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台湾の原住民デー

2009年08月07日 20時44分02秒 | 文化

8月には先住民に関する記念日があるのをご存知でしょうか。89は、国連によって「国際世界先住民デー(International Day of World's Indigenous People)」とされています。そして台湾にはもうひとつ、台湾の先住民である原住民族の記念日「原住民日」が81にあります。

原住民、というのは、日本語ではちょっと差別的なニュアンスの言葉ですが、台湾では「元から住んでいた人々」という意味で肯定的に使われます。漢民族が台湾に移住してくる前から住んでいた原住民族は、戦後は「山胞」と呼ばれていました。しかし、それを差別的だと感じた原住民族の人たちは、1984年より「原住民」という呼び方に改めるよう運動を開始、10年間かかって、199481日に、憲法上での表記を「原住民」に改めることに成功しました。それを記念して、2005年から、81日は「原住民デー(原住民日)」とされています。

81には毎年、各地で原住民族にスポットを当てたイベントが行われます。台北市では広々とした緑の公園、大安森林公園で「山と海の対話 故郷の声・都市の心」という音楽会が開かれました。(上の写真はフィナーレのようす。中央は郝龍斌・台北市長)客席は音楽会開始前から満席になる大盛況で、星空の下、原住民音楽を楽しみながら、原住民の記念日を祝いました。

台北市原住民少年児童合唱団は、都市で初めて結成された原住民児童合唱団で、12年の歴史があります。団員は小学生から高校生まで、原住民族だけでなく、漢民族の子供たちも参加しています。現在の台湾では、都市に居住する原住民が年々増えており、都市で育つ原住民族の子供たちは自分の民族の言葉も文化も、あまり知る機会がありません。台北という大都会で活動しているこの合唱団は、そういった原住民族の子供たちに原住民文化に触れる機会を作り、原住民としての誇りとアイデンティティを確立する助けになるほか、漢民族の子供たちが台湾の多様な文化を理解するきっかけともなります。原住民族と漢民族の子供たちが小さい頃から音楽を通じて交流することで、多民族社会である台湾でそれぞれの民族が理解しあい、融和していく未来を作っていける。そんな明るい希望を見せてもらったような夜でした。(尾)

87日(金)の番組「文化の台湾」では、原住民デーと台北市原住民少年児童合唱団をご紹介しています。

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の日本語放送は毎日1時間放送です。「文化の台湾」は20分後に始まります。



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