Me&Night&Music…JAZZとお酒で素敵な夜を…

ジャズ&ブルースシンガーのローズが、好きなお酒と音楽について気ままに語ります。独断と偏見に満ちたウンチクも満載!

Just Friends

2007-08-29 23:49:11 | Weblog
“Just Friends”…ただの友達…
「友達に戻ろうよ」って、別れを切り出された経験のある人には
ドキっとするタイトルですよね。


「ただの友達… もう恋人じゃないのね
 ただの友達… でも、恋人になる前とは違う

 今までの二人のことを考えると
 二度とキスしないなんて ウソっぽいわ
 終わってなんか いない

 友達の二人は 離れていくのね
 二人は友達… でも 一方の心は張り裂けて…
  
 私達は 愛し合い 共に笑い 泣いたわ
 そして突然 恋は終わってしまった
 この物語は終わり 私達はただの友達… 」


洋の東西を問わず、あるんですね~、こんな別れ方。
この曲が書かれたのが’31年ですから、時代も問わず、ですね。
きっと、別れを切り出した方は、泥仕合にならず、うまく別れたって
思ってるんでしょうが、どっこい、相手がオトナだっただけ。
心が引き裂かれていても、笑顔で握手なんかしちゃったんでしょう…
泣き叫ぶより、切ないよね。

かつて恋人だったのに、友達になんか戻れるはずがない!
相手への想いが強けりゃ強いほど、そう思いますよね。

でもね… どうあがいても、相手の心を取り戻せそうにないのなら、
カッコつけて、背筋伸ばして、最後のハグぐらいして、振り向かずに
立ち去ってやろうじゃないの。
相手にこの胸の痛みをわからせてやりたいって悔しさも、ぐっとこらえて。

そうすると、ほんとに、素敵な友達になれたりします。
もちろん、すぐには無理よ。5年も10年もかかるかもしれない。
でも、長い年月の後に再会した時、相手には、貴方の振り向かずに行った
姿のカッコ良さが、しっかり記憶に残ってるの。
貴方自身も、胸張って「どう、元気?」って言えるのよ。
相手が後悔して、もういっぺん付き合おうなんて言い出したら、
「友達なら、もう二度と別れなくていいじゃない?」と、
艶然と微笑んでやりましょ。あ~、いい気分。
相手も、それ相当のオトナになってたら、男と女の友情が成立いたします。


さて、そんな切ない曲ですが、様々に演奏されています。
歌詞の内容を正直に表現するには、スローかミディアムのバラードです。
そういう意味では、チェット・ベイカーとか、へレン・メリル。
でも、哀しみを生きるパワーに変えていくのも、ジャズならでは。
これなら、サラ・ヴォーンにお任せ。アップ・スウィングで、スキャットも
まじえてぐんぐん飛ばします。
インストゥル・メンタルなら、やっぱり、チャーリー・パーカーでしょ。

どんなにカッコつけて別れたって、ヤケ酒ぐらい飲みたいよね。
こんな時は、安酒は禁物! よけいみじめになるし、悪酔いもします。
高級バーボンとか、シングルモルトのスコッチを、バーカウンターで。
「あのバカヤロー!!」って叫ぶのは、おうちに帰ってから、ね。