ROLFING(ロルフィング) ~ 身体とつながるために

公式認定ロルファー田畑浩良が,Rolfing(ロルフィング)プラクティスを中心に紹介します。

2022年07月15日 | Weblog

身体を統合 ( Integration )するとはどういうことですか?

2005年03月07日 | ロルフィングについての質問
Integrationは,統合という意味ですが,調整という意味やカイロプラクティックでは同調させるというニュアンスも含まれるそうです。Rolfingの柱となるのは,Tissue differentiation(組織の個別化)とMovement Education(身体への動きの教育)の二つです。まず,身体のパーツがそれぞれ個別に自由に動くように,柔軟な結合組織に働きかけ,次にそれらが,つながりのあるノーマルな動きを入力していきます。自由度を向上させるために揉みほぐしたとしても,それぞれのパーツの全体においてあるべき位置,つまり重力との関係性を念頭に置いてのワークでなければ,効果は一時的となってしまいます。慢性的な緊張が生じている場所は,そこに問題があるというよりはむしろ他のパーツとの兼ね合いでその状態にならざるを得ないのです。Rolfingでは,単に筋膜をマッサージするわけではなく,身体が重力と闘わない調和された状態になることを妨げている”制限”を開放させていきます。統合には完結するタイミングがありますが,全体を見渡したときに,依然として影響を及ぼしている制限が取り残されていると,セッションのシリーズが完結しても問題が解決しないことになってしまいます。Advanced Rolfingの存在意義がここにあります。
また,Tissue differentiationの程度が,一律に低かったり,ばらつきがあって,自由度もあまり得られていない段階で完結すると,最終的にレベルの低い統合状態になってしまうでしょう。つまり,高度な統合状態のためには,Tissue differentiationが表層から深部にかけ,すみずみにまでいきわたっていていること,それを統合し完結する前に達成する必要があります。統合の前に,総合的に見渡す洞察が求められます。自由度が得られた状態で終えたとしても,身体にはそれ自身に調整する能力がありますから,ある程度は外から介入がなくても自律的に統合されます。しかし,ここでだめ押しで,よりマクロ的な視点から,パーツ同士が全体として機能的に動くためのMovement Educationを積極的にインプットすることで,受け手がよりエネルギーの浪費のない状態と動きを体得することになり,持続的にバランスを維持していくことにもつながっていくのです。
一連の過程を通して,身体がより機能する,”有機的”な存在への移行するのを”統合”といってもいいかもしれません。

Rolfer(ロルファー)という仕事 その3

2005年02月09日 | ロルファー
ロルファーとして認定された後,実際すぐ仕事として軌道に乗るかというと,なかなかむづかしいです。Rolfingという言葉を知っている人は,周りにほとんどいないし,うまくそれを説明できたとしても,それなりの結果ががついていかなければ,10回受けようという気にならないでしょう。クライアントが,ある程度コンスタントにくるようになるまでには,平均3年ともいわれています。アドバンスクラスで一緒になったPhysical therapistでもあるクラスメートは,10年立ち上げにかかったといっていました。その間,奥さんに支えてもらったといっています。どうみてもかなり腕がいい彼でしたが,彼ですらそういうこともあるのかと考えさせられました。
この仕事は,もちろんビジネスの側面もあるけれど,スピリチュアルな側面もすごく強いところがあります。実際の腕とは別に,自分自身と自分のワークに対する価値を自分がどれだけ認めているか?とか,自分が学び吸収する時期にいるとき,などがクライアントの数に影響します。自分が大きく変わる節目となるトレーニングに参加した後,クライアントの層が変わることもあります。自分のワークと料金のバランスを考え,値上げしたときも,クライアント層が興味深く変わります。
内面の葛藤が大きすぎると,ワークへの集中は難しくなるので,その場合は,もっとクライアントと向き合うことが自分に求められているのかもしれません。こうした内面の状態に実際の生活が直接的に影響するので,スリル満点です。
どうやってクライアントを呼ぶか?一番確かな方法は,”work of mouth(口コミ)”といわれています。受けてもらった人の体験が,次につながるわけで,結局は地道にやる以外に道はないようです。

Rolfingは痛くないと効かないの?

2005年02月01日 | ロルフィングについての質問
 確かに古典的なRolfing (R)はかなり痛みを伴うものが主流だったようです。アドバンストロルフィングインストラクターのJan Saltunは,かつてのアプローチをダブルダイレクトと表現しています。組織の反応性を考慮することなく,変化を強要するこの種のアプローチは,柔軟結合組織に部分的なよじれや歪みをかえって生じさせ,過剰なストレスを生むことになります。ロルファーによってもハードタッチなスタイルの人もいるし,受け手の身体の状態によっても異なります。しかし,少なくとも現在のRolf Instituteのカリキュラムでは,受け手の組織や神経系の反応性を重視していますので,痛みを強要することはありません。したがって,プラクティショナーが,トレーニングの内容を正しく理解し,実践している限り,受け手であるあなたのフィードバック(強すぎる,とか,痛い等の)は,尊重されるはずです。ですから,圧力が強すぎたり,セッション中に痛みや不快を感じた場合は,躊躇せず,必ずロルファーに知らせて下さい。圧力や速度を調節しますし,我慢は禁物です。そうした,上下関係ではなく,対等な関係こそが,受け手にとってのセルフケアの第一歩ですし,ロルフィングのプロセスにとって重要なのです。本当に感じていることをフィードバックしてくれるからこそ,ロルファーも受け手を信頼し,思い切ったワークが可能になるのです。私は場所と必要に応じて,痛いとまではいかないが,ぎりぎりの線でワークすることもあります。その場合受け手の状態をモニターしながら進めますが,やはりフィードバックすべきときには,してほしいのです。

では,痛くないからといって,効果がその分減ってしまうことはないのか?もちろん十分な圧力はときに必要ですが,むしろ,私の経験では,痛みが強いと,身体が抵抗するモードに切り替わって,さまざまな場所に緊張度を上げてしまう等弊害も多く,痛みを伴なわない方が効率的に変化を引き出せるようです。抵抗を大きく感じる箇所に執着するより,別の受け入れ可能な箇所からアプローチすると,それが望ましい準備になることも多々あります。まず,組織の反応性に逆らわなければ,強烈な痛みが起きることは,めったにありません(関節炎など特別な疾患をかかえている場合など例外はあります)。制限の程度により,深く圧力を加える必要がある場合もありますが,クライアントの方とコミュニケートしながら,慎重に進めます。実際にIntention(起こしうる変化とその場所を明確に捉える)さえしっかりしていれば,Gentleなタッチで変化が確実に起きるという事実は,ロルフィング前後の写真が示す通りです。ただし,セッション後に起る身体変化に続く様々な変化は,とてもDrasticなため,それを受け入れる準備と適応する余力のエネルギーが必要です。ですから,セッション中の痛みで消耗し,感覚を麻痺させるのは無意味です。信じがたいことに,身体に痛みをわざわざ想起させ,心理的ものと結びつけるたぐいのワークショップもあるそうですが,それは,身体の精妙なシステムを考慮しない,サディスティックな行為にしか思えません。


受け手によっては,かなりの物理的な圧力を加えて,痛みが少し伴うくらいでないと物足りないという方もいます。私(田畑)はそういう要望には答える気もありませんし,痛すぎるワークは統合する本質とはなんの関係もないものどころか,むしろマイナスに働く危険性もあります。ただし,セッション直後,変化したバランスをとるために,一過的に痛みを感じることがあります。永年持っていた偏頭痛などの痛みが一過的に蘇ることもまれにあるようです。

痛みは,変化にとって必須ではないというのが私のスタンスです。

ロルフィングに痛みはつきものといった偏見が,ロルフィングに興味をもった人が,受ける機会を逃してしまったとしたら,それは残念なことです。その情報が,”使える生きたもの”で,信頼性があるかどうか?を見極めることも大切です。

Massage Magazineには以下のようなコメントが載っています。

 Today the Rolfing method is practiced more effectively with a broad range of gentle touch qualities and pressures that span a spectrum from feather-light to very deep. When performed with the right sensitivity, even deep and heavy pressure need not painful.                  (Russell Stolzoff, Massage Magazine, Nov/Dec, pp 34, 1997

また,以下The Rolf Instituteの公式ページからの引用です。

Q; DOES ROLFING HURT?

A; When most people think of Rolfing, one of the first words that come to their mind is pain. Often, this perception is based on anecdotal accounts of sessions performed during Rolfing's infancy, when it tended to be often a less subtle and more intense discipline, frequently linked to popular emotionally intense types of therapies in the late 1960's and early 70's. Part of this reputation can be attributed to an often-quoted complaint of Dr. Rolf during her training classes that her students failed to work deep enough. Apparently, many assumed that what she meant was that they needed to work harder and deeper. However, we now realize that deep work is not necessarily synonymous with physical intensity.
(以下文章が続きますが,http://www.rolf.org/about/faq/q6.htmを参照ください)



2005年現在,日本で活躍する公式認定ロルファーも30名となりました。ロルフィングは”深部マッサージ”という適切でない表現もなされていました。現在多くの公式認定ロルファーによる情報が発信される機会も増え,Rolfingという”巨大な象”を多面的に捉える機会が増えているのは喜ばしいことです。

Rolfingへの偏見と問題

2005年01月24日 | ロルフィング
かつてよく言われたことですが,Rolfingは,痛い,という評判がありました。しかし,それは過去のこととなりつつあります。なぜなら,痛みは,身体の統合には,必ずしも必要なものではないことがわかってきたからです。The Rolf Instituteのカリキュラムは,よりMovement的アプローチの導入そして,受け手の組織の反応性を重視する内容となってきています。実際に,痛みを伴わないワークによっても,身体は構造的統合を達成し,しかもその効果は持続性があることがわかっています。セッション自体が,安全に行われるように,マッサージテーブル上の無防備なクライアントに対して与える言動にも注意を払うように指導されます。心理的に介入したり,それを扱うのは,セラピーとなったり医療化してしまうことになり,クライアントに対するスピリチュアル アビューズ(霊的或いは精神的虐待)となる危険性が極めて高いからです。セッションが成功するには,クライアントが安全だと感じる空間を提供することと,いつでも与えている圧力やタッチが適切でない場合,それをフィードバックできる環境があるかどうかが,とても重要です。それは,ラポール(信頼関係)を築く,基盤ともなります。The Rolf Insittuteのカリキュラムは,これまでのさまざまな蓄積を生かし,それが生徒へ還元されています。ですから,生徒が正しくその内容を理解しているならば,Rolfingは,安全に不必要な痛みを伴わずに,受け手の身体を統合へと導くことが可能なのです。スクリーミングが聞こえるような,invasiveでpainfulなワークは,もはや過去のものです。
 ただ,ロルファーによって,Touchがハードな場合,身体の場所によって過敏に痛みを感じる場合もあります。そのような場合でも,ラポールが築かれた上で,身体が過度に痛みによって新たな緊張を生み出すような危険がないのであれば,それはそれでOKだと考えられます。
それ以外の場合,痛みは,プラクティショナーが組織の反応性を尊重しない,或いは感じ取れない”未熟な技術”から生まれます。
ですから,Rolfingが痛いものであるというのは,偏見です。そして,その偏見を生むようなワークが過去なされたことも事実です。ロルファーは,認定後も各種継続教育や,Basic 10の経験を積むことでTouchのクオリティを含むスキルを向上させていくことが可能です。

The Rolf Institute以外にもすぐれたトレーニングを提供している団体は存在しています。一方,短期の痛い?ロルフィング??の講習を受け,ロルファーでない”治療家”と称する一人の人物が,ロルフィングと心理療法というような内容のワークショップを開いていたこともあります。一度抗議したことがありますが,まず,その人のHP内で,”アイダロルフは小児科医だった”という記述(勿論なんの根拠もない嘘)を訂正しないことに加え,脅しめいた手紙を送ってきたことがあります。全くひどい例です。そのワークショップに出てしまった方々に返金すべきだと思います。
また,過去にRolfingを受けましたというクライアントがいらっしゃることがありますが,その中には,そのワークがRolfer以外からなされた,というケースも少なくはない。クライアントがそう認識しているということは,明らかにRolfingの商標権の侵害にあたるものです。Rolfer以外にもしっかりトレーニングや経験を積んで,それぞれの各種Structural Integrationをしている方がほとんどだと思います。
ただ,恐らくこれは,特定の一人のワーカーに当てはまるのですが,Rolfing(R)は,各種あるStructural Integrationsの一つなのに,まず,"Structural Integration"を自分の団体だけのものだと勘違いしているふしがあり,さらにどうしてもRolfing(R)とStructural Integrationを同じものとしたくてしょうがない方がいます。でも,米国で1979年に登録商標となったことは,とうにご存じだったはずだし,遅かれ早かれ日本でもそうなることは予想できたはずです。ワークにもご自分で自信があったし,正直実際いいワークもされていることは想像できるのですが,たぶん,ずっと自分のワークをRolfingと同じだという説明をそれまで多くの人たちにしてしまったことが,私はまずかった点だと思うんですよ。それをごまかすために策略するのは無駄な努力だと思います。これはその人たちだけの問題ではなく,過去ロルフィングの研修を開いたロルファーが,商標権への使用同意書の提出とそれに関わるメンバーシップの会費を毎年払っているにも関わらず,Rolfingという言葉の使用についてきちんとした説明のないまま,何の知識もない人たちに対して講習してしまったことにも原因があります。

Structural Integrationを教える学校は複数ある

2005年01月21日 | Weblog
Structural Integrationを教えている団体を示します。これは,雑誌Structural Integration,Journal of the Rolf Institute,September 2002,pp38著者Jeffrey Burchからの引用です。

” The Rolf Institute以外で,Structural Integraiton を教えるところは,いくつかのメジャーな学校と,たくさんのマイナーな学校が存在する。その中に,The Aston Patterning Institute, The Hellerwork Institute, The Guild for Structural Integration, The Soma Institute, Kinesis-Myers Inc., The Postural Integration Institute, そして,The Utah School of Massageが含まれる。いくつかの学校は,それぞれユニークさを強調しつつ発展し,The Rolf Instituteによって認可されるというロルフ博士の願いをたどることなく,独自に設立された過程を経て,彼女が言い表した望みを実行している。”

以上,学校の名称は,記述にあるまま掲載しましたが,現在の正式名称が変わったいるところもあります。
上記以外の学校の最新情報は,以下をご参照ください。

http://siresources.homestead.com/Schools.html


アドバンスト ロルフィングは,Basic10シリーズとどう違いますか?

2004年12月01日 | ロルフィング
基本的には,最初にロルフィングを受ける場合は,基本10シリーズを受けることをお薦めします。その後にさらに深いレベルに働きかけ,さらなる統合状態を追究するのが,アドバンストシリーズです。基本10シリーズ後に再調整するPost 10セッションの意味とは考え方が異なります。これを行うアドバンスト ロルファーは,ロルフィングを最低3年実践し,継続教育の単位(CE credit)を取得できるワークショップに参加し,必要単位数を満たした上で,アドバンストトレーニングに参加,修了したロルファーのことです。それまでの10シリーズの積み重ねから,その時受け手の身体がどんな変化を求めているかを把握し,制限部位特異的に働きかけることもしていきます(制限部位特異的なアプローチはBasic 10の場合はほとんど用いられません)。アドバンストロルファーの多くは,基本10シリーズの流れに沿ってロルフィングすることもしますが,むしろ受け手に応じて,オーダーメイドな組み立てをしていきます。
基本10シリーズは,それ自体完成された系ですので,これを受けることには大きな意味があります。焦って効率性を求めるあまり,少ない回数でアドバンスシリーズでまとめるより,丁寧に基本10シリーズを受け,そのプロセスの中で身体の変化を見守るのも長い人生の中で1度くらいあってもいいような気がします。ただ,優れたロルファーから受けるアドバンストセッションは,時に大きな変容を伴う印象深いセッションもあります。特にアドバンストセッションは,ロルファー側のスキルが大きく影響するのは確かです。スキルのあまいアドバンストセッションよりも,丁寧にワークしてくれる公認ロルファーからの基本10シリーズの方が間違いなくすばらしい体験になるでしょう。

RolfingとStructural Integrationの関係は? (その1)

2004年11月28日 | ロルフィング
Structural Integrationというのは,アイダロルフ博士の考えを基盤に考えられた身体の構造に焦点を当てたワークの一般総称です。その中にもいくつかの種類が存在します。
ロルフ博士が,自分の確立した技法に対して最初に付けた名称が,Structural Integrationですが,現在では,The Rolf Institute of Structural Integrationとは無関係に独自にロルファーがStructural Integrationを教え初め,それぞれの団体が,独自の名称をつけて教えています。例として,Heller workやKinesis Myofascial Integration などがあります。Rolfingとは,米国Rolf Instituteが公式認定したRolfing practitionerが行う,Structural Integrationのことで,正式名称はRolfing Structural Integrationです。Rolfingは,登録商標化され,他の団体のpractitionerが行うワークと差別化され,法的にも保護されています。つまり,Rolfingという名称を使うことが許されているのはロルファーだけということになります。
 問題となるのは,公式認定ロルファーが築いてきたRolfingに対する信用度を利用して,紛らわしい宣伝をする行為,つまり商標権の侵害です。これは,明らかに違法行為ですし,正規のRolfingをこれから多くの時間とお金をかけて習得しようとするロルファー候補生や,新しいロルファーがクライアントを立ち上げる支障や雑音になる可能性も高く,厳しく監視されるべき問題です。本部であるThe Rolf Instituteでは,膨大な時間とエネルギーを割いて,商標権の保護に努めています。例えば,ロルファー以外のプラクティショナーのサイトのメタタグに,Rolfingという言葉が入力されていれば,訂正を求める勧告を逐一出し,従わない場合は,訴訟手段に訴えることが行われてきました。ここ日本においても,公式認定ロルファー以外のプラクティショナーからワークを受けた方が,自分はRolfingを受けたことがあると名言するケースを非常に多く耳にします。それは,明らかにそのプラクティショナーが,商標権を侵害して,正しい説明や宣伝をしていない証拠です。これは,プラクティショナーの品性や倫理が問われる問題です。ロルファーとしての生き方がいわばそのワークそのものに反映します。紛らわしい説明をするような人間に対して,受け手は身体を預け,信頼できるでしょうか?自分のワークに対する誇りと人間としての品性があれば,出身校のワーク名をそのまま名乗り,そのワークの名称と自分の名前だけを看板に仕事をするはずではないでしょうか?幸い,日本にも公式認定ロルファーによって構成されるロルフィング協会が設立されました。協会の業務の一つに,Rolfing(呼称=ロルフィング)の商標権の管理があります。これにより,必要に応じて,適切な表現がなされていない場合に対する勧告や訴訟を協会が担うこととなります。適切な監視がなされることは,今後の日本でのRolfingの発展に大きなプラスになると期待しています。

あなたが,日本でRolfing(ロルフィング)を受けたいのであれば,以下のRolf Instituteの公式サイトのリストに載っているロルファーにコンタクトしてみてください。

Rolfing practitioner(ロルファー)のリスト(日本)
PS. 上記の記述は,Rolfing以外のStructural Integrationを否定しているわけではありません。簡単にいうと,他人のフンドシを利用する姿勢にもかかわらず,意味不明の大義名分を振りかざして,開き直る行為自体が情けないと思うし,後々後悔することになるからです。

ロルファーを選ぶ その1

2004年11月28日 | ロルファー
ロルフィングを受けることに決めた後は,ロルファー選びです。自分のロルフィング体験を成功させるためにもロルファー選びは大切です。どのセラピーやソマティックプラクティスにおいても共通しますが,受け手とプラクティショナーとの信頼関係,相性,提供したいことと受け取ろうとすることのマッチング等も重要な要因です。
 信頼関係といっても大げさなものではなく,そのセッションの間に,必要なだけ受け手が身体を安心して委ねることができるかどうかです。受け手が圧力などを適切にフィードバックできる環境をロルファーが提供していることが前提ですが,受け手もまた,躊躇せずに必要なフィードバックや情報をロルファーにいうことが,さらに建設的な結果を生みます。特に身体を痛めた経験や病院にいかないまでも不調だった経験は,制限を解放する上での有力な情報となります。
 さて相性ですが,セッションは,人間と人間の間で生じるものですから,当然合う合わないはあります。状況によっては,自分の問題を相手に投影してしまうこともあるでしょうし,ロルファーの目指すものと受け手の期待がずれている場合,受け手の問題を解決するのに必要なスキルをロルファーがまだ身につけていない場合もあるでしょう。ロルファーの経験年数やアドバンストロルファーかどうかとか,性別,料金等より,一番重要なのは,受け手として,自分を尊重してくれて,丁寧にセッションしてくれるかどうか,そして自分がピンときているかどうかではないでしょうか?(ただし丁寧にというのは,時間の長さとは比例しません。)
 とにかく,そのロルファーを少しでも知ることです。デモがあればそれで確かめるのもいい手ですし,サイトの文章から受ける感触,電話或いはメールでの応対も参考になるでしょう。ロルファーのワークに対するとらえ方や世界観が異なると,ロルフィングも全く違う体験となるでしょう。

これまで,評価の高い,或いは名の知れたさまざまなロルファーのワークを受けてきましたが,確かにそれに見合うと感じられるワークもありましたが,外れといわないまでもピンとこない経験もしました。そのワークが駄目だったわけではなく,出会うべきロルファーに出会い,受けるべきワークをその時受けることが大切なのだと思います。

ロルフィング終了後,元の状態に戻ることはないのですか?

2004年11月27日 | ロルフィングについての質問
ロルフィングの10回のセッションが終わった後,一旦つながりのある統合された状態になると,身体に対して,バランスを自覚する能力も高まります。力みや緊張に対しても敏感になり,それが無自覚的に慢性的な緊張になる前に気づきやすくなります。つまり,自分で修正する力が養われます。
さらに,重力に対して,エネルギーのロスがより少なく,立つことや,無理のないスムーズな動きが可能になります。それは,パフォーマンスを職業としている人々のみならず,日々の生活での動作においても,エネルギーレベルを高く保つことに役立ちます。この感覚と効果については,一般に年単位で維持されるといわれています。
創始者アイダロルフ博士の言葉を引用すると,それは,車を大衆車フォードから高級車ジャグワに身体を乗り換えたようなものです。ジャグワの乗り心地を知ってしまえば,乗り換えてからの時間にかかわらず,誰もフォードにまた乗リ変えようとは思わないものです。
ロルフィングは,一過的な効果を目指すのではなく,持続可能性(sustainability)を重視した統合的アプローチです。

あるクライアントはこんな感想を述べておられます。
" (ロルフィングを)受けてみたら、そもそも無理な姿勢ができなくなるとか、一度まっすぐな感覚を意識的に体験すれば、物差しができるから修正が容易だとか、そういうことが持続性を保証するらしいと体験的に理解できました。つまり,一旦,バランスのとれた感覚を体感すると,そこから外れた時に,それを自覚できます。統合されてない状態では,それを自覚するのは不可能です。

実際にこちらでBasic 10シリーズを受けて約一年後にアドバンストシリーズを受けるためにいらしたクライアントの写真を照らし併せると,バランスがほぼ保持され,元の状態に戻っていないことが確認されています。
基本の7回のセッションで身体の主要なほとんどの部位に働きかけ,組織を個別化させた後,それらがつながりをもつように残りの3セッションでまとめるのには,意味があり10回が最低必要なことを何度もロルファーは経験するのです。

受け手がより身体に意識を向けることも大切ですが,身体自体は,より快適な状態を体験するとそれを維持し,さらに満足のいく状態を求めようとする ”生きた” 有機的な存在であるように思えてきます。