大きな世界の小さな部屋

まぁ色々とヲタ趣味に関した話題をうんたらかんたらと…あと動物ネタなんかも。

科学が生んだ高潔騎士 前編

2008年05月10日 07時18分47秒 | 武装神姫
今回ご紹介する神姫は、シリーズ第二弾となった“騎士型 サイフォス”です。この第三弾はもう一種“侍型 紅緒(未購入)”がありますが、洋風&和風の取り合わせという事になりますね。


全身像はこんな感じで、騎士だけに甲冑に身を包まれています。
しかし、鎧を装着すればそれだけ可動範囲が狭まるというのはどの可動フィギュアでも逃れられないジレンマ
で、ヴァッフェバニー以外の神姫に比べいまいちポーズが付けにくいです。サイフォスにも通常の神姫スタンド
が付属しますが、サイフォスの場合は軽快に飛び回るという雰囲気じゃないので、素体付属の簡易スタンドの
方が相性が良いです。

神姫にしては珍しく肩にもパーツが付いていますが、これは従来の神姫に置ける上腕パーツに肩鎧がボール
ジョイントで接続されているからです(詳しくは後述)。勿論、取り付け方法も従来通り上腕に挟み込むのです
が、ここが保持力が足りない上に胸部鎧や頭部にすぐ引っかかり、外れやすくて困ります。次に腰鎧をご覧
ください。これは箱絵を見ると設定では布製の様で、こういうスカート状パーツは可動の弊害になりやすい物
ですが、これには二重ヒンジが設けられているので邪魔になりません。ただ、そのヒンジが繋がっている&
腰鎧に接続されている黄色いパーツが外れやすいですね。中央にジョイントが備わっていて、剣の鞘を
取り付けられるのは良し…これは出来て当然なだけに疎かにされちゃ困る。他に書く所が無いのでここに
書きますが、マオチャオに付いていた拡張スペーサーは何故か同梱されていません。ですが、サイフォスは
全体的にジョイントが極端に少ないので、有っても使い道はほとんどありません。


甲冑の中身の素体はこう…ブラックに見えますが暗いブルーの
上にホワイトのラインとシンプルなもの。開いた胸元と、太ももの
辺りがレースの下着を思わせてちょっとセクシー。この状態だと
分かりやすいですが、これまでの神姫と比べ頭部が小さく造型
されています。胸元が肌色になっていますが、ここは塗装なので
頭部や喉元とは若干色調が違いますね。


ではご尊顔拝見…団子っ鼻が。それまで無かった鋭い目つき
の凛々しい顔つきだというのに鼻がぁ…台無しです。鼻がもっと
小さいだけでも随分違って見えるはずなのに。よく見ると前髪の
方にアホ毛があります。

バトルロンドでは、仰々しい口調で喋る石頭…もとい誇りとかを
重んじる硬い…もとい気高い女騎士でした。真面目すぎて面白み
に欠けますが。しかし本人は否定していますが可愛いモノ好きで
もあり、プレイヤーから貰ったクマのぬいぐるみを“ゲンゴロー”と
名付け愛でるなんて一面も持っています。

では、今度は武装についてご説明します。


メイン武器となる剣“コルヌ”、勇ましくも優雅なデザインです。
ただ、刀身やグリップ先端が成型色のグレー丸出しなので、ここが安っぽいのが難点。メタルシルバーで塗装してやればかっこよくなりそうです。そして鞘からは勿論抜刀も可能…鞘にも細かい装飾がありますが塗装されていないので全く目立ちません…もったいない。

バトルロンドでもやっぱりメイン武器で、ライトセイバー同様に相手を数回斬りつけて攻撃します。
私のイメージでは重い一撃を叩き込むものだったんでがっかりでしたが…それは攻撃スキル“サクレクール”との差別化を図る為だった様です。こっちは相手に突進し横一文に斬撃を浴びせるものでしたので…ちなみにダメージは700~900前後って所で決め手にはなりませんが中堅技ですね。


長槍“デファンス”…長すぎます。あまりにも長すぎて取りまわしが大変です。長くすりゃ良いってモンじゃない、何より素体の身長より長いってーのはやりすぎ!そしてこちらも
グレー成型色で安っぽいったらもう…あとこの水色なんとかなりませんか、グレーといまいち合ってないです。それと、細かい装飾が合っても色分けされてないから目立たない
ってのはコルヌと同様です。そして何のギミックも無いので、本当にタダの槍です。

バトルロンドでは、その長さを生かし中距離戦に威力を発揮します。サイフォスタイプの武器は殆どが近距離用なので、余裕があれば入れておいたほうがよろしいかと。
スキルは“グランシュヴァリエ”、アーンヴァルタイプのクイックドローやヴァッフェバニータイプのミッドナイトレジスタンス同様に反撃技との事ですが、ウチの子は何故か今まで
一回も使ったことがありません…。


木製ボウガン“ベック”は、サイフォスタイプ唯一の飛び道具です。
ですが…これがまた大問題な代物で、なんとトリガーはあるのにグリップがありません!本体そのものを握って保持する&実在のボウガンもきっとそうなんでしょうけど、武装神姫は
空想玩具なんだから、そんな再現度よりも遊びやすさを重視すべきなんでは?しかも、トリガーがある以上はその近辺を握ることになりますが、太すぎて素体の手では握れません!
画像では脇で挟み両手を添えてそれっぽくしてあるだけで、実は全く保持手来ていません!傾けると落ちます!しかもバトルロンドでは片手持ちが基本ですから、それを再現しよう
にも絶対に不可能です!更に何のギミックも無し、ただの塩ビの塊です。せめてテグスとかで弦が張ってあれば、見た目的にまだマシになったものを。一応、本体下方と後方に
神姫ジョイントがありますが…。


多分、下方のジョイントは腰にマウントする為に設けられたものだと思われます。しかし後方ジョイント…全くフォロー出来ませんなコレは。

バトルロンドでは射程は中距離で単発のみと、ハンドガンとは呼べないしライフルと呼ぶには中途半端なリーチ。しかし片手持ちがデフォなので、一応はハンドガンに分類
すべきでしょうか?威力はハンドガン系として扱うにしてはかなり高い上に、木製故に軽いので重量制限にも引っかかりにくいと、特に序盤で大いに活躍してくれます。
スキルは“フレシュドエクレール”、追加攻撃スキルです。普段は矢を発射するベックですが、フレシュドエクレール時は矢の形をしたエネルギー弾を発射するようになります。
ただ、威力はサクレクールに比べると若干落ちるみたいです…すんませんはっきり比べた訳じゃないので間違ってたらゴメンナサイ。


ハンドアックス“クリニエール”。ゴールドを主体としこれまでの武器類で最も使用した色数も多く、かつジョイント以外は
ほぼ全塗装と、無駄にゴージャスな感じ…ホンット無駄に。そもそも手斧ってサイフォスタイプのイメージに似合わないし、
武器類の中で最も小型なので見栄えもしないし。せめてこの塗装をデファンスでやって欲しかったですが…。これは私見
なのですが、グリップがストラーフタイプのアングルブレードよろしくグネグネとうねってますけど、これ使いにくそうです。
尚、刃の側面に腰へのマウント用ジョイントがあり、グリップ側にも用途不明のジョイントがあるのもベック同様です。
ぶっちゃけ、こんなもんいらんからマントとかを付けてくれ。

バトルロンドでは、なんのスキルも無いただの手斧です。
破壊力はありますがリーチが短いので近距離戦にしか使えませんし、それに近接武器が欲しかったら威力が落ちても
スキルのあるコルヌを使った方が得ですし。使用時には両手で構え真上から叩き割るのですが、クリニエールそのもの
が小さいので迫力が無いったらもう…。それらの欠点故か、私は他のプレイヤーがコレ使ってるのを見た事がありません。


これで武器は以上ですが、サイフォスタイプにはまだ触れるべき点があります。従来の神姫と違い、これにだけは
手甲付きの手首が付属しているのです。ただ、これは正しくは“手甲の付いた固定持ち手”が余分に付属している
だけで、例えば平手にしたい場合は手甲の無い通常の平手に付け替えなきゃならんのです。で、手甲の有無の
食い違いを避けるために結局手甲つき手首は使わないと、はっきり言って意味が有りません。まぁ、手甲なんか
付け始めたら全手首分を用意しなきゃならない、それやるとコストが上がるからせめて使用頻度の高そうな固定
持ち手だけ用意したって気配りは分かるんですが、ポージングする度に食い違う以上、いっそ手甲手首は削除
しても良かったんじゃないでしょうか?


サイフォスタイプ最大の問題点…それは先ほど少しだけ触れた肩鎧“ソルダットアルミュール:肩”。肩鎧と上腕鎧はボールジョイントで接続されており、その受けにスライド
機構が備わっています。それは肩を動かす時に肩鎧の干渉を防ぐ為ですが、スライド&回転させても脇を開くとすぐ頭部にぶつかる為、実際には巧く機能していません。
つまり脇を広げると①画像の様に、すぐに両側から頭が挟まれる形になり、最悪は両肩鎧に押され首が垂直に抜けたりします。そしてご覧の通り、頭が引っかかってこの
程度しか脇を広げられません。しかし、②画像の様に肩鎧を可動軸に沿って後ろに逃がしてやると、脇を水平に広げる事は出来ます…ただし今度は背中鎧に干渉します。
そしてここが最悪なんですが、腕だけを動かしても肩鎧があちこちに干渉し、接続されている上腕部がスポスポ抜け落ちる為、本当にストレスが溜まります。試みは分かる
んですが、結果的には失敗したただの欠陥ギミックとなってしまったのです。もう少し煮詰めれば巧く行ったと思うのですが…。


レッグパーツ“チェヴァルボッテ:脛”、こちらも従来の神姫通り脛から下を交換する形で装備。足首にボール
ジョイントがあり設置性は抜群なのはマオチャオタイプの天舞靴も同様ですが、こちら二重ボールジョイントで
設置性は更にアップ&足裏の設置面積も大きいので安定性は良好です。
それになにより、デザインがかっこいいのですよ。


そしてサイフォスタイプは、紅緒タイプ同様に上記のノーマル型から重装型へと換装が可能です。
肩鎧が肥大化した事で、ただでさえ動かしにくかったものが益々…。デザイナーの篠房六郎氏はなるべく
可動を殺さないように工夫したとコメントしています、肩鎧にはノーマル型と同じ機構が設けられています
が、あんな欠陥機構を盛り込まれても困ります。例えば、素体の肩関節に伸縮機構でもあれば良かった
んですけど、素体は予め用意された物しか使えませんからね。それに神姫素体って、現行素体の中では
(股関節以外は)可動部の狭い部類に入りますし…ミクロマンに遠く及ばないのは勿論、今じゃ装着変身
素体にも負けてますから。話を重装型に戻しますが、よく見ると足はそのまんまです。


兜“キャヴァリエアルミュール:頭&面”、これまでの神姫のヘッドパーツと違い首そのものを交換する形となります。
マスク部は別パーツになっており着脱可能で、外すとサイフォスのご尊顔を拝めます。ただ、このマスクはデザイン的に無骨すぎて美しくないので、
ウチではキャヴァリエアルミュールを付ける時はアンマスクド状態にしています。それにしても…細かいディテールが施されているのに成型色丸出し
で安っぽいなぁ…塗装&墨入れすれば化けそうですが。


小型シールド“ブークリエアスィエ”、小型とは言えシールドを付けてくれたのはいいんですが、これジョイント位置の都合で
重装型下腕部パーツ“キャヴァリエアルミュール:腕L/R”に付ける以外に使い道が全くありません。つまり重装型専用パーツ
…フザケンナ。仮にノーマル型に付ける場合は、ノーマル下腕部パーツ“ソルダットアルミュール:腕 L/R”を外し手首に
ジョイント付きスペーサーを噛ませるか、下腕部パーツだけそれにする以外にありません…なんですかこの中途半端さは。


ちなみに手首にジョイント付きスペーサーの方法をやると、実際にはこうなります。ジョイント位置の都合で、矢印状パーツと円形パーツに分解してそのいずれかしか
付けられなくなってしまうのです…左側はバックラーですなこれは。そしてやってみて気付いたのですが、マオチャオタイプなどに付属の二重の凸ジョイントが無いと
付けられません。もう一方はそのまま付けられます、悪くは無いのですが先端の矢印とかジョイント位置が中央でない為、手の方に突出した形になってしまい纏まり
に欠け、イマイチかっこよくないのです。ちなみにもっとジョイント配置を練りこむべきだし、それに手持ちに出来るようにして欲しかった所。


重装型下腕部パーツ“キャヴァリエアルミュール:腕”には、シールド装備用に下方に
向かいジョイントがあります。それを使い、ベック&クリニエールの謎ジョイントを接続してみました。


クリニエールはフォローのしようがありませんが、意外にベックはイケますね。


それと、ここにはデファンスも付けられます…流石に長すぎて先端が下に傾きますけどね。それに大体、これどういう時に使うんだ。


尚、未使用鎧はご覧の通り、付属の台座に収めることが出来ます。と言っても胸部と肩アーマーだけで、大半の鎧は
付けられません…ホンットーに中途半端ですね。もちろん、この状態だと素体は軽装状態です。つまり逆だと…?


当然ながらこうなります。お願い睨まないで恐いから。


総評としては、置いとく分には良いんですがいじりにくい、全般的に遊びにくい出来となってしまいました。換装ギミックの
為に鎧を2種用意した事が仇となり、他のギミックや遊びやすさと言った要素を圧迫してしまった感じです。2種の鎧を
ミックスすればプレイバリューは格段に向上しますが、それは第一弾に見られた有形ブロック構想では無いので方向性が
完全に違います。よって、最初からこういう換装遊びの方向性を目指したのではないでしょうか?事実、空想科学の産物
では無く、実在する旧世紀の産物“西洋甲冑”をモチーフにした以上は、全身にボコボコと穴(ジョイント)を開けると美観を
損ねてしまいます。ですから神姫ジョイントは武器マウントラッチと割り切り、換装遊びに的を絞るのがコンセプトではないか
と。その方向性も決して間違っていないし、事実ノーマル型のモチーフを巧く消化した纏まりの良さは特筆ものです。
欲を言えば、そこそこの大きさのシールドやマントが欲しかったですが。

ただし、そういうのは“装着しても素体が一通り可動する”という前提があっての事です。それをやるには神姫素体が余り
にも力不足でした…肩鎧の欠陥もあり、狭い可動部分が更に動かなくなるという有様。思うにタカラトミーのアクションヒーロー
PRO素体で同じ事をやれば、素晴らしい物に仕上がったんじゃないでしょうか?つまり、“重装備換装ギミックは神姫には
向いていない”という結果だけが残ってしまったのです。事実これまでの神姫各種を見ても、上腕と肩を完全に覆い隠して
しまう様なパーツのある神姫っては紅緒とサイフォス以外はいません。ハウリン&マオチャオも該当しますが、あれは肩の
可動に素体のものを使っていませんから弊害は有りませんし。世間からも非常に低い評価を下されたサイフォスタイプ、
私は肩鎧以外はそれほど悪いとは思っていないのですが、私が考えるに肩は可動にあたり最も重要な関節の一つ、それ
が大幅に制限されてしまったので全般的に強いマイナスイメージが出来てしまった、そういう事じゃないでしょうか?

この後、武装神姫シリーズでは可動を殺さないデザインやシンプルかつ効果的な工夫のされた必要最低限のアーマー
から成る、従来の有形ブロック構想に基づいたカスタマイズやアーマーパーツの変形ギミックはあっても、これを書いて
いる現時点では換装型は全く開発アナウンスされていません。サイフォスでパーツ干渉を減らすデザインや工夫が巧く
いっていれば、第一弾第二弾の神姫とはまた違った方向性を明示出来たのですがね…。

キャラ設定については次回のお楽しみ。


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