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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

花と空蝉

2017-04-03 11:00:55 | 花便り&花をめぐって
 この辺の桜はいまどんな具合だろう。午後に歯医者へ行かなければならないので、すこし遠回りをして確かめてみよう。

                

 今年はいつまでも寒いと思ったのは、こちらの加齢のせいだと思っていたが、そうばかりではないようだ。実際の各地の桜前線も軒並み一週間ほど遅れているとのこと。私の日記を見ても、去年の3月31日には、ほぼ満開の写真を載せている。

                

 そんななか、東京がいち早く開花宣言をし、今はもう満開だという。
 これはいささか奇異な感じがする。これはたぶん、地理的な条件やそれによる気候の推移のせいではなく、ヒートアイランド現象によるものではないか。
 東京はやはり、日本においての地球温暖化のメッカなのだ。

                

 桜はともかく、うちの花の話をしよう。
 紅梅は終わり、桜ん坊のなる早咲きの桜も終わり、今咲いているのはユキヤナギとレンギョウである。
 これらの花の特徴は、一輪々々が自己主張をするのではなく、ひとつの纏まった集団としてアピールする点にある。

              

 朝のことである。それらの花々をひとわたり見回して、洗濯物を干しにいった。その折、何やら足もとで飴色に光るものを見つけた。
 洗濯物を干し終わってとって返してそれを観察した。なんと、セミの抜け殻なのだ。昨年の7月か8月以来、誰にも気付かれずここにとまっていたのだ。

              

 うちには3種類のセミがやってくる。一番多いのはアブラゼミ、それとニイニイゼミ、そしてツクツクボウシだ。名古屋などはもう圧倒的にクマゼミのテリトリー(これも温暖化で北上中)らしいが、うちにも、この辺にもこない。
 愛知県との県境にある木曽川がその北進を阻止しているのだろうか。あの川幅は、よほど根性のあるクマゼミでないと越えることはできまい。

                  

 しかし、この抜け殻、よく頑張ったものだ。
 それを愛でて川柳など。空蝉は夏の季語だが、川柳には季語はないからいいだろう。

                  

     ・越年の 空蝉空(くう)の貌(かお)残す
     ・去年(こぞ)の空 (くう)卯月 空蝉 憂き世倦む



コメント
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