大きな世界の小さな部屋

まぁ色々とヲタ趣味に関した話題をうんたらかんたらと…あと動物ネタなんかも。

時間からの影 03

2012年01月27日 08時35分56秒 | TFその他

今回ご紹介するのは、ビーストウォーズ(以後BW)よりデストロン兵士“クワガイガー”。どっかの勇者王みたいな名前ですが、当然ながらこれは日本で付けられた名前。
名前やデザインを見ても分かる様にクワガタがモチーフですが、クワガタキャラにはお約束の大顎が脇腹から上に向かって生えているという、非常に地味な配置になって
いるのが特徴。勿体ないんですよねーこれ、クワガタの大顎と言ったらかっこよさや凶悪さを演出するのにもってこいのパーツなのに、脇腹なんて目立たない位置に来て
いるのが。それでいて、腕にクワガタ足が集中していたり、背中がクワガタまんまだったりと、クワガタキャラのお約束と言うかカブりやすいパーツ配置になっているし。
そして全身がラメ入りのメタリック成形になっていて、一見埃に見えますがそれはラメです。


ご尊顔拝見…カッと見開いた表情の無い目や半開きで歯をむき出しにした口が、
どことなく獲物を求めるゾンビっぽいです。

付属カードには、“主に森林で活動し、空中を自由自在に飛び回りながら相手を
追い詰めていくクワガイガーは、戦闘のプロフェッショナルといえる。彼のボウガ
ンは、残酷な武器である。”と書かれています。戦闘のプロと称されている割には
持っている武器はボウガンしかない、それってショボくね?クワガタだったら大顎
使えよ!まぁ、ボウガンしか持ってないのに戦闘のプロと称されるほどの実力者、
と言う見方も出来ますが…。クワガタTFと言えば初代TFに登場したシャープネル
がいますが、彼は大顎をアンテナとして使用し、電磁波を飛ばし電波障害を引き
起こすキャラクターでした。折角のクワガタモチーフなんだから、それと同じ能力を
持たせて欲しかったですね。ちなみに海外版には、シャープネル同様“大顎をアン
テナとして使用する”と言う設定付けがされています。

それと言い忘れてましたが、海外版での名称は“インセクティコン”。これは上記
のシャープネルが属している独立部隊名と同じですが、日本人の感覚としてイン
セクティコンって名前がかっこよく聞こえないと判断されたのでしょう。だからって
クワガイガーもどうかと思うが…まんま過ぎて。


可動はまぁ、当時のフリップチェンジャー水準。首が左右回転のみ、肩と肘がボールジョイント、股関節と膝がボール
ジョイント、あと変形ギミックの恩恵で足首が後方にのみ可動。当時のフリップチェンジャーを、サイバトロンとデストロ
ンで比較してみると面白い発見があります。サイバトロンの場合は基本がガワ変形(例外有り)で、ロボット脚部はビ
ーストモードではガワの内側に収納される(ガワ変形じゃない場合はビースト腹部に配置)のに対し、デストロンの場
合はガワ変形では無いにせよ“ビースト腹部に配置”は同様(これも例外有り)ですが、それでも足首を変形させて見
栄えを良くするという処理が取られています。これはデストロンだけのギミックで、そのおかげで全員に可動する足首
を持ちます。逆を言えば、サイバトロンのフリップチェンジャーは全員足首が固定と言う事になりますな。


武器はカードにも書かれている通りのボウガン、グリップが斜め上を向いているのが特徴。でもその為に、まっすぐ構え
るには肘を曲げて拳を斜め下に向けなくてはならないので、正直遊びにくいです。現実のボウガンのサイズってこんなも
んだし、それに形状的にボウガンにも見えるんですけど…。やはりロボット玩具の武器としてはショボさを感じずにはいら
れません。いっその事、クワガタの大顎を外して手持ち武器にした方が良かったんじゃない?両手に持たせて剣にすると
か、また拳の上下に差し込んでテッカマンのランサーみたいにするとか。こうすれば二種類の武器として使う事が出来ま
す…だってボウガンはどう頑張ったって、弓を折り畳んでハンドガンに見立てる位にしかできないでしょ?しかもやった所
で見た目に大きな変化が無いし…大顎武器案の方がプレイバリュー上がっていいと思うけどなぁ?


このボウガンにはチョットしたギミックがあります。まず弓に当たる部分を折り畳み、それから左右に割ります。


続いてクワガイガーの背中、ここにある甲羅を開きます。するとその下に、縦長のスリットが出てきました。


この部分に二つに割ったボウガンを収納する事が出来ます…左右で形状が違うので、収納する時は注意。初期BWで
よくやっていたシークレットウェポン、つまり武器収納ギミックだそうです。そのテーマは充分消化出来ていますけど、
“体内に格納=必然的に武器を小さくせざるを得ない”ので、やっぱり武器モードのショボさを感じてしまいます。わざわ
ざ細かくパーツ分割して収納ギミック持たせた武器を作るよりも、やっぱり一体成型の大顎を外して手持ち武器にした方
が良かったんじゃね?使わない時は脇腹に戻せば、それはそれで武器収納になりそうだし。


拳の穴は3ミリ径なので、3ミリジョイントのミクロマン武器やサイバーバース武器を持たせられます。当時は3ミリジョイ
ントのあるミクロマンは無かったので、ミクロマンが発売された2000年代に入ってからは、そちらから拝借して思う存分
大型武器を持たせる事が出来ますな。


ビーストモードはクワガタ、まぁ冒頭にも有った通り。側面のクワガタ足にロボット腕がそのまんま露出しているのが興
冷めですが、まぁそれは見なかった事に。恐らく変形ギミックの弊害とは思いますが、従来のクワガタ玩具に比べて大
顎が細く小さいので、クワガタらしさをアピールするにはちょっと力不足。


ロボットモードでは敢えて触れませんでしたけど、甲羅の筋彫りがスゴいです。前面に渡って縦に何本もの筋が走って
いて、本物のクワガタもこんな感じになっている種があるので凄くリアル。もうキモい位に。


当然ながら、ビーストモードでも甲羅を開けます。そしてビーストモードで羽を展開できるフリップチェンジャーはこいつ
のみ…あとは開きっぱなしか羽が無いかです。そう言えば、昆虫モチーフのフリップチェンジャーってこいつだけだな。


でも一応クワガタとしてのアイデンティティを反映したギミックは有って、大顎を開閉するギミックがあり
ます。内部になんか入っているらしく、一方を動かすともう一方も動きます。うーん…やっぱりこのギミッ
クがあったにせよ、大顎を外して手持ち武器にするギミックとは両立させられたと思うけどなぁ…。根元
にジョイント作ればいいだけだし、わざわざ細かいパーツのボウガン作るよりコストが安くつくし、効果的
なアイディアだと思うけどなぁ?


では変形シークエンス。クワガイガーの場合は大顎がスイッチになっていて、それを下に押すと
ロックが外れ、スプリングで瞬時に変形します。クワガタ頭部が下に180度折れ曲がり、それと
同時にロボット脚部が後ろ側に突き出たのがお分かりでしょうか?


横から見てみると一目瞭然で、足が後ろに突き出たのが分かりやすくなっていると思います。クワガタ頭部が移動した
事によりロボット頭部が現れますが、大顎は足が後ろに突き出た際に一緒に後方に移動した腰と繋がっているので、
腰と一緒に後方に移動しているのが分かります。


そしてデストロンビーストの特権、足首を90度動かしてロボット脚部を形成します。


これで変形そのものは完了しているので、直立させましょう。フリップチェンジャーはこのスピーディーさが魅力。


最後に背中を開き、シークレットウェポンを取り出します。
まぁ、サイバーバース武器を持たせたいならしまいっ放しでもいいんですけどね。


取り出したパーツを組み合わせ、弓を伸ばしてボウガンを形成します。


そして手に持たせて変形完了…他のフリップチェンジャーの収納武器と違って組み立てる楽しさがあるのであんまり
悪く言いたくもないんですけど、ボウガンそのものがその楽しさを全て相殺してお釣りが来る位なので…。


総評としては、一言で言うなら賛否両論。ビーストTFには珍しいメタリック成形、クワガタと言うウケやすいモチーフ、変形時に大顎は移動するだけで一切変形しない
珍しさ、フリップチェンジャー唯一の組み立て武器、彼だけの羽開閉ギミックと独自の楽しさはあるんですが、やはりクワガタの特徴を殆ど活かしていない設計はどう
かと思います。なんと言うか、かっこよく出来る要素を自分で潰してるんですよねコレ。フリップチェンジギミックの弊害でロボットモードでの大顎の位置が脇腹以外に
やりようが無い、それは諦めるとしても大顎は武器として活用して欲しかったですよ。これがあるだけで、このクワガイガーの評価は大きく変わった筈です。やっぱり
ボウガンが大きく足を引っ張ってるなぁ…。あとこれはこの画像を撮影して気付いたのですが、大顎の肉抜き穴がロボットモードでは真正面に向くので、それがロボッ
トとしてのメカディテールに見えるのは怪我の功名でしょうね。


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