例によって囲碁ブログ・サーフィンをしていたら気になる記事を見つけた。囲碁の白石はチョウセンハマグリからできる、というのである。(『電脳秘書執務日誌』)う~む、大変だ。碁石って、黒石が那智黒で、白石は日向と昔から決まっていなかったっけ。確かものの本(『囲碁雑学ものしり百科』日本棋院:刊)には、高級品は日向産の蛤から作るがそれは最近は品薄で、一般に普及しているのはメキシコで採れたものを使うと書いてあったよな。それで生まれも育ちもヒノモトは高千穂の日向産蛤碁石に対し、生まれは異国だが加工は碁石作りの伝統技術を伝える日向でなされた“日向製碁石”なる造語が生まれたという。
念のため、「碁石」「日向」でググってみると、あったあった。日向市関連のホームページには、日向には日向産碁石の祭りまであって、地域ブランドとして大切に保護しているらしい。しゅんせつ船で蛤を捕獲している写真まで載っていてそれで見る限りは日向から出荷される碁石の原料となる蛤はすべて日向市の海で獲れる、という印象を与えてしまう。そのページは市内には碁石製造業者が8社ある、とある。が、検索で引っかかってきた地元業者は2社だけで、「幻の日向特産」と銘打ってはいるもののメキシコ産の蛤についてはふれてはいない。その点、全国展開している「楽天」や「三越」といった業者は市販の99%はメキシコ製です、と認めてしまっている。
実はこういった日本独自の産物であったものが、実際の流通ではとっくにグローバル化されている、といったことは最近どんどん明らかになってきた。皆さんだってスーパーにいけば、寿司ネタになる魚がほとんど輸入モノで占められているのをみたことはあるでしょう。三重県出身の<余>の知る範囲でも昔から松坂肉の生産地は兵庫県但馬であることは常識だったし、社会科の授業では東京都大島みやげの海苔の90%が三重県産であることはむしろ誇らしげに教わってきた。近年知ったことだが、浜名湖周辺の養鰻業者は中国、韓国、台湾あたりから仕入れてきた稚魚を半年あまり浜名湖に‘漬けておいて’出荷するのが90%だという。(鰻の本場浜名湖にしてこうなのだから、他の地方製はおしてはかるべし。専門家にいわせると「輸入モンは目付きが悪いので一発でわかる」そうである。ホンマかいな)越前蟹は出漁しても乱獲のために水揚げ量が寡なくて、船員の人件費とガソリン代のほうがかかるため船主は出漁をしぶり、ほんのすこし獲れた蟹も高値で東京の築地へ行ってしまうために地元では一人前4万5千円~の料亭でさえオール輸入物でしらんぷりをしている、とこれはF県の観光課長さんから直々に聞いた。日本にしかない、と思い込んでいたあの山葵(ワサビ)でさえ生モノは知らず、メーカーが製造するねりわさびの原料の99%はベトナム産だとH社の名古屋工場長は白状したもんだ。
ところで法律が変わって来年の4月から、商標登録が厳格になるという話を聞いた。「久谷焼き」「讃岐うどん」「北海道バター」といった特産地名+商品名が商標登録されることになり、その名前の現地で“生産”されたものしかその商標を使えなくなる。先の例でいくと三重県で採れて大島で袋詰めされた「大島海苔」はアウトということになる。そこで今から各地の特産物製作現場は大混乱に陥っているらしい。北陸地方でいうと、輪島を始めとして漆塗り工芸は盛んだが、原材料となる土から地元のものを使う純粋現地産のものと、土は独自の技法で漆の絵付け技法を用いて仕上げる現地製の漆器(現地総生産の1/3を占める)の間にどのような線引きをおこなうのか地元漆器業者組合でもおりあいがついてないのだという。
話を碁石に戻せば、明確な商標登録を求められる来年4月以降は、「日向蛤碁石」という商標登録をするのか、旧来の「日向産蛤碁石」「日向製蛤碁石」というあやしげな共存状態をひきずっていくのか、「メキシコ産日向製蛤碁石」という隠されてきた地域ブランドに光の目を当てるのか、韓流ブームにのっかった新ブランドが出現するのか、すくなからぬ興味があるところである。
まあ国産の日向蛤と言ったって手入れを怠れば黄ばんでくるという欠点はあるわけだし、目に優しいグリーン碁石だって出現してくる時代である。新しかろう⇒粗悪だろう、とはなからきめつけてしまうもいかがなものだろうか。
東京は葛飾柴又産の寅さん(渥見清)を「ばかだねぇ」といっていとおしみながらも、一朝何か事がおこれば葛飾柴又製(第8話「寅次郎恋歌」によれば北海道産)の博(前田吟)を頼りにするのが妹のさくら、おいちゃん、おばちゃん、そして我々すべての日本人なのだから。
ひーおじいちゃんが愛用してたものらしく、碁盤もすごく立派で持ち運びがえらいし碁石も黒は那智黒石で白も黄ばんでるから蛤だと思いますね。
碁盤や碁石は、最近宿泊先でもできるように磁石碁盤と磁石碁石セットを買いました。
磁石碁盤と磁石碁石は、指先でそっとつまんで狭い碁盤に密集している先住民の間にすべりこませる、あのいじましさがたまりませんねぇ。僕が入院していた病院では「可愛いのね」といって、碁を知らない看護婦さんにも人気があるましたっけ。
名古屋市にあるかって鶴も飛来してきたという鶴舞公園は、土曜日曜ともなれば碁盤をもちこんで烏鷺を戦わせる人々で賑わいます。ゴルフ場が“緑の待合”ならば、これはなんといえばいいんでしょうかね。
私がブログを始めたのは4年前からなのですが、トラックバックの意味もわからず、昨日色々検索してやっと半分くらい理解できました。
私のブログも今年からトラックバックの機能がつくようになっていたのですが、意味がわからないままでした。(汗)
お礼も言わずに失礼いたしました。
>やっと半分くらい理解できました
>お礼も言わずに
いやぁ、いいんだよ。てれるからさ。
っていうか、おいら棋譜リンク用にseesaaにブログ(【3210 あほうむ びぎゃn 棋譜ファイル】)作ったんだけど、そっからこのブログにリンクが張れないのよね。
え~ん、理絵子泣いてお家に帰る~!
たとえばこの記事なら「囲碁ブログ・サーフィンをしていたら気になる記事」に対してTBを送るものでしょう。