原題: THE WAY
監督: エミリオ・エステヴェス
出演: マーティン・シーン 、デボラ・カーラ・アンガー 、ジェームズ・ネスビット 、ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン
観賞劇場: ヒューマントラストシネマ有楽町
公式サイトはこちら。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路 wiki
公開日に行って来ました。 エミリオ・エステヴェス監督ってことで気になってましたし。
巡礼もののロード・ムービーと聞いて真っ先に思い浮かんだのは、『サン・ジャックへの道』(旧ブログに飛びます)。 同じくフランスからスペインの西の果て、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまで1500kmにも及ぶ巡礼路を歩く話ではあるんですが、あちらはフランス製作ということもあってシュールに作ってあります。 それに比べると本作の方が設定自体が非常にピュアで真直ぐ直球勝負といったところでしょうか。
巡礼などというものとは全く縁がなかったアメリカの眼科医・トムが、突然巡礼中にピレネー山脈で亡くなった息子の遺志を継ぐかのようにそのまま巡礼に参加するという筋書きはいささか極端かなと思いつつも、子に先立たれた親として、何かに突き動かされるような感覚でそのまま物事を進めることもよくあることだし、その志こそが本作の柱になっている。
人が巡礼をする目的とは何だろう?
昔は宗教的に救済を求めたりすることがほとんどだったのかもしれないけど、今は精神的な支柱を探したりするために参加する人は多いのだろう。 健康上の理由というのもあるし。 本作の巡礼メンバー4人ともが、それまでの自分を振り切りたくて巡礼に参加している。
人それぞれの巡礼の動機なだけにそこに立ち入られたくないというのも当然のことだと思う。
巡礼の場合は道が同じなのでどうしてもペースが似ていると同じ人と出会う可能性もあるから、「旅は道連れ世は情け」的な展開も多いのかもしれません。 その彼らに心を許すことはすぐにはできないし、興味本位で訊きだそうとするなら尚更だが、同じ道を歩いた仲間だからこそ分かち合えるものが生まれていく。
単になれ合いでも、お気に入りでもない、旅を共にした仲間だからこそ共有できる達成感と相手への思いやり。 トムの、自分の独りよがりだけでいいと閉ざしていた心は乗り越えるまでが苦しいが、仲間の存在が支えになっていると実感した時から次第に開かれていく。 頑なな彼の姿勢が、息子と同世代の仲間によって、また旅先で出会った人たちによってほぐされていく。
亡くなった息子の役に自身を当てはめちゃう監督のアイデアもすごいんですが(笑)、しかしまあよくこれマーティン・シーンが主役やったと思いました。 巡礼なのでとてつもなく歩きますし、ほぼ山登りだから体力的に条件がないと出来ないですね。 親父なら大丈夫だろうということでエミリオはオファーしたんだと思うんですけど。
マーティンに限らず他の出演者たちも(もちろん監督のエミリオもですが)トレーニングを積まないといけなかったでしょうし、大変だったと思いますが皆さん好演でした。
体格のいいヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲンは、『ドラゴン・タトゥーの女』(ハリウッド版)ではあの悪党ビュルマンだったんですね。今回はそれとは打って変わって全く違った気のいいオランダ人役なのでホッとしたり。
巡礼路の風景が美しい。 風と星の交差するところ、行ってみたいと思わせるには十分でした。
★★★★ 4/5点
でも人相変わってしまってびっくりしました。
日本だと四国のお遍路さんが有名ですよね。
あの感覚に近いのかもしれません。 何かを変えたい、忘れたいという時に人は時間が欲しくなるんだと思いました。
☆4個なんですね。気になるわ~。
エミリオ人相変わってたの?それは、ショックだわ~(汗)
>エミリオ人相変わってたの?それは、ショックだわ~(汗)
ええ、あのー、太って・・(ry
その青春を
息子のメガホンによってプレゼントされた
そんな感じの映画でした。
とてもうらやましい父子関係でした。
エミリオ・エステヴェスって久々な気がする。
最近は監督もなさっているのですね。
演技で共演はよくある話かもしれませんが、こうして監督と俳優という関係のコラボもまた、観ていて楽しいです。
初めて彼を見たのは『セント・エルモズ・ファイヤー』でした。
年取ったなあ。自分もですが(笑)