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88水災全国追悼大会がしめやかに挙行

2009年09月08日 15時42分43秒 | 台湾ニュース

 台風8号による被害発生からちょうど一ヶ月となった昨日9月7日、南部の高雄市内・高雄アリーナで、「88水災全国追悼大会」がしめやかに執り行なわれた。
 同追悼式は、馬英九・総統が実行委員会の主任委員を、蕭萬長・副総統および五院の各院長が副主任委員をつとめ、各県市長や与野党関係者らも顔を揃えた。一般からは、宗教団体など各方面からの代表者および、遺族や被災者の代表らが招待され参加、総勢およそ5000人が、今回の台風被害によって亡くなった人々に祈りをささげた。

 追悼式は午前10時、国家交響楽団による演奏で幕を開け、「美麗島」などの組曲合唱に続き、一分間あまりの黙祷がささげられた。
 続いて登壇した馬英九・総統は、祭壇に深く一礼し献花した後、およそ10分間に渡り、哀悼の辞を述べた。



祭壇に深々と頭を下げる馬英九・総統


 馬英九・総統は、「無辜の犠牲者同胞達の事を思うと、自分の家族を失ったような深い悲しみと自責の念で胸がいっぱいになる」と心境を表し、政府は今回の水災がもたらした全ての被害に責任を負い、過去にすべきでありながら出来ていなかった事に対しては深く検討を進め徹底的な改善を行う、と強く誓った。

沈痛な面持ちで哀悼の辞を述べる馬英九・総統


 馬英九・総統は最後に、「犠牲者のみなさん、どうか安らかにお眠りください。そしてこれからも、この土地を護り、被害を受けた同胞たちが再び立ちあがれるよう、力をお貸しください」と呼びかけ、被災者と被災地の復興に政府は最大限の力を尽くす事を誓い、演説を締めくくった。災害対応への責任を重く受け止め、被災者の心に寄り添いながら全力で再建に当たる、そうした確固たる決意を感じさせる挨拶だった。
 しかし一方で、これは8月18日に総統府で行われた謝罪会見の時もそうだったのだが、殉職した救助関係者らの事例や政府の被災復興対応の成果を細かい数字と共にかなりの時間を割いて列挙するなど、ややもすると言い訳がましく、また突き放しているように聞こえる印象も受けた。真面目で、大衆受けするようなラッピングを施さない馬英九・総統の誠実さの表れなのかも知れないが。
 また、会場のほとんどは宗教関係者や慈善団体の代表らで埋め尽くされ、犠牲者の遺族や被災者の姿が少なく見えた事、セキュリティー上の配慮からなのだろうが、一般参列者への開放がなかった事は、残念と言えば残念だった。



前列中央付近に、政府関係者および遺族・被災者代表ら

 しかし肝心なのは、まさに馬英九・総統の挨拶にあったように、犠牲者を弔う心と再建への揺るぎない決意、そして、政府としての謙虚な反省と今後の改善だろう。
 この追悼式典を一つの節目として、という意味なのだろうか、同日午後には、内閣総辞職が電撃的に発表された。
 同じ悲劇を二度と繰り替えさないためにも、政府や地方自治体、そして国民一人一人が、今回の88水災から得た教訓を胸に、明日に向かって歩いていく事を心から期待し、そして応援していきたいと思う。 (華)



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