クラウン・タマのぶろぐ

タマが日常思ったことをサラサラと書き綴っていきます。
みんな気兼ねなく書き込んでください。

チョウとスイセン

2021-01-17 10:06:33 | Weblog
昆虫博士の奥本大三郎さんは、子どもの頃何度も夜更かしを試みた。チョウの羽化を見届けるためだが、眠りの誘惑には勝てない。少年が目覚める頃には飼育箱の中でバタバタ・・・薄い皮膜に守られながら、羽は人知れず形作られている。
羽化の神秘を見逃した悔しさを忘れ、明け方飼育箱を覗き込む少年の姿を想像してみる。
 53万人を超える受験生にとっても、今は羽化を待つ忍耐の時間だろう。新方式のテストをめぐる混乱が続き、試験会場ではマスク着用が義務付けられ、深呼吸すらままならない。学び方も働き方もこれまでの常識はもう通じない。
 
今日は1月17日。ある被災者の話が載っていた「崩壊した家の跡に、スイセンが一束供えてあった。小さな白い花が、残された人の悲しみを伝えるように揺れていた。」 「実家の戸口前に一輪のスイセン。牛乳瓶に生けてどなたかが置いてくれていた。」等、スイセンに感じる当時の人々の想いが伝わってくる。

今年は、羽化を待つチョウたちも、街角のスイセンのつぼみも受験生に重なって仕方ない。
ささやかなエールを送りたい。曙の一線は深い闇を抜けた先にある。「踏ん張れ!受験生!」


最新の画像もっと見る

コメントを投稿