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蛇皮二題『悪魔の貞操』 『茶烟亭燈逸伝』

2008年11月26日 00時58分01秒 | Weblog
書物展望社の特装本の中で小部数ですが蛇皮を使用した書物があります。今回はそれを取り上げたいと思います。

最初は女流詩人の中原綾子(あやこ)の『悪魔の貞操』。この特装本に背に海蛇の皮を使用しております。中原綾子は長崎に生を受け1918年(大正7年)、与謝野晶子に師事し第二期「明星」で活躍、1929年(昭和4年)には吉井勇主宰の「相聞」(後の「スバル」)に参加。1935年(昭和10年)10月10日、十並びの日に書物展望社から『悪魔の貞操』を刊行しました。本当ならダミアンの如く「666」のはずでしたけども、間に合わず。『悪魔の貞操』から詩を一つ紹介します。

「貞 操」

神さまにさへ 許さない
おん身
悪魔の
貞操

中原綾子この時、37歳。
斎藤昌三の蛇皮を使用した装訂、今回は成功したようです。



『悪魔の貞操』中原綾子 1935年(昭和10年)10月10日 
特製50部 背海蛇皮 


岩佐東一郎の『茶烟亭燈逸伝』は普通の蛇皮を使用。

梅の花
 かぎて欠伸を
  したりけり

の句と署名のある特装蛇皮50部本を紹介します。



『茶烟亭燈逸伝』岩佐東一郎 昭和14年2月18日 
700部限定のうち特装50部 背皮装 句署名入
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