう認知症の治療どうこうじゃないのです。
担当医にそういった事情を説明して、薬をもう辞めません?って聞いたのですが
返ってきた答えは“前の先生がずっと出してたから…”そういう感じ。

まあ担当医の気持ちも何となくわかります。
医者ってどうも医者同士の衝突を避ける傾向があって、よっぽどじゃなければ
前医の方針に乗っかったうえでの自分の方針を示していく感じです。

ただ今回は明らかに患者の利益でもないし、むしろうちの職場で採用していない薬を
外部から仕入れて使ってた状態だったんで何とか中止してもらいました。

けれども私のこういった仕事が正しいのかはか正直微妙だったりします。
患者や家族からすれば、ひょっとすると継続して欲しかったと希望があるかも知れないからです。
なんでも薬の量が減る=見放されるというイメージがあるようで
医師とのつながりの1つとして薬を続ける…そんな考え方もあるようです。

私個人としては、高齢者に不要な薬を続けるのもな?ましてや数十種類も!
という一応の信念はあるので、可能な限り引き算を続けていければと思っています。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 災害確認をする | トップ | トイレの使い方 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

意見・物申す」カテゴリの最新記事